【完全再現】『ゴールデンカムイ』の実写映画化は高い完成度で圧倒される!だけど惜しい部分もあって…

こんにちは!アツコアツオです。

今回は、大ヒット御礼!

北海道を舞台にした金塊争奪サバイバルアクションの実写映画、『ゴールデンカムイを観てきましたので、レポートしたいと思います!

集英社の漫画が原作の実写映画化で、しかも長編漫画の序章部分の映画化、そして主演は山﨑賢人と…ダイヤモンドも砕けちまいそうな気がしないでもない条件が整っていますが、あまり先入観を持たずに鑑賞してきましたよ。

私は原作の大ファンというわけではないのですが、アニメ版を追いかけてみている視聴者なので、そんな視点でお伝えできればと。

©野田サトル/集英社 © 2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

漫画・アニメの実写映画化という点においては、かなり高い再現度でしたよ!

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ゴールデンカムイ

さらっと『ゴールデンカムイ』をおさらいしておきますと、2014年から連載された週刊ヤングジャンプ連載の野田サトルが原作の大人気マンガですね。

コミックスは全31巻で2022年に完結していますので、原作のエンディングを迎えたうえでの実写劇場版公開ということになります。

予告編をみる限りでは、なかなか再現度が高い出演者たちだと思いませんか?

©野田サトル/集英社 © 2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

アシリパちゃんはだいぶお姉さんぽくなっちゃいましたが、様々な理由で子役を使うのは難しいんでしょう。

アニメ版をさらっとおさらい

アニメ版『ゴールデンカムイ』の特徴や魅力っていうのをまとめてみると、

・敵か味方か、都度関係が入れ替わるスリリングな冒険譚
・登場人物それぞれが抱える業や使命、生き様
・北海道を舞台にした明治末期の歴史ロマン
・言語や狩猟、料理などの丁寧なアイヌ文化
・シリアスすぎないほど良いコミカルな描写
・ガチホモっぽい演出

ストーリー自体はシンプルなんだけど、物語が杉元班・鶴見班・土方班の3つに分かれつつも、時には協力しあったり造反したりと、なかなかわかりにくい。

原作漫画は未読なためなんともいえませんが、大きな改変などはないかと。

放送回ごとにスポットライトを浴びる班が変わってくるため、油断すると「あれ、いまどういう状況なんだったっけ?」と混乱したりすることもあります。

どんどん新しい登場人物が現れて、主人公たちとの関係性が深堀されていくので、物語の厚みは増してくるんだけど、ストーリーはあまり進まないという。

また、意外と本筋である金塊の謎を解く刺青人皮集めに関しては、あえてそうなのかもしれないけど、全然整理されていかない。

宝探しに主軸を置くのであれば、例えば毎回どこかのタイミングで、全体の人皮と手に入った人皮を示しインサートすれば、「全体のうちどれだけ手に入ったのか」「いま物語においてどの程度の進み具合か」がよくわかると思うんですが、それよりも、物語の登場人物が抱える闇やトラウマ、また目的などを深く掘り下げていき、ぱっと出のキャラクターにもしっかりとバックボーンと役割を与えていてます

キャラクター自身が「なぜそこに存在するのか」が、ストーリーの進捗とともに明らかになってくる場合が多く、黄金の謎を解くよりも濃厚な人間ドラマをみせようとしていることがよく理解できます。

アニメ版をみている視聴者からすると、『ゴールデンカムイ』はアイヌの金塊を探しに行くストーリーではあるんですが、そんな金塊なんかよりも、登場人物ひとりひとりが<自分の忘れ物>を探しに行く物語じゃないか、とさえ思えていきます。

実写版は改変なしのストーリー

そんなアニメ版しかみたことがない私は原作通りといってよいのかはわからないのですが、アニメ版とはほぼ相違ない設定&ストーリーだったと思います。

物語のテンポがいいので、どんどん世界観に引き込まれていきますが、足早に新キャラが登場するので所見の方にとっては誰が押さえておくべきキャラなのか、ちょっと追いきれないかも。

映画ではアニメ版第1期の8話あたりまでに相当し、捕らわれた杉元を第七師団のアジトから奪還するというところまで、漫画でいうと第3巻あたりだそうです。

今回実写映画化されたのは、長い長い『ゴールデンカムイ』の物語のうち、ほんの序章の部分。

かろうじて主要三派(杉元・鶴見・土方)それぞれが金塊を追う目的が明かされた程度ですので、濃厚な2時間だったと思う反面、ストーリーは全然進んでいない(笑)

登場人物の濃密な関係性や重厚な展開に触れるには至らず終わってしまった、という感じ。

それから、杉元とアシリパの関係がちょっとばかしラブストーリー風に寄っていったのは、劇場映画の作りとしては致し方ない部分かな。

本作は主要キャラの顔見世的要素がかなり強い、『ゴールデンカムイ』序章といったところでしょう。

高い再現度

個性的なキャラクターが登場する『ゴールデンカムイ』ですが、キャスティングはかなりうまくハマっているなあと感じました。

コメディテイストをひっぱる白石を始め、鶴見役の玉木宏は独特のキチっぷりをみせてくれますし、ビジュアル的にいうと尾形や牛山はほぼパーフェクトといってもよいでしょう。それから、二階堂兄弟はまさかの一人二役で、こちらも狂人度合いを徹底再現(アニメ版よりもイっちゃってます)。

