誰だって楽して稼いで暮らしたい!サブカル商売指南書!書評『サブカルで食う』大槻ケンヂ著

今回初会するのはこの1冊。大槻ケンヂ著『サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法』です。

大槻ケンヂ氏(以下オーケン)は、音楽、エッセイ、小説家であり、一時期はテレビタレントとしても活躍し、多岐にわたる分野で人気を集めているロックミュージシャンです。

私は2000年ころからオーケンのファンでして、氏の音楽活動はもちろん、過去の音楽作品も含め、著書も読み倒しておりました。雑誌連載のエッセイ、旅日記、小説などなど、サクッと読めてゲラゲラ笑えてほろりと泣かせる、とても読みやすいんですよ

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本書を手に取ったきっかけ

私はサラリーマン生活に行き詰まり、別のキャリアを模索し始めたことをきっかけに、本著を手に取りました。というか、ブログを始めたのもそ別キャリア模索の一環なんですよね。
会社に所属する役割以外の自分には、やっぱ社会的な信頼というものがないじゃあないですか。
会社がなくても生きていけるように、それでいて楽に生きたいやん!ちゅうわけでそんな私にはタイムリーな本です。

オーケンの自伝的小説と言えば『リンダリンダラバーソウル』が有名ですが、本書も氏の経歴がサクッとわかる内容。
インタビューをまとめた語り下ろしエッセイですが、氏が所属していた事務所が3回つぶれたというのは驚きでした。ああ、会社がつぶれたってどうにでもなりますな、ウン

サブカルで食うためには

冒頭ではっきりと結論が書かれています。サブカルで食うためには、「才能・運・継続」が必要
才能はどーしようもない、運もまあ天任せでしょう。
でも続けることならできるよね、と。
そして、<続けるためには情熱が必要>と予備校の講師かよ!と自虐ツッコミが入っていましたが、自分がやっていることをみんなに知ってもらいたい!という情熱が必要なんでしょう。

そして意外な発見だったのが「人前で赤っ恥をかく覚悟を持つ」ことも重要だそうです。
表現者たるものスベるときもあるし、やっちまった!の連続だとのこと。
そりゃあいつでも絶好調なわきゃないよなあ。みんな生きてるんだもの。
イケイケもあれば空回りもある。

巻末にライムスター宇多丸氏との対談あり

宇多丸氏は人気ヒップホップグループ「ライムスター」のラッパーで、ラジオでの映画評論も有名な方ですね。
新旧サブカル両巨頭の対談!てな感じですが、”遊んでいるような/舐めた感じでメシ食ってると思われているんでしょうね!”と両者ちょっと投げやりに対談が始まります。
宇多丸氏は、「好きなことを仕事にしているが、それなりに努力していて、映画を見て好き勝手なことをぼやいていた時期は終わり、勉強してネットで叩かれるのも覚悟して、神経をすり減らしながら論評している」とのこと。
超貧乏だけど好き放題やれてた時の方が、精神的にリッチだったんじゃないかな、って。
ズバリ自分のキャリアを考える時期に来ている私にとっては、ズキューンと響いた一文でした。

そして悲しいお知らせ

サブカルで食うとは?いやあそんなに儲からないよと…。
儲からなくても、情熱があって、好きなことでしつこく継続してりゃあ、なんかあるかもよ?と対談は締められました。

サブカルという言葉はかなり根付いていますが、現代におけるサブカルって何でしょうかね?多様性がありすぎて、もはやメインに対するサブなんかはないのかもれません。
あ、でもタモリ倶楽部なんかはサブカルを地で行く貴重な番組かもね。

というわけで、新しいことをやろう!と考えていた私にはぴったりな本であり、まあ継続していたら潮目が変わるかも、と思ってブログを続けていく気にさせられた、そんな1冊でした。

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