ミステリアスな表題含めて不気味怪談多数収録!『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談 Selection9 時間がない…』

稲川淳二の怪談を整理する、怪談!稲川倉庫です。

今回は、『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談 Selection9 時間がない…』を整理!
(CD発売日:2009年6月5日)<MNT-09>

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『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談』シリーズ

同シリーズ9枚目の作品。怪奇譚6話収録の大ボリュームです。

過去の名作怪談の収録はなくて、当時最新であった怪談が収録されています。

『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談Selection9 時間がない…』

“怪談”のスタイルやストーリーにも、その年々の傾向が如実に現れると稲川淳二は言う。

セレクションシリーズ第9作目は、あえて近年発表された作品のみを収録。 時代と共に変わりゆく恐怖感をご体感あれ…!

公式ホームページから引用

解釈によってはいろんな意味にとれる不思議な話「時間がない…」、稲川怪談お馴染みの肝試し系暗闇話の「軽音楽同好会」、まじめな工場の作業員が死してなおやってくる「居残り仕事」、双子とは何かを考えさせられる「ふたりの妹」、稲川淳二の怪談朗読意欲作「湖の運動靴」、とにかく気持ちが悪い「駅のプラットホーム」と、バラエティに富んだ怪談話を多数収録

Mystery Night Tour
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時間がない・・・(2008冬)

たまたま乗車したタクシーの運転手さんから聞かされた体験談なんですがね…。
これが結構不思議なお話なんですよ。
時間は誰にも平等にあるものじゃないんですかねぇ…。

公式ホームページから引用

学生時代の仲間との飲み会で、深夜まで飲み歩いた座長。で、帰りに拾ったタクシーの運転手さんなんですが、とても感じがいい方なんですよ。

話してみると、東京に来てそう経っていないっていう。聞くと九州で運転手をやっていたそうなんですが、なんで東京に来たのかって聞くと、そこで運転手をするのは嫌になっちゃったっていうんですよ…。

相槌を打っていると、九州での雨の日の出来事を話し始めたんですよ…。

一言コメント(ネタバレ注意)

その日乗せた乗客は、しきりに「時間がないから急いでくれ」「もう時間がない」といって腕時計を見ては、時間を気にしている様子だった。

黄信号で止まったタクシーに「すぐそこですから、ここでいいです」といって、料金を出して降りていったんですが…。

このタクシーの運転手が経験した話、考えようによっては「普通の話」なんですけど、ある角度でみると、自分の死期を悟って死に急いでいた、と取れますよねえ

この乗客は、自分の死ぬ時間と死ぬ場所を知っていて、にもかかわらずそこに向かっていた。

「急いで下さい」「もう時間がないんです」「もうすぐそこですから」

で、本当にすぐそこで死んでしまって、もう時間がなかったんだ…。

死ぬ時間と場所を知っているのならば、なぜそこを避けずに、敢えてその時間にそこへ向かったんでしょう…

なんともいえない、ミステリアスすぎるお話なんですけど、これけっこうオススメですよ。

軽音楽同好会 (2008)

夏期合宿の海辺の町での出来事。
みなさんも好奇心まかせの肝試しは、ホドホドにして下さいね。

公式ホームページから引用

専門学校の軽音楽同好会のメンバー。夜になると行くところもないしやることもない。

昼に話題になった、旧日本軍が作ったという手堀りのトンネルに肝試しにいこうということになって、4人でもって出かけていった。

暗く大きい森にある細い泥の道を抜けて、手掘りのトンネルに向かった。トンネルはかなり背が低くて、どれだけの長さがあるのかもわからないし、中は真っ暗なんですよね。

4人でそのトンネルに入っていくんですがね、真ん中の2人は怖くないじゃないからってんで、一列になってゆっくり歩きながらね、一番後ろの人間が頭に浮かんだ怖い話をして、で先頭に行く。

そして、また一番後ろの人間が怖い話をして先頭に行って…。と繰り返しながら進むことになった。

灯りを消してトンネルを進み、怖い話を始めたんですが…。

一言コメント(ネタバレ注意)

