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本日の一冊はコチラ。
『UWFインターの真実~夢と1億円』



墓にクソぶっかけられる面々
長州力曰く「三バカトリオ」の一角であった鈴木健氏が、プロレス界に投げかけた波紋とは何だったのか?
約5年間という短い期間ではあったが、日本マット界において一時代を築いたUWFインターナショナル。本書はそのフロントマンとして高田延彦を支えた鈴木健氏の回顧録である。
Uインターは業界の常識を破る破天荒な挑発でファンを牽引し、一瞬の輝きであったかもしれないが、業界メジャーに肉薄する勢いがあった伝説のプロレス団体である。
見方によっては礼儀知らずともいえるルール無用の仕掛けにファンは歓喜し、マスコミはその喧伝に積極的に参加したが、先導したのは高田ではなく鈴木健氏含む宮戸&安生のフロント陣だった。
本書はそんな鈴木氏がプロレス界に関わるきっかけになった出来事や、高田延彦との出会いや別れを赤裸々に綴っている。
見逃せない全日本との交流
UWFインターで象徴的な出来事は「1億円トーナメント」「異種格闘技戦」「道場破り失敗」「幻の巌流島」「新日本プロレスとの全面戦争」あたりだろう。
それぞれ興味深い氏の述懐は盛りだくさんだが、本書発売から20年以上経過しており、今となっては珍しいエピソードは少ないだろう。
ただ以外と盲点なのが、新日本プロレスとの対抗戦の後期に全日本プロレスと交流を持ちはじめたこと。ジャイアント馬場との邂逅や川田利明が参戦した1996年9月11日神宮大会の舞台裏も詳細に語っている(ギャラの交渉の様子を明かしているが実際の金額は伏せている)。
この大会は見方によってはオールスター戦に近く、全日本から川田が参戦したばかりではなく、新日勢(橋本、健介)にWARから天龍、そして初代タイガーとザ・コブラも参戦しており、Uインター最後の打ち上げ花火になった。
晩年の安生ブレイク
WAR武井代表と新日本プロレスのゴマシオとの蜜月関係にもある程度詳しい。新日本プロレスとの対抗戦は一方的勝ち逃げされたわけではないだろうが、結果的に「Uインターの存在をかき消す」抗争になってしまった。
その後WARや東京プロレスとも交流を開始するが、いわゆる猪木プロレスのフォロワー的な立ち位置から純プロレス路線にシフトチェンジしていくUインター。宮戸が退場したことで刺激的な仕掛けがなくなってしまいファンの求心力を失ったが、宮戸のタガが外れてブレイクしたのが安生であり、彼のブレイクは後のハッスルに繋がるきっかけになっている。
縁の1億円
元々は高田延彦ファンクラブ的な立場だったはずの鈴木氏だが、Uインター解散では高田は参加しなかった。それでもなおキングダムを設立し高田の参加を待ち続けたが、結果的に高田は自らの道場を開設し疎遠になってしまう。
Uインターの負債1億円を背負い焼鳥屋(市屋苑)を始めた鈴木氏のところに高田がやってくるラストにはジーンとさせられる。ビジネスや利害を離れれば関係は元通りになるのかもしれない。そんな男の友情を垣間見ることができる。
いまでも市屋苑は元気に営業中だそうだ。用賀方面なので利用できる方は訪れてみてはいかがだろうか。
▼市屋苑(プロレス格闘技とは関係なく一般の焼き鳥屋さんだそうです)

Uインターちょっと悪い話
ダントツでヤマちゃんの悪評が止まらない!
はっきりと悪口は書いていないが、ヤマちゃんの世渡り上手なところが当時のUインターでは歓迎されなかった様子がはっきりみてとれる。
とはいえヤマちゃんはUインターの番人かつジョバー的な立ち回りで便利屋的に使っていた背景もあるし、誰も責められないと思うが、ヤマちゃんのネガティブエピソードは珍しいのではないか。前田に言わせれば「組織の中でヤマちゃんは悪役を買ってでていた」と評しているし実際のところはわからない。
それからタムちゃん系も詳しく、新日本プロレスとの対抗戦不参加→パトスミ戦やリングス移籍についても語っている。「桜庭戦をやってもらった」と書いてあるが完全に干してたんだろうし、ある意味潰しにかかっていたともとれる。そのあたりの残酷なエピソードも読んでみたいところ。
輝かしいUインターの歴史を選手以外のフロント視点でみてみるのも面白い。
巻末に豪華年表あり
巻末には超詳細なUインターヒストリーを掲載。今更ながら「挑戦 High Tension」や「世界元年」など大会名がいちいちちょっとダサイ(失礼)。
それから鈴木氏の素のキャラクターは吉田豪『喋る!道場破り』を参照されたし。本書での印象と180°変わること間違いなし!
内容★★☆☆☆
赤裸々★★★☆☆
ケーフェイ★☆☆☆☆
レア度★★☆☆☆
必読度★★☆☆☆
一言コメント:
ターザン山本をマジで殴っちゃだめだよ!

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