こんにちは!アツコアツオです。
日本プロレス界の長い歴史の中で、いわゆるメジャーと呼ばれるプロレス団体のチャンピオンたちって、かつてどんな王者がいたんだろう?
そして、どんな挑戦者を退けて、何回防衛したんだろう…。
プロレスファン歴が長くなればなるほど、歴代チャンピオンの変遷に興味がわいてくるものですし、押さえておきたいところですよね。
今回紹介する『日本プロレス歴代王者名鑑』は、各団体のチャンピオンベルトの成り立ちと歴代王者、そして防衛ロードを詳細かつ体系的にまとめたデータブックです!
おすすめポイント紹介しながら、次号の予想まで考えてみましょう!
日本プロレス歴代王者名鑑ヘビー級シングル編①
本書には“ヘビー級シングル編①”と銘打たれており、下記のチャンピオンについてまとめられています。
・インターナショナルヘビー級王者
・NWFヘビー級王者
・PWFヘビー級王者
・IWGPヘビー級王者
力道山ゆかりのベルトであるインターナショナルヘビー級、アメリカ第四の団体から奪取したアントニオ猪木を象徴するNWFヘビー級、ジャイアント馬場のために創設されたPWFヘビー級、そして今なおタイトルの価値を維持し続けているIWGPヘビー級(現在は“世界”が付く)。
本書シリーズ第1弾としては、まずは日本プロレス開祖から昭和を代表する歴代王者をまとめた、という格好になっています。
流智美氏の解説
プロレス世界におけるチャンピオンベルトは、誰が強いかという論点よりも、誰が客を呼べるのかという「興行」を意識した成り立ちになっていることが多いですよね。
いわゆるお手盛りのタイトルという場合も多くて、団体エースの箔を付けるために存在するチャンピオンベルトだったりすることもあります。
最近の新日本プロレスなんかは、ビッグマッチの柱にタイトルマッチを組みたいがためのチャンピオンベルト乱立、と感じさせることが多かった気がします(IWGP-IC、NEVER無差別級、IWGP-USなど)。
本書では、先に示した4種類のチャンピオンベルトについて、なぜそのベルトが創設されたのか、どういった経緯で初代王者が制定されたのか…などを解説したプロレス評論家流智美氏(が中心と思われる)コラム「王者の起源」があり、非常に読みごたえがあります。
流氏はとにかくデータ主義の方というイメージが強いのですが、こうした記録をまとめた資料本にはもってこいの人選だと思いますね。(逆にいうと、いまこれだけプロレスの歴史を振り返る書物を書ける識者がどれだけいるか…)
GKやターザンは自身のキャリアや選手との距離感からプロレスを熱く語ってくれて、それはまた魅力的ではあるんですけど、本書には流氏のようなスタイルが非常に向いていると思いました。
とりわけ、インターナショナルヘビー級の成り立ち(ルー・テーズから力道山が奪取)などは、当時のプロレス界の胡散臭さやあいまいさが炸裂していて最高に面白い!
一応断っておくと、本書の構成や文には本田誠元週刊プロレス編集長や市川亨氏もかかわっていますので、すべて流氏によるものではないためあしからず。
防衛ロードの詳細がわかる
とにかく調べ物には最適な本書。
「IWGPヘビー級の第37代王者は?」
「誰から奪取し、いつベルトを落とした?」
「在位期間は?タイトルマッチの日はいつ?会場はどこだった?」などなど、データ集と呼ぶにふさわしい1冊に仕上がっています!
チャンピオンの変遷を眺めているだけで、その時代の趨勢がわかるってもんです。
また、巻末には各チャンピオンロードの熱戦譜も掲載されていますよ。
ベーマガ社の写真が多数掲載
さすが週プロというかさすがベーマガ(ベースボールマガジン)社というべきか。
試合中の写真はもちろん、その他チャンピオンにまつわる様々な写真が掲載されています。
一方で、使用している写真や素材について不満があるマニアの方もいらっしゃるでしょうし、週プロの特集本やムックについてはいろんな不満をお持ちの方も多いと思いますが、『週刊ゴング』の日本スポーツ出版社亡き今、写真の著作権を持っている大手プロレスメディアはかなり少なくなってきていると思います。(あとは東スポぐらいか?)
そうした意味では、これだけの素材写真を集めることができる週プロの存在は極希少になっていますから、本書のようなマニア向け特集本が発売した際は、しっかり買え支えていかないと…と思っています。
本書は“ヘビー級シングル編①”と銘打っていますが、売れなかったらこれで終了でしょうしね…。
続編も買いますよ、私は!
高級感ある豪華仕様
カバーまでついた全200ページの大ボリュームで、ほとんどがカラーページ・カラー写真。
紙質も上質でしっかりした素材になっているので、かなり高級感がある本に仕上がっています。
残念ポイント
好みにもよるのですが、私なりの残念ポイントをまとめてみました。
これは個人差やコダワリが人それぞれありますから、あくまで私なりの残念ポイント、とご理解ください。
本が小さい
版が小さい、といった方がわかりやすいでしょうか。結構持ち運びに便利なサイズになっています(誰が持ち歩くんだよ)。
詳細なデータと多くの写真で構成されている本書なので、もっとデカいサイズで発売してほしかったな。
↓文庫本、少年コミック、本書、週プロムックの比較です。
値段が高い
本が売れない時代に税抜き2000円。けっこう高めの設定ですね。
いや、相応の内容ではあるんですけど。
私はカバーなんかいらないし、紙だって本書のような上質な紙でなくていいんですよね。大きなサイズの本をガバって開いて、気軽にガシガシ読めればそれでいいんですけど。
ぞんざいに扱うような仕様ではないので、なんだか読むときも丁寧で遠慮がちになってしまう。
内容と情報量は素晴らしいんだから、もっとコストが安い仕様にして、1500円ぐらいで販売した方が売れるのでは?と思っちゃいますね。
まだまだ写真が少ない
貴重な写真がたくさん掲載されている一方で、見方を変えると写真が豊富な写真集とはいえないので、「歴代チャンピオンたちの写真集」をイメージされると物足りないかもしれません。
やっぱりサイズを大きくして、もっとたくさんの写真を掲載してほしかったですね。
次号予想
さて、ヘビー級シングル編①として発売された本書の次号はどのように続いていくのでしょうか?
メジャー団体を(新日本プロレス、全日本プロレス、NOAH)と絞るならば、次号は全日本プロレスの三冠ヘビー級の1つであるUNヘビー級、そして統一された三冠ヘビー級は有力ではないでしょうかね。
あとはGHCヘビー級、そしてIWGPの亜種タイトル(ICやUS)が掲載されるような気がします。
今後はどの程度までシリーズが刊行されるのか、非常に気になるところ。
先の3団体に絞ったとしても、タッグとJr.ヘビーを含めるだけでかなりの数のタイトルがチャンピオンベルトが存在しますからねえ。
やっぱり打ち切りにならないよう、毎号買い支えていかないといけません(笑)
↓Amazonですと数ページ試し読みができますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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