新日本プロレスワールド【アントニオ猪木名勝負セレクション】1974年3月19日:昭和の巌流島!NWF選手権アントニオ猪木VSストロング小林!

こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。

金曜日は闘いのワンダーランド!

毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。

新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!

新日本プロレスワールドとは?

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※サイトリニューアルに伴い、過去の試合の多くが視聴できなくなっています。
また、WEB決済とアプリ決済(Google PlayやAppleなど)で月額料金が異なりますのでご注意を!

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アントニオ猪木名勝負セレクション

新日本プロレスワールドのリニューアルで過去の動画の多くが視聴できなくなっています…。

リニューアルに関する幣ブログの記事はこちら↓。
木谷オーナーが動きだし状況が緩和されているような印象を受けますが、リニューアル時のファーストインプレッションです。

【大改悪】これだけは対応してほしい…新日本プロレスワールドリニューアルの改悪ポイント
リニューアルされた新日本プロレスワールドはみんな怒っています!金払うレベルじゃねーぞ!とお怒りの皆さんへ…

過去の試合は順次追加されていくとのことですが、「今日その日」の動画がほとんど存在しなくなってしまったので、しばらくは「アントニオ猪木名勝負セレクション」と題して、アントニオ猪木の名勝負を振り返ることにします

というわけで、本日の試合はこちら。

アントニオ猪木史上最高の名勝負の呼び声高い、昭和の巌流島対決です!

https://watch.njpwworld.com/details/38164

昭和の巌流島

今なお語り継がれる名勝負と名高い本試合。

この試合を3つのテーマに絞って解説していきましょう。

①東スポ所属レスラー
②20年ぶりの大物日本人対決
③猪木、伝説のジャーマン

それでは、1つずつ振り返ってみましょう。

東スポ所属レスラー

猪木の対戦相手であるストロング小林は国際プロレス出身のレスラー。

日本マット界は一時期において新日・全日・国際の3団体時代があり、小林は国際プロレスのエースとしてIWA世界王座を保持し人気を博しますが、マッチメーカーであったグレート草津との軋轢から国際プロレス退団を決意。

退団の噂を聞きつけた新日本プロレス”過激な仕掛人”新間氏が、小林の新日本マット参戦を画策したといわれており、そのお膳立てをしたうえで、小林に「馬場と猪木へ内容証明付きで挑戦表明させた」というのが定説になっていますね。

新日本に参戦し対猪木戦が既定路線であった小林は、国際プロレスから退団を表明しますが、団体側が契約違反で訴え、違約金1000万円を要求。旗揚げ後の借金を抱える新日本側は違約金を払ってまで参戦させる余力がなく、猪木戦が流れるかと思いきや…なんと東京スポーツが違約金を支払うことで試合を実現させます

当時は日本プロレス分裂からプロレス人気が下火になっていた頃のようで、東京スポーツはこの試合を実現させることで本試合が掲載される号を売りたかったんでしょうし、長期的な目線でプロレスを盛り上げ紙面を活気づけようという狙いがあったようです。

かくして、ストロング小林は国際プロレスを退団しフリーとなり、東京スポーツ所属レスラーとして猪木戦を迎えるのでした。

20年ぶりの大物日本人対決

日本プロレス有志以来、プロレスとは日本人VS外国人であり、日本人が外国人(特にアメリカ人か)をやっつけるカタルシスで市民権を得てきたわけです。

かたや新日本プロレスは、日本プロレスから独立したことで外国人選手のブッキングルートに乏しく、プロレスの王道であるいわばルーティーン(大物外国人選手をシリーズ毎に招聘し、ビッグマッチで選手権試合をこなしていくシリーズの流れ)を作り出せずにいました。そこで活路を見出したのが日本人対決です。

当時は1954年12月22日に行われた力道山VS木村政彦が凄惨な試合になり、プロレス人気が下火になってしまったことから、日本人対決は封印されていたといわれています。

新日本プロレス側は大物外国人が招聘できずシリーズの柱や目玉が作りにくかったため、TBS系列で放送されていた国際プロレスのエース、ストロング小林のバリューを利用し、豪華外国人が退大挙押し寄せる全日本プロレスに対抗しようと、禁断の日本人対決を復活させたのでした。

判官びいきなのか、または純粋な小林応援団かもしれませんが、試合はドンチャンと鳴り物が鳴り響く小林への応援が集中し、新日本マットでありながら猪木はややヒールポジションで試合に臨まなければなりませんでした。

