こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。
金曜日は闘いのワンダーランド!
毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。
新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!
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3月3日は何の日?
今回は、2001年3月3日、新潟市体育館で行われたこの試合をテーマに考えてみることにしましょう!
令和の時代に誰も覚えてないであろう、何の変哲もないタッグマッチです。
とある日の新日本プロレスの第1試合。ヤングライオンと若手たちが繰り広げる伝統の一戦。
相変わらず新日本プロレスの若手はレベルが高いと驚嘆させられます!
懐かしのブラック・キャット
私がプロレスに熱中し始めたのが1999年。
その頃以後はあまりブラック・キャットの試合をみる機会に恵まれませんでした。長く前座戦線を盛り上げた選手なので、あまりビッグマッチには縁がなかったようですし、新日本プロレスワールドのアーカイブにもわずかな試合しかありません。
「クロネコ」とか「ネコさん」などの愛称で親しまれたメキシコ人レスラー、ということは知っているのですが、実はちゃんと試合をみたのは今回の機会が初めて。
今の時代になって、ブラック・キャットのことが語られるのは、海賊男の時ぐらいかもしれません…。
本名:マル・ビクトル・マヌエル。1981年から新日本にプロレス留学し、同年4月に日本デビュー。初代タイガーマスクのデビュー直後には何度も対戦及びタッグ結成。長く前座戦線で闘い、その後にメキシコやアメリカにも遠征。AAAではルードとして活躍し、新日とAAAが日本で合同興行を行った際には中心選手の一人として活躍した。正式な引退表明はなかったが、2003年からはレフェリーに転向、06年に急性心不全で逝去した。
新日本プロレス40年史から引用
初代タイガーマスクの頃から活躍していたんですねえ。
ビジュアルはというと、イケメンというわけではありませんがなかなかダンディな男前ですし、レスラー然としたブ厚さがかっこいいです。
それから、新日本プロレスとCMLLの興行「ファンタスティカ・マニア」では、毎年ブラック・キャットメモリアルマッチと評して試合が組まれている印象があります。
それだけ、日本とメキシコのプロレス交流に尽力した方なんでしょう。
改めて、試合をみていきましょう!
試合内容
第1試合、井上と真壁のマッチアップでスタート。真壁は刀義に改名する前の真壁伸也時代。まだまだ若手ですが、すでに張り上がった胸筋を誇っており、99年末のデビューの柴田&井上との格の違いを感じますね。
雑草魂
このシリーズの終盤、なんと長州と組んで天コジのIWGPタッグに挑戦するんだそうです。
真壁は”雑草魂”という二つ名で、長く不遇の時代を経験したように語られることが多いですが、それなりにチャンスを与えられてたようです。
SK選手が、真壁が学プロ出身だと長州にチクったとき、「あいつは練習をしてるからいいんだよ」といわれたという逸話がありますし、真壁は間違いなく努力の人ですよ。
棚橋・中邑に匹敵する、新日本プロレス復活の立役者であることは間違いない!
ネコさんが盛り上げる!
膝靭帯のケガから復帰明けの試合となるネコさんは、黒のワンショルダースーツに身をまとい、復帰戦とは思えない仕上がった体で、若手の壁として立ちはだかります。
3月初めの新潟、会場が寒かったためかしばらく観客のリアクションがないまま試合が進行。シーンとした会場の口火を切ったのはネコさん!だんだんと試合の流れを作って盛り上げてくれます。
柴田にフェイスロックで攻め込まれるものの、張り手からのヘッドバッドで観客を煽っていく。タッチした井上に対しては、腰へのエルボードロップから必殺のセントーン!
さらにはセカンドロープからのダイビングセントーンは惜しくも自爆も、観客がどっと沸きます。通な観客はネコさんの動きを知っている!
なんてことはない新日本プロレスの動きなんですが、なんかみていてすごく心地が良いのは私だけでしょうか。安心感があるというか、レベルの高さを感じましたね。
試合は真壁がスピアー(若手時代に多用していた)からの逆エビ固めで柴田がギブアップ。各選手が新日本流第1試合の役割をきっちりこなしてくれました。
柴田&井上組はお互いが対戦相手としてデビューしていて、それぞれヘビー/Jr.に階級が分かれるまではよくタッグを組んでましたね。素早いタッチワークと良い連携をみせましたが、惜しくも試合には敗れてしまいました。
前年末の夢☆勝ちます(若手がメインイベンターに挑戦する特別興行)では、金本&田中稔のジュニアスターズに挑戦したようで、両選手とも結構チャンスをもらっていたようです。
アーカイブ映像のお楽しみ
よく考えると、興行の第1試合である本試合。なぜ映像が残っているんだろう。
本来テレビで放送されるのは、セミとかメインの試合や、またはそれに準ずるような注目の試合のはず。機材の確認とかこの後の撮影の予行だったのか…。
その観点からいうと、アナウンサーの練習のだったんじゃないか、というのが私の仮説。
この試合は、当時若手だった中丸アナ(と思われる)実況アナウンサーがたった1人でしゃべり続けています。解説もゲストもいないので、もくもくと実況し続けるのはけっこう大変そうですね…。
そんな意味でも、この映像は「中丸アナの練習を兼ねた実況」だったんじゃないかな、と勝手に推察!
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