新日本プロレスワールド【NJPW今日は何の日】2013年6月9日:BULLET CLUBデヴィットのBOSJ20決勝戦!

こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。

金曜日は闘いのワンダーランド!

毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。

新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!

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6月9日は何の日?

今回は、2013年6月9日に後楽園ホールで行われたこの試合をテーマに考えてみることにしましょう!

その年の春の両国大会。田口とのタッグチームApollo55を解散し、プリンス・デヴィットが新たに結成したのは外国人ヒールユニット、BULLET CLUBでした。

そして直後のベスト・オブ・ザ・スーパージュニアでは全勝のまま決勝戦に到達。決勝の相手は予選でも対戦し勝利を収めているアレックス・シェリー。

結成間もないのBULLET CLUBリーダーが勝つか、新日参戦したばかりのシェリーが勝つか!?

外国人選手同士のスーパージュニア決勝戦が始まります!

https://njpwworld.com/p/s_series_00208_2_7

2023年6月9日は両国国技館にて、新日・全日・NOAH合同興行『ALL TOGETHER AGAIN~元気があれば何でもできる~』が開催されましたが、本当は扱いたいんですけど、生観戦も叶わずPPVも高額なため、今回の試合を扱うことにしました。

BULLET CLUB DECADE

新日本プロレスのJrヘビー級戦線で絶大な人気を誇っていたプリンス・デヴットでしたが、田口とのタッグチーム解散と時を同じくして、2013年4月に元青義軍キング・ファレ改めバッドラック・ファレをバウンサー(用心棒)に従えて結成されました。

直後にカール・アンダーソンとタマ・トンガも加入し、この新日本プロレスに縁深い4選手でBULLET CLUBの活動はスタート。

2023年はBULLET CLUB結成10周年の記念すべき年なのです。

結成時のリーダーはプリンス・デヴィット。2代目はAJスタイルズ、3代目はケニー・オメガ、4代目はジェイ・ホワイトと遷移していきますが、最近は5代目のリーダー(といっていいのか)デヴィット・フィンレーや、さらにはあまりメジャー感のないレスラーが加入していて、せっかくワールドワイドにデカくなったBULLET CLUBのバリューを活かしきれていないじゃないかな。

まあコロナ禍で外国人を日本に占有できない事情もあったんでしょうけど、AJスタイルズ時代が偉大過ぎて、BULLET CLUBの価値が肥大しすぎたのかもしれませんね。

デヴィット在籍時

初代リーダーのプリンス・デヴィットは意外や意外、たった1年しか在籍していません

今回紹介するベスト・オブ・ザ・スーパージュニアを皮切りに、7月にはオカダのIWGPヘビー級王座にも挑戦、そして夏のG1クライマックスへも階級を飛び越えて参戦しました(公式戦でオカダを破る!)。

9月には棚橋とランバージャックデスマッチを戦い、2014年には1.4東京ドームでJrヘビー級王座をかけて飯伏と対戦し王者を明け渡し、その冬から元パートナーである田口との抗争に突入。

2014年4月の両国大会で田口に敗れてしまい、デヴィットは新日本プロレスのマットに別れを告げて、世界最高峰のリングであるWWEへ移籍するのでした。

BULLET CLUBを結成し、馬車馬のように動き回た1年でしたが、ダイビングフットスタンプや全身ペイントなんかは後のWWEのギミックにも活かされていますよね。

せっかくヘビー/Jr.ヘビーの階級の垣根が壊れつつあった新日本プロレスなので、もうあと数年在籍してほしかったなあ…。

BULLET CLUB成功の秘密

BULLET CLUBは新日本プロレス発信の世界的ユニットに成長したわけですが、私なりにいくつか要因があると思っています。

・象徴的なロゴ
・ワールドフェイマスなメンバーたち
・外国人だけで構成されたユニットであること

けっこう単純なことですけど、特にロゴの役割は大きいと思っていて。NWOブームの時もロゴが重要な役割を果たしましたし、シンボルマークっていうのは非常に重要でしょう。

©新日本プロレス

最初期はBULLET CLUBと文字で書かれた弾丸のようなロゴでしたけど、このドクロ風のロゴになってからユニットの知名度が一気に増したような気がしますよね。

そして”BULLET”の部分を”HOLLYWOOD”なんかに変えて、選手にオマージュしたロゴにリメイクしやすい汎用性の高さも特徴ですね。(なぜその例えにハリウッド・ザコシショウなのか笑)