蔵前国技館で16500人動員の記録を打ち立て、3000人以上のファンがチケットが変えずに帰っていったともいわれています。

試合内容

ここからは試合内容を振り返っていきましょう。

実況は「柔の猪木、剛の小林」と評しましたが、確かにスラっとしなやかな猪木に対して、小林はボディビル出身ということもあってか、かなりごつごつとした印象。等身だけでいうとやはり猪木の方が美しくかっこよくて、色気があるスタイルです。

試合序盤に印象的だったのは、小林のアメプロ的リアクションを嫌っている猪木ですね。上手くペースを掴めない小林はオーバーリアクションで「怒ったぞう!」「チックショウ!」というような心情を両手と全身を使って表現をしますが、猪木は顔を張って挑発。

シュートやガチンコのそれではないのですが、これはアメプロではなく果し合いなんだと、”闘い”を要求しているように感じます。そんな流れから「勝敗を度外視した主導権の奪い合い」が続いていく試合になっています。

ロックアップや手四つを経たグラウンドの攻防が続きますが、猪木がリードするものの小林も決定打を奪わせず食らいついていきます。リング中央でじっくり小林を待ち続ける猪木と、猪木の周りをグルグル回る小林。その佇まいをとってみても猪木上位のイメージを持ってしまいますし、そんな印象を植え付けることに成功しているともいえます。

怒りを引き出すキラー猪木

凄惨さはない”プロレス”ですが、猪木は不意打ちの攻撃(のようなもの)を繰り出していき、小林を煽っていけば、観客のヒートを生み観衆のサイコロジーを掌握していく。これこそまさにリアルファイトだ!と思いますねえ。

中盤、小林は得意のベアハッグで猪木を上下に揺さぶっていけば、猪木は腕をさして腰投げでクリア。さらに小林はグラウンドのバナナスプレッド(グランドコブラ)で猪木の体力を奪っていくと、猪木はダブルアームスープレックスでこらえる小林を後転気味に投げていき、そのあと放つ不意に入った(ようにみえる)張り手で小林がダウン!

仕掛けているわけでないと思うのですが、プロレスの範疇内で小林を怒らせにいっているようにみえなくもない…。キラーだ!

猪木はさらにペースを掴もうと、首投げからの袈裟固めで小林の動きを完全に止めていく。首四の字に切り替えれば小林は我慢するのが精いっぱい。チョーク気味の首四の字を心配そうにサブレフェリーの豊登が見つめます…。

衝撃のジャーマン!

猪木が卍固めを仕掛けるもやや不完全でロープブレイク。今度は猪木がコブラツイストを狙いますが、再びロープブレイクで両者リング外へ…。リングへ復帰後猪木の額から流血!

小林は勝機とばかりに傷口をめがけてナックル、そしてリング内へ美しいブレーンバスター!

この試合、初めて猪木を追い詰めた小林は、すかさず必殺のカナディアンバックブリーカーで捕らえますが、猪木はくるっと回転しリバーススープレックスで逆転。小林の背後を狙って…猪木のバックドロップ!これも美しい!

さらに小林の背後に回り、つま先立ちになりながら放ったジャーマンスープレックス

猪木の額が先にリングにつき、首のブリッジだけで小林をぶっこ抜くジャーマンは、小林がマットに叩きつけられた衝撃で猪木の両足がフッと浮いていまいますが、そのままホールドを解くことなくカウント3!この猪木のジャーマンは今でも伝説になっています。

大技不在の真剣勝負

大技に頼ることなく、お互いの威信をかけたプライドのぶつけ合いになったこの試合。

最終盤に試合が動き、あっという間に決着が付きましたが、それまでの技術の応酬が濃密すぎて、誤解を恐れずにいうと、これぞ真剣勝負だ!といわずにはいられない名勝負です…

派手でスピーディーな展開を求めるスマホ脳になってしまった現代人や、それに応えようとする昨今のプロレス界隈も、この試合の持っている凄さから学ぶことはたくさんあると思いますので、未視聴の方はぜひチェックしてみてほしいですね。!

死闘から生まれた名言

勝利インタビューで猪木は、

「ほんとならば、10年もつ選手生活も1年で終わってしまうかもしれない。しかし、それがファンに対しての我々の義務だと思うし、だからもうほんとに、誰が挑戦しても私が勝てない相手もいるかもしれない。しかし、いつ何時でも私は受けて立つ。それで負けても私は悔いない。そういう気持ちです。」

と語りました。

いつ何時、誰の挑戦でも受ける

この試合は、猪木イズム誕生のきっかけになったのかもしれませんね。

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