【プロレス芸人の最高峰】混じりっけひとつない『有田哲平のプロレス哲学』は初心者にもマニアにもオススメの一冊!

こんにちは!アツコアツオです。

かつては芸能人がプロレスを語るといったらば、関根勤やとんねるず、南原清隆や勝俣邦州和などが中心でしたが、2023年現在、プロレスを語らせたら間違いなくこの方の右に出るものはいないでしょう。

ご存じ!くりぃむしちゅー有田哲平です!

スポンサーリンク
スポンサーリンク

プロレス芸能人の旗手 有田哲平

プロレスの歴史に関する博識っぷりはもとより、見る団体の偏りがない幅広いリベラルファンであって、それでいて事件やズンドコ系への造詣も深い。

プロレスをマニア目線/素人目線で巧みに使い分けて語り、さらにはケーフェイ(もうこんないい方はしないのかもしれないけど)を守りつつも、プロレス村から半歩出る”ほど良い”暴露話もすごく心地いい

そんなくりぃむしちゅー有田は、amazon prime videoでの配信番組『有田と週刊プロレスと』『有田プロレスインターナショナル』を経て…

©amazon prime video
©amazon prime video

ついにYouTuberに…!

完全無料のYouTube番組、有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】チャンネルを開設した有田は、

動画も音源も使わない、(ちょっとした該当選手の絵はあるけれど)ほぼ「語り」だけでプロレスを解説してしまう過去最高のプロレスメディアといっても過言ではないでしょう

プロレスマニア・プロレスファンの方で、もしまだ未視聴の方がいらっしゃいましたら是非チェックしてみてほしいのですが…

いかんせん、このYouTube番組はほんの少しプロレス知識を要する場合が多いです。(テーマにもよりますし、かなりやさしく・かみ砕いて・わかりやすく語ってくれているんですけどね)

例えば、「本能寺の変」を語ったとしても、戦国時代という歴史背景と、織田信長や明智光秀の存在は最低限知っておかなければ理解が追い付かないと思うんですよ。そんな意味では、「プロレスにちょっと興味があるんだけど…」という初心者の方が付いていくのは難しい場合がある。勉強するったってどこからどう勉強したらいいかわからない。

そんなアナタにもオススメしたいのが今回紹介します、有田がプロレス哲学を語りつくす一冊、『純度100%!有田哲平のプロレス哲学』です。

amazonでの評価はナント星4.5(86件レビュー)!

購読者の満足度がうかがえる高評価です!

『有田哲平のプロレス哲学』

本書の特徴は、まったくプロレスの歴史的知識を知らなくてもプロレスの概要を知っていれば楽しめること、ではないでしょうか。

アントニオ猪木がいくつかガチンコを経験したことや、長州力が新日本プロレスに何度も出戻りしていることなどを知らなくても、本書を読み進むうえでは問題ありません!知識不要のプロレス解釈本になっています。

”プロレス”で連想されるいくつものキーワードを掘り下げて、さらにはプロレス流の解釈を基本としながらも、ちょっと裏側を覗いて理解を広げるようなアプローチもあって、プロレス初心者の方はさらにプロレスが面白くなること間違いなし!

それでいてプロレスマニアは、ふだんぼんやり考えていることが言語化されていく様に、きっと頭の中が整理されるはず!

