新日本プロレスワールド【NJPW今日は何の日】2007年11月11日:伝説級の試合IWGPヘビー級選手権 棚橋VS後藤について考える

こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。

金曜日は闘いのワンダーランド!

毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。

新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合をご紹介したいと思います!

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11月11日は何の日?

今回は2007年11月11日、両国国技館で開催された、この試合をテーマに考えてみることにしましょう!

暗黒期と呼ばれた新日本プロレスが、この試合を機にV字回復していった、といわれている試合です。私は、2000年代の新日本プロレスにおけるベストバウト、いや平成時代のベストバウトといっても過言ではない試合だと思っています。

凄まじい試合なので観たことがない方は、是非新日本プロレスワールドで観てほしい!

新日本プロレスの暗黒期

平成時代の新日本プロレスにおけるいわゆる”暗黒期”の期間というのは、ファンにとっても捉え方が様々かもしれません。私が思う暗黒期は2004年~2005年ぐらいで(草間社長→サイモン猪木社長時代)、この後のユークス時代からの新日本プロレスは、満足度が高いプロレス興行を見せてくれるようになった、という印象です。

要はオーナーだったアントニオ猪木の強権発動がなくなってから、”ちゃんとした”プロレス興行会社になっていったんじゃあないかと思っているわけです。

格闘技路線が続いたことから、そうしたバックボーンがある強い選手(主に外敵)が優遇されたり、総合格闘技に駆り出されたり(そしてあっさり負けたり)、直前のカード変更や謎のマッチメイクが多発したり、不透明決着が頻発したり…。強さにこだわる・観客を裏切る・世間を驚かせることに執着したあまり、大会に客を入れる・観客を満足させる・また足を運んでもらうという、興行会社として当たり前のことがなされていなかったのではないかと。

それが新日本プロレスの身売りによって、プロレスゲームの開発会社だったユークスが親会社になることにより、当たり前のことを当たり前にちゃんとやる、堅実路線に切り替わったように感じましたね。

新日本プロレスとは別ブランドで、長州力プロデュース「ロックアップ」や、エンタメ路線「レッスルランド」なんかにチャレンジしたりして、旧態依然とした強さを打ち出したプロレスから脱却しようともがいている、生みの苦しみを我慢する期間だったような気がしてます。

今回紹介する試合があった2007年頃は、満足度の高い興行を繰り返していたにもかかわらず、なかなか観客が戻ってこない、そんな時期だったのではないでしょうかね。

私の中ではすでに暗黒期を脱していたと思うのですが、興行面でいうと観客が少ない暗黒期といえるかもしれないです。

伝説の試合

というわけで、今回紹介する試合。私は当時は大阪に住んでいまして、毎週欠かさず週刊プロレスを購読していたんですが、たしか表紙は棚橋のテキサスクローバーホールドで、「珍しい技だな」って感じたのを覚えています。そして試合レポートを読むと絶賛・賞賛の記事だった記憶もあります。

とにかく後藤洋央紀のハードな攻撃を受けまくる棚橋に、かつてアントニオ猪木がストロング小林戦のあとに応じたインタビュー「こんな試合をしていたら、10年もつ選手生活が1年で終わってしまうかもしれない。でも、それが私のファンに対する義務だ」という名言が脳裏によぎりました。

そんな試合の棚橋の勝利者インタビューは、「一言だけ、あざした、ウッス」だった…。

チャラ男VS武骨

この当時の棚橋はとにかくチャラい。

ふてぶてしいナチュラルヒールなチャンピオンだった。強さの象徴であるストロングスタイルの呪縛を振り払おうと、従来の新日本プロレスにおけるチャンピオン像を壊し、新時代のプロレスを作り出すのに必死だったんだろう、と推察します。

後年、数々の自己啓発本で棚橋本人はこの時代のことを語っていますが、みんなから愛されたくて人気がほしいのに、空回りしたり観客の支持を得られなかったりでブーイングされる状況が続いていて、それならとことんカッコつけてやろう吹っ切れたんでしょう。

2022年の棚橋は新日本プロレスのお父さん、って感じがするんだけど、当時の棚橋はあまり家に帰ってこない不良の兄ちゃん、って感じです。(例えが下手ですね)

対戦相手である後藤洋央紀は、メキシコ遠征から帰国して体重が増量してヘビー級に転向。凱旋試合では天山を「牛殺し」で病院送りにしたばかりで、かなり勢いがありました。肩の筋肉が盛り上がっていて、体の肉厚がすごい状態。凛々しくきりっとした表情もかっこいい。本当に荒武者という風貌です。

棚橋は、凱旋したばかりの挑戦者を受ける立場。観客は挑戦者支持に回るだろうと察してか、いつもにも増してヒールポジションを貫いた。この辺のプロレスセンスが抜群ですよね。相手を盛り立てて、対立構造を作っておいてそれを極端に際立たせ、その結果自分も輝く。

スタイルは違うものの、これってカリスマ猪木の手法と同じですよぉ!(ターザン山本!っぽく)

