新日本プロレスワールド【NJPW今日は何の日】1999年7月21日:世紀末に大仁田厚襲来!蝶野&AKIRAと合体しnwoジャパンと対峙する!

こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。

金曜日は闘いのワンダーランド!

毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。

新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!

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7月21日は何の日?

今回は、1999年7月21日に今は無き札幌中島体育センターで行われたこの試合をテーマに考えてみることにしましょう!

世紀末→ミレニアムの新日本プロレスに突如やって来た、邪道・大仁田厚!

長期欠場から復帰した蝶野正洋と緊急合体し、武藤率いるnwoジャパンに対峙しました!

https://njpwworld.com/p/s_archive_111_2_01

邪道・大仁田厚の新日本参戦

邪道というと同名のレスラーがいるから、馴染みがない方には非常にちょっとややこしいですよね。

”邪道”のニックネームを持つ大仁田厚は、革ジャンとジーンズ姿のストリートファイトスタイルのコスチュームでインディーマット界で存在感を示しており、メジャー団体である新日本参戦を目論んでいました

自らが興したFMVを退団し次の狙いをメジャー団体の新日本プロレスに定め、「狙うは長州の首ひとつ!」をスローガンにして、1998年11月18日 新日本プロレス京都大会に単身乱入。長州力に突如対戦要望書を叩きつけました

自らが考案した電流爆破デスマッチで一世を風靡し、「涙のカリスマ」の異名でプロレス界のカリスマに上り詰めた大仁田でしたが、ストロングスタイルを標榜とする新日本プロレスからすると大仁田の存在はまさに”邪道”

さらにはレスリングをベースとした肉体のぶつかり合いを得意とする長州のハイスパートレスリングとは水と油であり、相容れない存在であったのは明らかでした。

大仁田劇場

この対戦要求から大仁田の対長州戦までの大河ドラマは、週刊ゴングなどマスコミを巻き込み、テレビ番組「ワールドプロレスリング」では真鍋アナという最高のパートナーを得て、いわゆる大仁田劇場なるスキットコーナーを展開し、プロレス界を賑わせていくことになります

一方、ドーム興行の目玉が欲しい元東スポのゴマシオこと永島氏は、大仁田を使って興行の柱になるマッチメイクを思案していたようですし、長州はどの時点で大仁田との対戦を決意したのか真意はわかりませんが、アントニオ猪木による新日本プロレスの格闘技路線への一種のクサビの役割として、大仁田活用を画策していたのかもしれません。

平たくいうと、アントニオ猪木の手によってMMA/バーリ・トゥード路線を意識した格闘技プロレスを進めていくに対して、新日本プロレスの現場側は大仁田を使ったコテコテの純プロレスで対抗しようとしたということでしょうか。

1.4事変

そして、”誰か”による強権発動とその指示を真に受け過ぎた小川直也の暴走によって、1999年の1.4事変に繋がっていきます。

奇しくも新日本プロレス大仁田初参戦のインパクトを1.4事変でかき消してしまう結果となりました。

現場の主導権争い、そして「プロレス」を巡る思想や政治の対立が、橋本真也へのシュートという悲しい結果に繋がってしまいました。

長州戦への道

大仁田が新日本プロレス初参戦を果たしてから長州戦までにたどり着くまでの戦歴は以下の通りです。

・1999年1月4日東京ドーム:対佐々木健介戦(反則負け)
・1999年4月10日東京ドーム:対蝶野正洋戦※電流爆破(両者KO)
・1999年7月21日札幌中島センター:nwoジャパンとのタッグマッチ(勝ち)
・1999年8月28日神宮球場:グレート・ニタとして、対グレート・ムタ戦※電流爆破(負け)
・2000年7月30日横浜アリーナ:対長州力戦※電流爆破(負け)

意外なことに前哨戦を4つこなしただけで、しかも対戦受諾(1999年11月12日、長州の汗付きTシャツが届けられた)から実際の試合までは半年以上もの期間を要しています。

この辺りも何か派閥内の政治的な駆け引きを想像させられますね。

試合内容

前置きが長くなってしまいました。

今回紹介する試合。長期欠場から復帰した蝶野がnwoジャパンを脱退し、自身のユニットTEAM2000を設立、同じく長期欠場中だったAKIRA(野上彰から改名)をパートナーに従えて入場します。