あと、やっぱり大きいのはAJスタイルズの存在でしょう。

当時、非WWE系で最後の大物感があったAJが新日本プロレスを主戦場としていくことでBULLET CLUBの知名度は一気に上がりましたし、その観点からヤングバックス加入も大きな意味を持っていたと思います。ワールドフェイマスな選手が所属したことも成功の要因でしょう。

加えて、高橋裕次郎がCHAOSを裏切って加入するまでは、ALL外国人のユニットであったことも重要なファクターと思っていて。立ち位置が微妙な”拷問の館”のメンバーたちは、外国人知名度は低いでしょうし、やはり欧米を中心としたガイジン天国であったことは外せない要因ではないでしょうか。

BOSJ20 決勝戦

さて、ヒールターン直後のデヴィットと、KUSHIDAが新日本プロレスへ呼び込みパートナーとして初参戦したアレックス・シェリーの一戦です。

この頃はまだBULLET CLUB結成してすぐということもあって、観客にとっては純粋な外国人ヒール軍団ということは理解しつつ、やや反応に困っている様子。

デヴィットはメンバーを引き連れて入場し、対するシェリーにはKUSHIDAやキャプテン、そして棚橋もセコンドに付きます。BULLET CLUBの面々による試合介入を阻止せんとの牽制でしょう。

そして解説席にはスターダスト・ジーニアス時代の内藤哲也。本隊所属でハツラツとしゃべる内藤も今となっては貴重かも。

試合内容

試合序盤から1対4という構図が長く続き、BULLET CLUBメンバーの介入をはねのける八面六臂の活躍をみせるシェリーでしたが、なかなか攻撃が繋がらずぶつ切りになってしまう。見かねた本体側がBULLET CLUBを蹴散らそうとしますが、なんだか気合が感じられないんですよ(笑)

プロレス的視点でみると、試合の対立構造としてBULLET CLUBが観客のヒートを買わないといけないから、本当にマジで蹴散らしてはいけないし…。やっぱりこんな時はベビーフェイスとか本隊サイドっていうのはやりにくいですよね。

スーパージュニア決勝戦だというのに、あまりに介入が目に余るBULLET CLUBに対して、海野レフェリーはついに退場を厳命します。それとともに本隊側にも退場するように指示し、やっと1対1の対戦に。

レフェリーのブラインドをついたデヴィットのベルト殴打をかわしたシェリーはDDTで切り返し、続いてフィッシャーマンバスター。ここからシェリーは得意技を畳みかけ、ボディスプラッシュからスーパーキック→スライスブレッドで追い込んでいき、完璧に決まりますがカウント2。そして最大の必殺技であるオートマチックミッドナイトを狙いますが、警戒するデビットはこれを回避。

ここから試合序盤にむき出しになっていたターンバックルの金具を巡る攻防から、デヴィットがうまくラフプレーの流れを作っていく。リバースブラッディサンデーからプリンスズスロウン、そして胃袋破りの超大技であるダイビングフットスタンプを投下!…カウント2!決まらない!

こうなると、デヴィットは自身最大の必殺技、正調のブラッディサンデーを投入!

さすがにシェリーも力尽きカウント3。デヴィットはライガー以来(当時)の全勝優勝を成し遂げるのでした。

この試合の決め技、ブラッディサンデーが決まった後のデヴィットによるドラゴンストップ風ポーズが大好きで(笑)

両手の上腕をクロスさせて「終わり終わり!」とか「やめやめ!」と言いたくなるようなジェスチャーがかなりツボ。ここだけでもぜひ見てほしい!

試合後のお楽しみ

この試合はベスト・オブ・ザ・スーパージュニア20の優勝決定戦でありますので、勝者デヴィットにはテレビ朝日の大西アナによる優勝者インタビューがあるんですが…。

何か逆鱗に触れてしまったんでしょうか。大西アナがBULLET CLUBの面々に襲われてしまいます…。

大西アナはテレビ朝日の社員ですから、今の時代だったらここまで過激なことはできないかもしれないですね。

古くは大仁田劇場の真鍋アナや、飯塚に目を付けられた野上アナなんかはもっとメチャクチャにされてましたから、比較するとまだまだ優しいものですがね。

みているものにとってはそれもプロレスの一部ですから、個人的にはケガのない範囲でガンガンやってもらいたいです(笑)

https://njpwworld.com/p/s_series_00208_2_7

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