新日本プロレスワールド【NJPW今日は何の日】1994年3月24日:第5回ヤングライオン杯の栄冠は誰の手に!中西VS小島の優勝決定戦!

こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。

金曜日は闘いのワンダーランド!

毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。

新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!

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3月24日は何の日?

今回は、29年前の今日、1994年3月24日に京都府立体育館で行われたこの試合をテーマに考えてみることにしましょう!

新日本プロレスのキャリアが浅い新人選手たちが参加する若手の登竜門的大会、ヤングライオン杯

惜しまれつつ引退した野人・中西学と、2023年もGHCヘビー級戦線で活躍した記憶が新しい小島聡による優勝決定戦です!

今まで毎週金曜日に「NJPW今日は何の日」と題して数試合を紹介してきましたが…この試合は最高に良い試合で、約30年たった今でも、現役の新日本プロレスファンにみてほしい試合です

そして、試合内容もさることながら、おまけ的に収録されているバックステージの祝勝会が味わい深いんですよ…。ぜひ最後までみてほしい!

また、すれっからしのプロレスファン諸兄は、単に感動的な祝勝会だけではなく、参加している面々やその発言や動きをみるだけでも十分に妄想がはかどるはず

当時のヤングライオン事情を踏まえて、振り返っていきましょう。

第5回ヤングライオン杯

前述の通り、新日本プロレスのヤングライオン(若手選手)たちが総当たりリーグで対戦し優勝者を決めるという、不定期開催のリーグ戦です。

最近では2017年の第11回大会(2017年、優勝は北村克哉)や第12回大会(2019年、優勝はカール・フレドリックス)などが開催されました。基本的には新日本プロレスの若手選手が中心になりますが、同世代の他団体選手が参戦することもありますね。

今回紹介する第5回大会は、参加している新日本プロレス90年代前半のヤングライオンの層がとにかく厚い!アスリート系エリートからアニマル浜口ジム経由の選手、また格闘技のバックボーンがない選手まで様々でした。

第5回大会の参加者は、小島、永田、中西、大谷、高岩、石沢(ケンドー・カシン)、平井(WAR)。”第三世代”くくられることが多い天山は、前年の第4回大会で優勝し海外遠征中で、ヤングライオンをイチ抜けした状態でした。(そして同世代であるはずの小原、西村、金本はなぜかヤングライオン杯は不参加)

今大会では、オリンピック出場経験がある中西、それに準ずる実績を残したアマレス猛者の永田と石沢アニマル浜口ジム出身の小島と大谷、まだ頭角を現す前の高岩、そして天龍源一郎の薫陶を受けた他団体の平井というメンバーが揃いました。

この中で、リーグ戦全勝で駆け抜けた小島と、小島にのみ敗北した中西が優勝決定戦に進出、中西にとってはリベンジマッチであり、また地元・京都という最高のシチュエーションでした。

それでは、試合を振り返りましょう。

試合内容

小島は当時キャリア3年未満、中西は2年未満という正真正銘の若手同士なんですが、両選手とも初々しさがありませんね(笑)

小島はすでに緑×オレンジ色付きのスパッツを履いているし、中西はロン毛に髭面とふてぶてしい表情も相まって、一時期の赤井英和みたいでメチャかっこいい。やっぱ中西はビジュアル最高ですよね。筋骨隆々で和製ヘラクレスの名にふさわしい!ってちょっとほめ過ぎか。

そして試合を裁くのはミスター高橋!小島と中西の試合をミスター高橋が裁いているっているのは、かなり新鮮な印象です。

攻めまくる中西

中西はところどころでアマレスのテクニックを見せますが、ストンピングやチンロックなど、早くも野人の片鱗をみせる動きで攻め込みます。不器用ともいえますが、それ以上に躍動感とパワフルさが目立っていて、あまりどんくさいように感じませんね。

対する小島は、中西の逆片エビ固めをロープブレイクしエルボーパットで反撃するも、グラウンドでは中西に分があるためか、スルっと攻守交替されてします。キャメルクラッチで締め上げれて、さらには豪快なサイドスープレックスで投げ飛ばされてしまいます。完全に攻めの中西と守りの小島という構図で試合が進行します。

コーナーポストに差し込まれたあと、隙をみてカウンター気味のエルボーで中西に攻め込みます。とにかく小島はエルボーを有効的に使っていきますね。この頃からエルボーを打ち込む姿勢がとても力強くて美しいです。

とにかく耐える小島

終盤になると、再び中西の怒涛の攻め、和製スープレックスシティが火を噴きます!スロイダー気味のフロントスープレックス→ダブルアームスープレックスで投げ飛ばし、ショートレンジから一気に駆け出す、中西独特のラリアットが炸裂(この頃はまだスピードがあります!)。さらに、ネックブリーカー気味のラリアットでダメ押しすると、アマレス仕込みの水車落としがズバっと決まる!説得力抜群の一撃!

