こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。
金曜日は闘いのワンダーランド!
毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。
新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!
新日本プロレスワールドとは?
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※サイトリニューアルに伴い、過去の試合の多くが視聴できなくなっています。
また、WEB決済とアプリ決済(Google PlayやAppleなど)で月額料金が異なりますのでご注意を!
アントニオ猪木名勝負セレクション
新日本プロレスワールドのリニューアルで過去の動画の多くが視聴できなくなっています…。
リニューアルに関する幣ブログの記事はこちら↓。
木谷オーナーが動きだし状況が緩和されているような印象を受けますが、リニューアル時のファーストインプレッションです。
過去の試合は順次追加されていくとのことですが、「今日その日」の動画がほとんど存在しなくなってしまったので、しばらくは「アントニオ猪木名勝負セレクション」と題して、アントニオ猪木の名勝負を振り返ることにします!
というわけで、本日の試合はこちら。
猪木とブッチャーの3年ぶりのシングル戦です!
3年ぶりのシングルマッチ
この試合を3つのテーマに絞って解説していきましょう。
①ブッチャー新日離脱
②時の新日マット事情
③用済みへの冷たい仕打ち
それでは、1つずつ振り返ってみましょう。
やっぱり新日とは合わなかったか
IWGP構想のために全日本プロレスから引き抜いたアブドーラ・ザ・ブッチャーですが、やはり新日本のリングには合わなかったのか、このシリーズを最後に新日本プロレスを離脱することになりました。
おそらく、新日本側が招聘するのを止めたという方が正しいと思われますが、やはり新日本のストロングスタイルとはあまり相性がよくなったのでしょう。ブッチャーはこのあと1987年末に全日本プロレスマットに復帰することになります。
また、新日本プロレスから派生したUWFや、維新軍団のハイスパートレスリングなど新時代のプロレスが受け入れられていた頃に、凶器や反則主体の流血プロレスがちょっと古臭い感じがしたのかもしれませんね。(この古臭さは2000年代頃になると伝統芸として受け入れられていたような気がしますけど)
1985年初頭の新日本プロレス
新日本プロレスの黄金時代は1982年~1983年夏頃といわれますが、今回紹介する試合の1985年1月の新日本主力選手でいうと、まさに焼野原状態だったといえそうです。
一昨年のタイガーマスク引退、前年のUWF旗揚げと維新軍団離脱によってリング上の対立構造が作りにくい状況になっていき、殺人機械マシン軍団などが結成される流れになっています。
スター選手が激減した猪木流にいえば「いい大掃除ができた」ため、のちの闘魂三銃士など若手選手台頭に一役買いましたし、まさかのブロディー電撃移籍など多くの副産物もありました。
選手不足のそんな状況でも呼ばれなくなるブッチャー…。そんな視点で今回の試合をみると、ちょっと物悲しいものがあります。
試合内容
猪木のセコンドには若き日の蝶野。このあとわずか15歳でデビューする船木もそうですが、セコンド陣がかなり若返っています。
猪木とブッチャーのシングルマッチは3年ぶりですが、前回の試合では決着がついていないようで、「猪木は最後のブッチャー戦にしようと燃えている」と東スポ櫻井さんから今シリーズで縁切りされることを知っているかのようなシュート発言が飛び出します。
この試合は場外リングカウントによる勝敗はないルールらしく、さらには猪木側は試合前、ブッチャーに対して「フォールはテンカウントまで認める」という余裕をみせた提案もしていたようで、ブッチャーサイドからはふざけるな!と一蹴されたとのこと。
ウーン、完全にブッチャーをおちょくった発言ですよね。やっぱり縁切りだからとことん商品価値を下げてやろう!という新日本の嫌がらせなのかも。これに限ったことではないですけど、プロレス団体は去る者には冷遇し厳しいのはつきものですよね。
ブッチャーはおそらく2試合目などではないと思うんですが、すでに額の4本の傷跡がじんわり赤らんでいます。いつでも流血準備OK!という臨戦態勢。いわゆるジュースなく純粋な攻撃だけで流血までもっていけるブッチャーのそれは、古館アナにいわせると「流血の自転車操業」だそうです(笑)
さて、試合内容はというと、ブッチャーのラフ殺法一辺倒で終始猪木は防戦一方。得意の地獄突き、アラビアンブーツを利したトーキック、首絞めやチンロック、そして異彩を放つスロイダーなどで猪木を攻め込んでいきます。
猪木はアームブリーカーからナックルパートでブッチャーの額を割っていき大流血に追い込みます。
ここでブッチャーは猪木に謎の噛みつき攻撃!というか、自分の額の傷を猪木の目にグリグリと押し込んで、返り血をべったりと擦り込んでいる様子…。なぜだ!
その後、猪木のロープワークを活用したどてっぱらへのレッグラリアート、正調の延髄斬り2連発から、割れた額をこするような延髄切りを見舞っていき、超低空のブレーンバスターであっさり3カウントを奪取しました。
血まみれになった猪木は、勝利の雄たけびで「ダー!」と叫んで試合を〆るのでした。
ホウキとでも試合ができるといわれる猪木ですが、ブッチャーとは両者攻撃の応酬がなく、あまりスイングしていない試合でしたね。
先日紹介しました猪木VS大木金太郎同様、ブッチャーはジャイアント馬場との対戦経験が豊富ですので、試合を見比べてみると面白いと思いますよ!
↓新日本プロレス黎明期の猪木を振り返るのに最適の一冊!
↓ファイター視点でアントニオ猪木の技術を検証する一冊!
↓ジャイアント馬場という対立軸でアントニオ猪木を考える一冊!
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