そこに、4.10電流爆破マッチで奇妙なシンパシーを感じたのか、大仁田と緊急合体しTEAM2000の助っ人として登場させます。

相変わらず蝶野はこの辺りの演出が抜群にうまい。自身が抜けたnwoジャパンは、小島が新たに加入したとはいえ旧態依然としたユニットに成り下がっている状況なわけで、新たに立ち上げたTEAM2000の存在感に抜群のインパクトを与える大仁田を引っ提げてやってきます

試合前のマイクでは、新日本と藤波に悪態をつき、相変わらず反体制の立場であることを主張していきます。こうなるとTEAM2000はヒール、nwoジャパンはニュートラルなユニットという構図が印象付けられますね。

そして大仁田の存在感は、解説のマサ・サイトーにして『賊』といわせるほど異質な存在として札幌の観客に迎え入れられます。

試合は蝶野と武藤のマッチアップでスタートし、ほどなくして大仁田VS天山の流れに。いよいよ大仁田がリングに入ってきますが、フラフラと自軍コーナーに引き下がり蝶野とハグをしたかと思えばAKIRAにタッチ。真鍋アナに「鉄砲玉がなにもしないで戻ってきましたよ」といわれる始末(笑)大仁田の狙いは武藤1人ということでしょうか。

相手がヒロ斉藤になりいよいよ登場した大仁田はDDO(デンジャラス・ドロップ・オーニタ)を見舞いますが、羽交い絞めにしたところ蝶野のケンカキックが誤爆し、天山のダイビングヘッドバッドを被弾。おまけにヒロのセントーンまで喰らってしまい、ヒロは武藤にタッチ。

いよいよ大仁田と武藤が対峙しますが、コンタクトは一瞬。この後は大仁田はほとんど試合に関与せず新日本メンバーだけで試合が進行していきます。

終盤、試合の権利を持つAKIRAとヒロに対して、それぞれのパートナーが試合に介入します。大仁田は武藤にパイプ椅子攻撃を見舞えば、武藤はドラゴンスクリューで反撃。必勝コースを狙い足四の字固めを仕掛け、クルっと踵を返した瞬間…!

大仁田の毒霧が噴射され武藤の顔が一瞬にして緑色に染まります!

その隙にAKIRAはムササビボディプレスを投下し、ヒロから3カウントを奪うのでした。

大仁田のファイトスタイルにある種の嫌悪感を抱いていた武藤ですが、自らの化身であるグレート・ムタの得意技でもある毒霧で喰らってしまうことになりました。

また、大仁田はムタのパクリキャラであるグレート・ニタの復活を示唆しており、さらに次戦へ繋がる展開を迎えたのでした。

バックステージコメント

本動画には大仁田劇場と敗れたnwoチームのコメントも収録されていてそちらもオススメ。それぞれ少しずつ抜粋しましょう。

大仁田劇場

すでに真鍋アナに馬乗りになっている大仁田(笑)

お前はグレート・ニタを見たか!」と叫びながら顔面の張っていきます(笑)

力なく「見ました」と答える真鍋アナに、「神宮大会、グレート・ムタ対グレート・ニタ、決定じゃ!」と勝手にマッチメイクを決めてしまう強引さ(笑)

IWGP選手権試合を要求する大仁田に対して、許させると思いますかと抵抗して質問する真鍋アナには「札幌に入れたのが、運の尽きじゃ!」と責任転嫁し、最後は真鍋アナに「ムタ対ニタをみたいか!」と改めて迫り、みたいですと答えると、「そうか!そんなら決まりじゃ…」といって去っていきました。

中身は全くないんですけど迫力抜群で、やはりみる者を惹きつけるカリスマ性が宿っていますねえ。

武藤のコメント

対するnwo陣営。

武藤は「あいつは絶対触ってはいけないものを触ったぞ」「開いちゃいけないものを開いてしまったぞ」「グレート・ムタ出てやるぞ!」と、毒霧攻撃の精神的ダメージがよほど大きかった様子。

カメラに向かって「ニター!」カメラを掴んでもう一度「ニター!」と叫びますが、武藤は終始カミカミ。照れや恥ずかしさがあるのかな?

噛んでいることと同じ内容の繰り返しなのは大仁田も一緒なのですが、両者の演技力(といっては身も蓋もありませんが)と陶酔力には雲泥の差がありますね

武藤はリング上では誰もが認める天才レスラーですが、あまり言葉を持っているレスラーではないかもしれません。

https://njpwworld.com/p/s_archive_111_2_01
著:週刊プロレス, 編集:週刊プロレス
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