試合展開

山本小鉄氏の選手権宣言から始まるIWGP戦。挑戦者の後藤は現在の入場曲「覇道」以前の「ROCK ME WILD」で入場。結成したばかりのユニットRISEのメンバーがセコンドに付きます。

対する棚橋も以前の入場曲「HIGH ENERGY」(バキューン付きver)で入場。腰に巻かれているのは橋本ベルトとも敬称される2代目のIWGPのベルト(たしか3代目が持ち逃げされていたころ)。

会場の両国国技館ですが、1階は桝席を潰しているようでアリーナしかない様子。フルハウスの両国国技館の景色とは全く違う。後楽園ホールかと勘違いしてしまうぐらい観客が少ない。にもかかわらず観客の熱気がすごくて声援の量がかなり多い!本当に熱心なファンが集った会場が作り出す異様な空間という感じ。

そして、後藤への声援が圧倒的多数の中ゴング!。

棚橋は大後藤コールにふてくされて「やってられない」という表情。今日はこっち(ヒール)サイドに立つか、と決意した表情にも見える。試合は後藤の肉弾攻撃を中心に展開しますが、興奮した後藤がロープブレイクで止めに入ったレフェリーのレッドシューズを突き飛ばすと、その隙を見て棚橋が急所蹴り!レフェリーのブラインドとはいえ、急所蹴りとは…。

決してストーリー上のヒールではないんですが、このころの棚橋はナチュラルヒールっぷりが板についています

ペースを掴んだ棚橋の足殺しコースが徐々に始まり、低空ドロップキック、グラウンドでのドラゴンスクリュー、そしてテキサスクローバーホールド!

なんとか逃れた後藤、棚橋が追撃のハイフライフローを放つも、膝の剣山で迎撃します。まさの諸刃の剣、ハイフライフローを防いだものの膝に大きなダメージを負ってしまいます。

逆転の後藤は大技ラッシュ。脳天から落とすバックドロップから、必殺の昇天(まだ改じゃない)!カウント2.8!

この時の「決まった!勝った!」というミラノさんのリアクションが最高ですセコンドもプロレスをやっている一員というサイコロジーが堪らない

ますます大きくなる声援、すでに特定のどちらかへの声援ではなくて、とにかく二人ともすごい試合を見せてくれ!という、願いや悲鳴にも似た声援。

棚橋のスモールパッケージホールド→逆さ抑え込みのクイック技の波状攻撃を耐えた後藤、次に棚橋が仕掛けてきた回転エビ固めを無理やり押しつぶす荒業を見せます。

グシャっと押しつぶされた棚橋の首が完全に詰まった!首を両手で押さえてじたばた転がりまわる棚橋にレフェリーが駆け寄り、林リングドクターが様子を確認します。一瞬、アクシデントか!?とリアリティを感じさせる御両名の動きも素晴らしい。

お構いなしの後藤は、牛殺しやエルボードロップを打ち下ろす後藤。勝機とばかりにダイビングエルボードロップを打ち落とす!(この一撃も明確に頭を狙っていて強烈)カウント…2

首攻めに集中する後藤に対し、雪崩式攻撃を狙う棚橋は、裏投げの体制に入るも阻まれてしまい、逆に後藤の得意技である雪崩式回天が炸裂!カウント…2.9!決まらない!

とにかく耐える棚橋に、攻め疲れる後藤。再び昇天を狙いますが、これをネックブリーカーで切り返され形勢逆転。棚橋が仕掛けたジャーマンはカウント1でキックアウト。

後藤のラリアット、棚橋のドラゴンスープレックスでも決まらない!

30分を過ぎ、棚橋のトゥエルブシックスが決まり、2度目のハイフライ投下!これを膝に集中して体重を浴びせあえてフォールはせず、改めてテキサスクローバーホールド!

強烈な立て反りになって後藤がギブアップ。ついに熱戦に終止符が打たれました。

勝者である棚橋に復帰したばかりの中邑、ヒール街道まっしぐらの真壁が群がり時期挑戦者表明。いかにも新日本らしい風景です。そして敗れはしたものの存在感を示した後藤。

完全に役者が揃った。ここから新日本の逆襲が始まるのでした。

以後の棚橋と後藤

敗れた後藤にはヤングライオン時代のオカダが寄り添います。2022年現在、後藤の最後のIWGP挑戦は解説の山崎氏が辛辣だった”耳なし芳一スタイル(と私が勝手に呼んでいる)”の白塗でのオカダ戦ですので、なんとも因果なものですよね。

過去の映像には現スターのヤングライオンが映っていたりしますから、これもアーカイブを見る楽しみだったりしますよ。

また、タフな試合に耐え勝った棚橋でしたが、前述の勝利者インタビューでもチャラくあっさりと片付けて、あくまで(その当時の)チャンピオン像に徹するのでした。

以後、武藤からIWGPをとり返すあたりから、チャラ男ではなく観客から愛される真のピープルズチャンプに変貌していくのです。

著:週刊プロレス, 編集:週刊プロレス
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