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稲川淳二の怪談を整理する、怪談!稲川倉庫です。
今回は『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談 Selection18 蛍火~心を癒す怪談集Ⅱ~』を整理!
(CD発売日:2017年6月9日)<MNT-18>

『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談』シリーズ
『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談』シリーズのご紹介の18作目。
Selection2に続いて2作目の“心を癒す怪談”特集です。数年ぶりに「優しい怪談」がリリースされました!
『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談Selection18 蛍火~心を癒す怪談集Ⅱ~』
怖いばかりが怪談ではない。優しさや思いやりや癒しがそこにはある。
公式ホームページから引用
“稲川怪談”不朽の名作「蛍 火」を含む全6話収録!
本作のオススメはなんと言っても表題怪談「蛍火」でしょう!
これを聞かずして稲川流優しい怪談は語れない!
語りというよりは朗読に近い本作ですが、座長自ら「アレンジして綴ってみました」とおっしゃっています。珠玉の怪談でぜひ癒されてください!
他にも、幼少期に体験した淡い恋心を思い出させてくれる「トマト畑」や、自分が父親になって“あの頃の父親”に思いを馳せる「五月人形の思い出」など収録しています。
一方で、個人的には「優しい怪談」と言っていいのか?と感じてしまう怪談もありました…。ぜひ確かめてみて感想をお寄せください(笑)

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2023年10月現在の稲川怪談CDラインアップ
・稲川淳二の秋の夜長のこわ~いお話
・怖いから聞かないで
・怖いから聞かないで 惨
・怖いから聞かないで~極選~
・ホントにこわ~い話 ベスト
・決定盤!! 稲川淳二の怖~い話 ベスト
・Help Me!
・稲川怪談クラシック (クラッシック音楽の紹介なので間違わないで)
・稲川淳二の怪談 MYSTERY NIGHT TOUR Selection
4,5,8,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,22

2023年10月現在の稲川怪談CDラインアップ
・ホントにこわ~い話 ベスト
・稲川怪談クラシック (クラッシック音楽の紹介なので間違わないで)
・稲川淳二の怪談 MYSTERY NIGHT TOUR Selection
6,7,8,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,22
・稲川淳二の怪談 MYSTERY NIGHT TOUR Selection BOXシリーズ
(ベストアルバムBOXのようなもの)
Introduction
MYSTERY NIGHT TOURのCDには珍しい、座長の語りが収録されています。発売当時は怪談古希、座長が70歳のときだったようですね。
怪談ナイトの観客が「涙した」と言う、珠玉の優しい怪談をお聞きください。
トマト畑 (2009)
トマト畑の向こうに広がる入道雲。
公式ホームページから引用
風に揺れる白いワンピース。
少年時代の淡い思い出。
稲穂の香る夏の風は穏やかで、あの頃のままだった…
おじいちゃんがいる信州の田舎に里帰りした少年が、そこで偶然出会った女の子。
「体が弱い」というその女の子と仲良くなって、夏の花火を見に行った帰りは、足をくじいた彼女をおぶって帰った。
次の年の夏は、おじいちゃんのトマト畑で彼女をおぶって、ふたりでトマトをもいで食べた。「お嫁さんにしてくれる?」彼女の投げかけに「うん」と答えた。
次の年の夏は、彼女は田舎に来なかった。それから数年後、彼女が亡くなったという知らせを聞いた。
数年後、家族と娘を連れて帰ってきた田舎には、彼女が待っていたような気がした…。
一言コメント(ネタバレ注意)
誰にだって、子供時代に体験した淡い恋心ってあるんじゃないでしょうか。子供独特の他愛のない感情なんでしょうけど、そんな古い記憶を思い出させてくれるような、温かい怪談ですよね。
少年が田舎で出会った女の子は、彼が帰ってくるのを待っていたのかもしれません。
そして彼は確かにそこで、少女にまた会えたんでしょうね。