そして、シュミット式バックブリーカーから「担ぐぞ!」アピールで、必殺のアルゼンチンバックブリーカーで締め上げる。あっさりと技を解き、自身の膝にどてっぱらから急直下で落としていきます。リアルストマックブロック、これも強烈!

さらに追撃のアルゼンチンバックブリーカーで勝負を決めにいきますが、小島が中西の顔面をかきむしり難を逃れると、場内は小島コールが自然発生

不用意のトップロープ攻撃

中西は得意のジャーマンスープレックスで完璧に投げ切りますが…カウント2!

ここで持ち技を使い果たした中西はかなり厳しい状況、勝ち筋が遠のきましたね。さらには、何を狙ったのか不用意にトップロープへ上ったところを、小島は雪崩式ブレーンバスターで迎撃、さらにはダイビング式のエルボードロップを降下。

そして、若手時代の必殺技「レッグ&ネックロック」(抱え込み式バックドロップのような形で正面に投げ落とし、そのままの形をキープし足と首を極める締め技)が炸裂し、中西がギブアップ。

とにかく攻め込まれた小島でしたが、耐え抜いた末の一瞬のほころびから必勝の流れを作り、ヤングライオン杯優勝となりました!

ヤングライオン以上のレベルの高さ

この時点では若干のキャリアしかないにもかかわらず、小島のプロレスはとても安定的で安心してみられますし、中西は器用ではないパワーファイトがすでに板についています。

中西に至っては、もうほぼ試合スタイルや使っている技が確立されています(悪くいうと進歩がなかった?)。逆に小島はラリアットもコジコジカッターもコジMAXホールドもない状態。

本試合の決め技は誰かに継承してほしいぐらい使い手がいないんじゃないでしょうかね。

脱サラとエリート

小島はノーリツを退職した元サラリーマンであることは有名ですが、オリンピック出場経験がある中西と対戦して破ってしまうんですから、これがプロレスのおもしろいところですよね!

ちなみに、翌年にもヤングライオン杯が開催されていて、その大会では中西が優勝しています。第三世代では天コジや永田&中西という組み合わせがなじみ深いですが、97年には小島&中西でブル・パワーズというタッグチームを結成し、IWGPタッグのベルトを奪取しています(仲が良くなかったそうですけど)。

試合後~祝勝会

試合後、坂口征二の表彰状を受け取る小島はすでに号泣…。

プロレスは作り物の世界といわれますが、この小島の男泣きをみると、プロレスの奥の深さをまじまじと見せつけられたような気がします。

レスラーは自分の命と人生をかけてリング上で戦っている。ましてや、新日本プロレスにおいては若手は道場においても死ぬ物狂いで戦っているわけです。観客が想像を絶するほど、過酷な毎日がきっとあったはず(特に90年代新日本道場は…)。

中西に勝った嬉しさももちろんあるでしょうけど、きっとこの涙にはもっと深くていろんな感情があったんだろうな…と思って、ジーンときちゃいました

オールスター祝勝会

そしてこの後、90年代新日本プロレスオールスターによる、小島を囲む祝勝会が開始します。

画面に映っている関係者だけでも、坂口・長州・藤波・木戸・武藤・橋本・蝶野(まだ白蝶野)馳・健介・ライガー・野上・ヤングライオンたち・ミスター高橋…

そして、中西がなかなか来ない(笑)

橋本は「マツ、中西呼んで」とおそらくエル・サムライに指示を出しています(笑)長州はニッコニコしながら「いつまで泣いてんだ」と小島にツッコみ、パワーウォーリアーメイクの健介は小島にダサいジェスチャーで「飲め!飲め!」と煽ります(笑)

記念撮影中、ライガーは「小島笑え~!」とはやし立て、誰かが「三枝!」といって小島が”いらっしゃい”ポーズをやっているようにみえますね。(ちょっと私の想像も入っていますが)

最後は泣きじゃくる小島と、準優勝で悔しそうな中西が握手から抱擁して動画は終わりました。

バックステージの一瞬が垣間見れる、貴重な動画だと思いますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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