この話のオチは「恐怖遊戯」と同じテイストになっていますね。セリフ自体は真逆の事をいっていますけど。

わりとあっさり目なお話で、CDの中では小休止って感じですかね。

それにしても「軽音楽同好会」っていうタイトルはどうなんだろう(笑)ほとんど関係ないタイトルのような気がしますし、このタイトルで物語を想像するのは絶対無理ですよね…

暗いトンネル?行かない方がいいと思いますよ…。
稲川淳二メモリアル「遺言」

公式YouTubeチャンネルでも語られています。

居残り仕事 (2008冬)

怪談ライブでも冬に一度しかご紹介してない作品ですね。
とある下請け工場での残業中に起きた事故。
さて、その真相は…?

公式ホームページから引用

大手企業の下請け工場で働く5人の従業員なんですが、仕事終わりに一杯行くことになった。

なんですが、機械の調子が悪くて時間内に終わらなかったために居残り仕事になってしまった清水さんと中川さんは、後で合流することになったんです。

先に居酒屋にいる3人なんですが、清水さんと中川さんが一向にやってこない。1人が店を出て清水さんの携帯に電話を掛けたところ、ひどく取り乱した様子で「大変なんだよ…!実はいま」…

電話越しの清水さんが言いかけたその時なんですが、作業着のまま中川さんがやってきて、店の中に入っていった。

中川さんがやって来たことを伝えると清水さんが、「そんなはずはないよ!中川は機械で事故って、瀕死の重傷で救急車で運ばれていったんだぞ!」ていった。

店に入っていった中川さんは、「行くところがある」っていって出ていったそうですけど、もうすでに、この世のものではなかったようです。

搬送中に亡くなったはずの中川さんが居酒屋やってきたわけですから、店に3人は気味悪がった。

そして、しばらくして中川さんに変わって、新人が入って来たんですがね…。

一言コメント(ネタバレ注意)

機械の不具合による不慮の事故で亡くなってしまった中川さん。

新人の牧田くんが忘れ物を取りに夜の工場に戻った際に、今もなお、機械の隙間の中で血を滴らしながら居残り仕事をする、中川さんを見てしまうんです…

稲川怪談には様々な霊が登場しますが、この中川さんは本当にできた幽霊(なんだそれ)で、居残り仕事をする以外、特に害はなかったんですね。

でもね、これ実は事故ではなかったんですよ…。

ふたりの妹 (2007)

”予知夢”ってあなたは信じられますか…?
幼少時代には、大人になってからでは持ち得ない何かがあるのかも知れないですね。

公式ホームページから引用

物語の主人公をアヤコさんとしておきましょうか。

小学校5年生の時なんですがね。夜中眠っていると、年の離れた妹が自分の布団に入ってくることがあった。そのまま2人で寝ちゃったんですが、翌朝、妹がいないもんだから聞いてみたら、「お姉ちゃんのところには行ってない」っていう。

またある夜、寝ていると自分の布団の中に誰かがいる。見ると妹がスヤスヤ寝てる。で、翌朝に聞いてみても、妹は「行ってない」っていうし、母親はずっと妹と一緒だったっていうんですよ。

妹がやって来た3度目の夜。アヤコさんは妹が寝ている布団から抜け出して、母親の部屋に向かった。妹がいるかどうか確かめてやろうと思ったんですね。

すると、おかしなことに妹は母親の布団で寝ていたんですよ。

ふっと後ろを見ると、アヤコさんの後ろで、じーっとこちらをみている、もう1人の妹の姿があった…。

以降、同じことは起きなかったんですが、年月が経ってまた”もう一人の妹”がやってくるのです…

一言コメント(ネタバレ注意)

物語の後半。実はアヤコさんには双子の妹がいて、1人は生まれてすぐに亡くなってしまっていたことを母親から聞かされるんですが、ぼんやりと「あの日の出来事」は夢だったのかなあ…と思ってた。