©野田サトル/集英社 © 2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

ただ、やはり主人公という立場的に難しいかもしれないけれど、山﨑賢人の杉元は大きなインパクトがなかったかな。やっぱりきれいすぎるというか、美形すぎるというか。杉元独特の、生命ほとばしる生への執着が滲み出ていなかったような気がしますね。

それから、アシリパはどう幼く見積もっても高校生ぐらいに見えてしまう入山杏奈。すごくかわいいんだけど、やっぱり大人の女性ですから、アイヌ装束を脱ぐとゴツっとした印象を受けてしまった。だけどこれは仕方ない!実写映画版のアシリパは15歳ぐらい、と切り替えて楽しむのがよいでしょうね。

ギャグテイストは再現できず

ゴールデンカムイ』は殺伐とした殺し合い・奪い合い・騙しあいの合間に、軽妙なギャグシーンやコメディ要素があるのも大きな特徴

がしかし、実写映画版ではその空気を作り出すことはできませんでしたね。

中盤以降は「オソマ」をはじめとしたコミカルシーンもチラホラあったんですけど、観客の笑いはおろか、スクリーンからは“ここは笑うところですよ”という主張を受け取ることができず。うーん、難しい。

ギャグシーンで笑わせるにしては演者の表情と口調が固すぎるかな。唯一ギャグシーンに成功していたのはやっぱり白石でしたね。

つくづくアニメーションの表現力と声優はやっぱり偉大だあ…と再認識しましたが、実写映画版において致命的なマイナス点というわけではありませんので、純粋に物語を楽しむのであればまったく支障はありませんよ。

迫力のアクションシーン

明治末期が舞台の本作は、刀による殺陣や銃剣アクション、またピストルにライフル、大砲などの重火器も多数登場。

日露戦争の二百三高地を舞台にした戦闘は迫力満点ですし、杉元VS尾形のタイマンもこだわりぬいたポージングでかなり再現度が高いです。

その中でも特に息をのむ迫真のアクションシーンは、クライマックスシーンである馬ぞりでの戦闘でしょう!

メイキングでは、杉元役の山﨑賢人が本当に馬に引きずられながら撮影したシーンもありましたし、リアルとCGの掛け合わせなんでしょうけど、とにかくド迫力で鬼気迫る良いシーンだった!

そもそも論ですが

原作漫画の実写映画化ではかなり高レベルな作品に仕上がっているんですけど、そもそもな話をさせて頂きたい。

ゴールデンカムイ』の根幹をなす「暗号の謎を解く刺青人皮集め」は、絶対に2時間弱の映画では終わらないことは明らかで、続編を予告しているわけでもない時点でオチがない映画ってどーなの?!って思っちゃいます。

漫画もアニメもみていない人がこの映画をみたら、続きがどうなるかは全然わからないし、続きが映画化されるかもわからない。

製作委員会方式の映画だから、当たればまたやるし当たらなければこのままフェードアウト、儲からないものは作れないとは当たり前なんでしょうけど、本来はそれって観る側を置き去りにしていますよね。

『20世紀少年』とか『新エヴァ』なんかは、当初から全〇部作と銘打って公開していましたけど、当たらなければ続編はない、ということは、それこそ『ジョジョ』と同じ末路をたどりかねないわけで

本編では刺青人皮のすべては集まらず、「俺たちの冒険はここからだ!」でEND。まだ続編の映画化は発表されていませんので、ファンの方が劇場へ通って支えるほかないのかもしれませんが…。

一応ラスト間際にキロランケやインカラマッもちらっと登場しましたけど、漫画・アニメを見てない人にはさっぱりでしょう。

この映画をオススメする方は…

実写映画版『ゴールデンカムイ』は決して面白くない作品でも、期待外れでもありませんでした。

その他の漫画の実写映画化作品と比べると、とても完成度が高く観たことを後悔する内容ではありません!

ただ、風呂敷を広げるだけ広げて映画は終了してしまいますから、漫画やアニメを見ていない方にはあんまりオススメできないかな。

まあ、映画をみて漫画やアニメに触れるという逆輸入パターンもありだと思うのですが、次作があるかどうか・いつあるかもわからない本作だけをみても、モヤモヤしちゃうんじゃないかなあ。

それでも、何の予備知識がなくても損はさせない内容になっていますので、フラっと劇場に行っても楽しめるとは思いますよ。

かくいう私も原作は未読ですし、アニメはまだ完結していないので、物語のエンディングは知らない状態なんですけどね(笑)

おまけ

劇場で販売していたグッズたちです。

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