宿り霊 (2015)
地方から上京して来た二人。
公式ホームページから引用
すれ違う日々のくり返しと、その末の悲しい結末。
男の思い、女の情。
二人が暮らしたこの狭い部屋には、尽きることのない思い出が残されていた…
地方から上京した若いカップルなんですが、男が夜の仕事を始めると別に恋人ができてしまい、女は捨てられてしまった。
ある晩遅く。新しい恋人を連れてアパートに帰ってきたところ、部屋の中からガスの匂いがした。慌ててくわえ煙草を消して家に入ってガス栓を閉めて、事なきを得たんですがね。
「きっとあいつだ」
故意に開かれたガス栓から、前の恋人の仕業であることは明らかだった。
警察を呼んで自宅で事情を話していると、なんと押入れの中に彼女の死体があって…。
一言コメント(ネタバレ注意)
これは「心を癒す怪談」なんだろうか?と問いたくなってしまいます(笑)
元恋人が彼とガス心中を図っていたのかと思われたのですが、実は女が死んでいた押入れの襖に、彼と上京したころの思い出や感謝の言葉を綴っていたんですね。言い方を変えれば、それって遺書かもしれません。
「あいつは、俺のことを恨んでなんかはなかったんだ…」
え?そうなの!?
私の解釈や読解力の問題かもしれませんが、やっぱりガス爆発で一緒に心中しようとしていたんじゃないでしょうか…。いや、もしも恨んでなかったとしても、彼への復讐心とか腹いせとか、そんな負の感情があったんじゃないかと…。
一方で、「上京物語モノ」としては男女の儚さを感じさせる切ない怪談だとは言えますね。

身代わり人形 (2000)
和歌山県にある淡島神社の宮司さんから聞かせて頂いたお話です。
公式ホームページから引用
婦人病や安産にもご利益のある神社なんですが、実は人形神社としてもその名を全国に博しておられますよね。
これまでにもたくさんの不思議なお話を聞かせて頂きましたが、本当にいいお話ばかりなんですよ。
何せ歴史がありますもんね…
時代は戦争中。両親と幼い女の子、そしておばあさんの4人家族。畑仕事の道具を買いに雑貨店へやってきた。
そこで見つけた人形を女の子はいたく気に入った。女の子は一人っ子だったので寂しい思いをさせまいと、両親は買ってやることにしたんですね。女の子は兄弟同然にかわいがっていたそうですよ。
貧しいけど幸せな一家だったんですが、母親が病床についたと思ったらすぐに亡くなってしまって、さらには父親に召集令状が届いてしまい、おばあさんと幼い女の子の2人暮らしになったんですね。
「お腹いっぱいに食べさせてやりたい」と作っていた芋が盗まれて、ついに精魂尽きてしまったおばあさんは、女の子と心中することを決意し、夜な夜な包丁を研ぎ始めるのです…。
一言コメント(ネタバレ注意)
この話、そのままアニメにして「日本昔ばなし」で流せそうな物語ですね。
怪談の前後に宮司さんと主人公の女性の会話があるんですが、そのおかげでただの伝記的怪談ではなく、肉厚されてリアリティある稲川怪談に昇華しているような気がしますね。
「身代わり人形」に関する稲川怪談は多いですけど、このお話は包丁を研いだり惨殺したりする描写がけっこうエグくて、おばあさんの鬼婆的表現に背筋がぞっとします。
それだけおばあさんは追い込まれていたんだなあ…と感じさせる迫真の怪談だと思いますよ。

稲川淳二メモリアル「遺言」
公式YouTubeチャンネルにもアップされています!
五月人形の思い出 (1997)
私の怪談の中には、異なる時間軸が錯綜するような不思議な話がいくつかあります。
公式ホームページから引用
家族の愛や親子の絆というものは、時空をも超えるものなんでしょう…
男の赤ちゃんのために5月人形を買った父親。ガラスケースを持ったまま満員電車に乗るのがはばかられた、ってこともあるんですけど、同僚から誘われて一杯飲んで帰ることにしたんです。
飲み会の後、自宅最寄りの郊外の駅に着いて、五月人形のガラスケースを持って歩いていると、前方から同じような箱を下げて歩いている男性が向かってくるのが見えて…。
一言コメント(ネタバレ注意)
これはねえ、なんとも不思議な話ですねえ。タイムスリップモノでもないし、磁場や時空が歪んだという方があっているかもしれません。
お子さんがいる家庭の方は、心が温かくなるんじゃないでしょうか。
「幽霊」というにはちょっと違うかもしれませんが、まさに時を超えて、あの日の父親が会いに来たんでしょうね、きっと。

