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本日の一冊はコチラ。
『新日本プロレス50年物語 第2巻 平成繁栄記』



新日本プロレス50周年を記念して全3巻で発売された記念本。
本作はその第二弾で、1989年から2008年(平成元年~平成二十年)の約20年間を対象とした新日本プロレスヒストリーブックだ。
思い返せば、1989年は猪木が国会議員になる年であり、猪木が実践する猪木プロレスの最終章を迎えた頃。そして2008年は猪木が仕掛けた猪木的プロレスの呪縛から脱した年、と見ることができる。
要するにこの期間は「猪木に振り回された20年間だった」、と本書を読んで再認識させられた。
本書の書き手は元東京スポーツの高木圭介記者。90年代から2000年初頭まで新日番として巡業に帯同した経験を持つ記者で、東スポの名物記者と言えば古くは櫻井氏、そして平成時代のワールドプロレスリング解説でお馴染みの柴田氏が有名で、新日本プロレス再ブレイク時は岡本記者が務めていたが、失礼ながら私は高木氏のことは存じ上げていなかった。
永田裕志公式YouTubeチャンネル『ゼア!チャンネル』に登場する回があるので参考されたし。(インディー系にも造詣が深い様子でお人柄がよく分かります)
前作の『第1巻 昭和黄金期』を担当した流智美氏の作風とは大きく違い、本書は「その年に起こったリング内外の出来事を数ページで整理し、その他トピックスや小ネタをまとめていく」というもの。
流版は私小説感があり作者のこだわりが強かった半面、高木版はリング内外のエピソード重視であり、論調は東スポ風でもあったりするのでクスっと笑えるシニカルな書きっぷりが小気味よかったりする。(例えば、天山がふんだりけったりな目に遭った場合は「まさにツームストン…」とギャグっぽく〆ている)
ゼロ年代の暗黒期の新日本はカオスな出来事がしとどにあったため、記憶の時系列がばらばらだったりするが、暗黒期のエピソードが語られる機会は少なく本書のように整理された一冊は資料価値が高い。
昭和新日本プロレス系の書籍を読んでいると、かなり「道場論」の空白を指摘する要素が多い。新日本プロレスから「強さ」が失われたという立場なのだが、本書を読めば「馳浩の強制引退」がかなり影響しているのではないか、と気づかされる。
猪木のフェードアウトにより長州政権が誕生したわけだが、レスラーからあまり支持されている様子がない現場監督と選手を繋ぐかすがい役は、実は馳だったのではないか。
猪木派閥と長州政権、そして選手たちの統率が取れなくなった新日本は橋本へ出場停止処分を下し、1.4事変へと続いていく。
まごうことなき新日本プロレスが我が世の春を謳歌した三銃士時代から、世紀末の落陽とMMAによる浸食で、ここからダッチロールを繰り返していくことになる。
平成の新日本の栄華と盛衰、そして復活ののろしを上げるユークス時代まで丁寧にまとめた良質本なので、ぜひ手に取って歴史を振り返ってほしい。
内容★★★★☆
赤裸々★☆☆☆☆
ケーフェイ★☆☆☆☆
レア度★☆☆☆☆
必読度★★★☆☆
一言コメント:
まさにツームストン…日常で使いたい表現!
▼シリーズ第1弾はコチラ


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