本書で語られているキーワードは以下の通りです。

<プロレスって何だ?>
・メジャー/インディー
・チャンピオン
・一撃必殺
・プロレスLOVE
・地方興行
・プロレスメディア
・後楽園ホール
・X

<プロレスラーの道>
・道場
・入場テーマ曲
・対抗戦
・武者修行
・サブミッション
・マスク
・マイクアピール
・引退

<思い出の中のプロレス>
・金曜8時
・街頭テレビ
・名勝負数え歌
・嚙ませ犬
・未知の強豪
・UWF
・ストロングスタイル
・暴動

<プロレス・ダークサイド>
・毒霧
・裏切り
・凶器
・デスマッチ
・ヒール
・大量離脱

初心者の方だったら一度は聞いたことがあるテーマでしょうし、マニアだったらこのテーマでいくらでも語れまっせ!という方も多いはず。

これらのテーマを解説を交えながら、有田流プロレス哲学でズバッと時にはシニカルに切り込んでいきます

真にプロレスを愉しむということ

「毒霧」の項目ではプロレスファン道の核心を突いた記述がありますので、少し長いですが引用してご紹介しましょう。

プロレスを見続けるということは、自己否定と自己弁護の繰り返しなのです。

「どうしてプロレスラーはロープに振られたら戻ってくるんだ?」という疑問が生じたら、いろいろな角度から考えて、自分で弁護するものです。毒霧についても「あれは一体ナニ?」という自分に、「いや、あれは毒だから」と納得させます。

そこからは自問自答です。「えっ、どうして毒を口に含んでるの?」
「いやいや、含んでたわけじゃなくて、毒が出てきただけだから。自分が飲んでもいないような成分の毒が、歯の根っこあたりから分泌されるんじゃない?いるじゃん、そういう動物。毒液をピッて出したら、相手は溶けるけど自分は溶けない、みたいなヤツ。そういうヤツじゃない?」

この自問自答を通過できた人だけが、プロレスを心から楽しめるのです。からくりを知った気になって毒霧を真似するスレたファンもいますが、「あれは毒が出てるんだよ。カブキやムタは口から毒を出せるんだよ。だからあの霧がかかったら目が痛くてしょうがなくて、3カウントを取られてしまうんだよ」というところにちゃんと乗れないと、プロレスを心から楽しんでみることはできないと思います。

本書P209-210から引用

引用以前には毒霧のメカニズムにも少し触れていますし、昭和プロレスファンならニヤリとしてしまうトリック(?)も披露されています。

プロレスを格闘技としてみた場合、その特殊性の最たるものとして「毒霧」を引き合いに出しつつも、プロレスはどう楽しむものなのか、どうやって解釈さすれば面白いのかを暗に示してくれます

そもそもプロレス自体が”特殊な”格闘技であることに間違いがないわけです。

そんなプロレスを心から楽しむためには、プロレスの持つ催眠にどっぷりはまり、底が丸見えの底なし沼に沈んでいきながらも、そのリアルと虚構の狭間で自問自答を繰り返すことで、プロレスをより一層楽しめるようになるのではないでしょうかね

「あんなものインチキだ!」と完全否定しても全然面白くないし、かといってプロレスすべてをリアルファイトだとみるのは無理がありすぎるし、そんな見方はいつしか失望に変わりジャンルから去っていくでしょう。

プロレスの持つ魔力(私は胡散臭さという表現が的確かと思っていますが)を正しく受け入れることが、真のプロレス沼にはまるために必要な要素だと思いますね。

絶賛ばかりもできない

とても読みやすく、プロレス初心者もマニアも楽しく読める一冊であるのは間違いない!

んですけど、やっぱりマニアにとっては少し物足りないですね。そもそも、出版元が”大本営”ベースボール・マガジン社ですから…。

週刊プロレスを発刊しているような、プロレスメディア保守本流から発売される書籍ですから、書かれている内容のプロレスの範疇を超えない、安全・安心な内容になってしまいますよね。

別に暴露や裏ネタが書いていないことが不満ではないんですが、同社からの発売だったら内容に限界がありますよ…。

それから、やっぱり有田哲平は一流芸人ですから、活字よりも語りだなと思っちゃいました(笑)

とはいえ、YouTubeチャンネルでは語られていないプロレス哲学が満載ですので、YouTubeと合わせて有田漬けになっちゃってよ

著:有田 哲平
¥1,650 (2023/11/23 21:24時点 | Amazon調べ)

コメント

タイトルとURLをコピーしました