本はただ”読む”だけではいけない!著者と読者の戦いである!書評『読書は格闘技』瀧本哲史著

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何を、どう読めばいいか 名著の紹介と考え方が深まる1冊

書店でブラブラしていたときに、
平積みになっていた本『2020年6月30日にまたここで会おう』を手に取って以降、
いくつか瀧本氏の著書を読んでみたましたが、今日は『読書は格闘技』を紹介します。

残念ながら、瀧本氏はすでに亡くなっており、すでにこの世にはいません。
ですが、残してくれたこうした本の数々から、
亡くなった後もメッセージを受け取ることができるのは、本の醍醐味ってモンじゃあないですか。

さあ、それではエンジェル投資家(というと胡散臭くなるケド)である氏の著書を紹介しましょう。

氏によれば”読書とは受動的に読むものではなく、
本当にそうなのかと反証していく知的プロセス”なのだそう。
自分の今の考えと、著者の主張を戦わせて、自分の考えを進化させていくものである、と。

そして、著書では”あるテーマ”を、異なる視点から書かれた2冊の本を紹介し戦わせ、
そこに読者も入ってバトルロイヤル(にしては数が少ないが)やろーじゃねーの!という仕掛け。

本の中で使用されているロゴマークがパンクラスっぽくて、
ガチンコを想像させるのもプロレス者にはニクイ演出です。

バトルについては、たとえばこんな風

<時間管理術>というテーマで、『ザ・ゴール』と『ストレスフリーの整理術』を紹介し、
全体最適化を考えて根本から見直すVS目の前のことに全力集中する”という
2つの切り口から考えを紹介し、互いにラリーや応酬を交えながら、対戦相手の1人である読者にジャッジを委ねています。
この辺は読む時期や読むときの気分によっても勝敗は変わるかもね。

他には国語教育というテーマで、『阿Q正伝』と『山月記』(高校で学んだ!ナツカシー)を紹介し、日本人に最も読まれているかもしれない古典をベースに、
中~高生に合わせて学ぶ2つの書を、故郷や成長の目線で戦わせています
それにしても『山月記』って、虎になった男の話であること、すっかり忘れていましたヨ。

バトルについては、ROUND0のイントロダクションからROUND12までありボリューム満点。
全12試合ととらえると、女子プロレスの対抗戦時代を彷彿とさせます(させねーよ)。

ちょっと難しいテーマもありますが、それぞれ数ページで読みやすく、
バトルもテーマに沿った対比になっていることから頭に入りやすい。

また、それぞれのROUNDの末に近しいバトル本が難易度も添えて紹介されているので、
何を・どう読めばいいか悩んでいる人には、今後読んでみる本を選定するための一定の指標になるんじゃないか、と思いますね。

瀧本氏の著書は、先の『2020年6月30日にまたここで会おう』が有名で、こちらの方がダントツ読みやすい。

本著で瀧本氏の本が気に入ったならば、ぜひ手に取ってみることをお勧めします。
”伝説の東大講義”ということで、内容的にもやさしく、より一層<自分の考えを作っていく>一助になるんじゃないでしょうか

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