さらに月日が流れて、社会人になったアヤコさんの前に再び妹がやってきて、衝撃の告白を始めます…

目の前には妹がいるんですが、なんだか妙なことをいう。

そしてよく考えると、いま妹は学校の研修で海外に行っていることを思い出した…。

そして、唐突とも必然ともとれるクライマックスに繋がっていきます…。

この話、一度聞くだけでは頭の整理が追い付きませんね。「ふたりの妹」とは何を意味するのか。そして、妹がいう「私たちがふたりいる」とは一体どういうことだったのか…。

恐怖とは一味違った恐ろしさを感じる怪談ですね。

湖の運動靴(2008)

周囲を深い緑に囲まれた小さな湖、子供の頃の悲しい思い出。
再びこの場所を訪れた彼を待っていたものは…。
せつなすぎる怖さってあるんですよねぇ…。

公式ホームページから引用

高校の放送部のサマーキャンプにやってきた岡村君。気分が乗らなくて「やっぱりくるんじゃなかった」と思っていた…。

実は岡村君は昔、この湖畔にやってきたことがあって。その時の悲しい出来事を思い出してしまうんですが…。

一言コメント(ネタバレ注意)

新機軸!稲川淳二の朗読怪談!

そう、このお話は朗読ですね。「語る」というより「読み聞かせる」といった雰囲気。稲川怪談をオーディブルで聞いているような、そんな感覚にさせられます。

直接的な恐怖ではないですけど、かといって心を癒す怪談でもない。なんだか懐かしい気持ちにさせてくれる悲しいお話。

あの夏の日を思い出させる、主人公の意識が時には過去の回想に紛れていって、湖に浮かぶボートでの出来事が、情景たっぷりに語られています。

もはや実話なのかどうかなんて、まったく気にならないですね。

座長の優しい語り口を聞いていたらね、井上陽水の「少年時代」を稲川怪談に落とし込んだら…こんな感じかな。そんな気がしちゃいましたね。

駅のプラットホーム(2005)

仕事帰りの付き合い酒で多少酔ってしまった倉田さん。駅のベンチで座ってたんですがね。

「おい」

と声を掛けられた。誰かなって探したんですが、それらしい人が見当たらない。

すると、ベンチの前にあるホームのフチのところに手があって、表情のない男の顔がズル…ズル…と這い上がってくる。

すると、手を伸ばして差し出してきた。どうやら引き上げてほしいようなんだ。

「おい、頼むよ」

状況が理解できない倉田さんですが、周りの人には見えてないようで、どうやらこの世のものではないらしい。戸惑っていると、ホームに電車が入ってきて、男はホームと電車の隙間に消えていった。

倉田さんは2か月前にこのホームで飛び込み自殺をみてしまっていたもんですから、「またヤなものみちゃったな…」と思った。

別の日にまた同じホームに現れて、自分の正体を明かすのですが…

一言コメント(ネタバレ注意)

この話はとにかく気持ち悪い厭な話ですよ…。

倉田さんはなぜヤツに付きまとわれるのか、一応の答えは示されるのですが、どうも理由としては釈然としない。でもそれが返って、この物語を不気味な印象にさせていますね。

お話のラストにちょっとびっくりすることがありますので、イヤホンやヘッドホンで聞いている方は怨霊(いや、音量)に気を付けて下さいね…。

とにかくズルズルと這い出てくるヤツが気持ち悪い。これだけキャラが立っている霊も珍しい気がしますね。

さいごに

いかがだったでしょうか?

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不思議系から悲しい事故まつわる懐かしい印象の話が多い中、最後の怪談はド直球の恐怖怪談でしたね。だいたい「駅のプラットホーム」ていうと、いやでも飛び込み自殺を連想しちゃいますよねえ。

ミステリーナイトツアーシリーズの紹介はまだまだ続きます。また、お付き合いくださいね。

それじゃあまた。次の怪異でお会いしましょう。

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