津軽平野 (2014)
津軽平野の降りしきる雪の中で、自らの命を絶った一人の女性。
公式ホームページから引用
霊となって雪国をさまよう理由は…?
ポケットの中には、わずかな小銭とファミリーレストランのレシートが残されていた…
貨物列車に飛び込んだ女の幽霊が出るという噂が広がって、長距離トラックの運転手はその道路を避けるになった。
幽霊の目撃者が「見つけてください…」という声が聞こえたというと、事故の訳を知る人物は「飛び込み自殺した女が、見つからない自分の左手を見つけてほしんだろう」と言った。
季節が変わって雪解けが始まると…。
一言コメント(ネタバレ注意)
なんとも悲しい怪談ですよね…。
貧困が生んだ悲しい心中なんでしょうけど、ファミレスのレシートにあった「トーストとお子様ランチ」。
これは母の愛に溢れた、心が締め付けられるようなお話です。
「見つけてください」母親が見つけてほしかったものはなんだったのか。
ぜひ怪談を聞いて確かめてみてください。

蛍火 (2007)
「カズくん、お姉ちゃんと蛍狩りに行こうか…」
公式ホームページから引用
幼い甥を連れて蛍狩りにでかけた。
明かりの下で、この子を見ているのが辛かったから…
座長が出席したある結婚式で、新郎のおばさんの挨拶で聞いたという「優しい魂のお話」。
幼くして母親を亡くした甥にそっと寄り添うお姉ちゃん。
二人は、蛍となって現れた母親の魂に触れた…。
一言コメント(ネタバレ注意)
座長がアレンジしたというその物語は、きっとそのおばさんと新郎が幼いころのお話なんでしょう。
消えかけている母親の命と、まばゆい光を放つ蛍の儚い生涯が重なる。死してもなお、蛍になって子供の前に現れる母親は、稲川流優しい怪談の真骨頂でしょうね。
この物語を怪談ナイトの会場で初めて聞いた時、本当に心が温かくなるのを感じました。
悲しい話なんですけど、ただただ寄り添うお姉ちゃんの存在に泣けてくるし、カズくんが涙をぐっとこらえていたことにも健気さを感じてジーンときてしまう。
そして、この話を結婚式での身内からのあいさつで聞いたっていうのも素敵ですよね…。
怖いだけが怪談じゃあない。稲川ベスト優しい怪談に勝手に認定!
ご存じない方はぜひ聞いてみてほしい怪談です。


優しい怪談とは何か
先にも触れましたが、本作は過去に発売されたSelection2以来の“心を癒す怪談”特集。前作のラインナップを振り返っておきましょうか。
『Selection18 北海道の花嫁』収録話
・数学者のあとがき
・銀星号
・北海道の花嫁
・マネージャーの最後の仕事
・塹壕の兵士
・コウスケ
・母の愛
▼『Selection18 北海道の花嫁』の紹介はコチラ

昔、お笑いコンビのダウンタウン松本氏は「同じ話であってもプロならすべらない話にも許せない話にも変化させらてる」とおっしゃっていることがありましたね。
今回紹介しました「宿り霊」なんかはその最たる例でしょうし、「北海道の花嫁」は初期の怪談アルバム「夜毎舞い戻る花嫁の謎」では、異常な話チックに語られていました。「身代わり人形」だって、オチを変えなくてもヒステリック怪談に変えることだってできそうです。
もしかすると「優しい怪談」というのは、どんなに不気味で恐怖な話であっても、座長自身が心温まる話だと感じられて、思いやりや癒しを表現したものなのかもしれませんね。
さいごに
いかがだったでしょうか?
ミステリーナイトツアーシリーズのスタジオ収録盤Selectin18!
本作ではやっぱり「蛍火」ですね…。座長の怪談には珍しくBGMもあって、これがまた雰囲気を盛り上げてくれます。
本稿執筆時2024年1月にはまだYouTubeチャンネルでは語られていませんので、何らかの方法でこの怪談を体験してみてほしい!
ミステリーナイトツアーシリーズの紹介はまだまだ続きます。また、お付き合いくださいね。
それじゃあまた。次の怪異でお会いしましょう。

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