【評判イマイチ?】ペルソナ不明の映画『アントニオ猪木をさがして』は一体誰がみるべき映画なのか?【自ずと辛口レビューに】

こんにちは!アツコアツオです。

いえ、今回ばかりは「元気ですかー!」で始めましょうか

劇場映画『アントニオ猪木をさがして』をみてきましたので、ざっと紹介&レビューをしたいと思います!

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『アントニオ猪木をさがして』

アントニオ猪木の偉大さは誰もが知るところですし、今回はそこは掘り下げず映画の内容について触れていきたいと思います!

映画『アントニオ猪木をさがして』公式サイト
馬鹿になれ とことん馬鹿になれ - 新日本プロレス創立50周年企画 あれから1年――10.06全国公開

後述しますが、ほんとにこの予告編とトレーラーだけで十分だと思います…。

劇場でみても、これ以上の中身がないです…。

逆にいうと、それほど素晴らしい編集ともいえますけどね…。

見つけろ!テメエで!

『アントニオ猪木をさがして』とはいいますが、猪木本人が答えを示しているじゃあないですか。

敬虔な猪木信者の方ならご存じの通りで、「見つけろ!テメエで!」

さらにはあまり世間の評判が良くない様子ですが、「行けばわかるさ!」

先に私個人の意見を述べておくと、あまり期待してなかった分こんなもんかな、という印象。

アントニオ猪木の魅力って様々あると思うんですよ。プロレスラー猪木、シュート方面のファイター猪木、そしてプロデューサー猪木に、ビジネスマン猪木…。さらには政治家猪木の一面もありますよね。

この映画ではレスラー猪木に焦点を当てるシーンがほとんどで。

2000年代のプロレスファンの私なんかにすれば、プロデューサー猪木がもたらした大混乱っぷりを抜きにしてアントニオ猪木を語ることができないので、少し肩透かしでした。

そんなわけで、引退前の猪木の活動にフォーカスした内容になっています。

誰に向けた映画なのか?

行きつけのTOHOシネマズにて、サービス料金でみることができる水曜日の夜に鑑賞しましたが、私よりも年上の50代以上のオジサンが多かった印象。やはり猪木直撃世代の男性がみにきている雰囲気でした。

観客の入りは2割ぐらいでしょうか。1300円の日だったんですけど空席が目立っていましたね。(小さいスクリーンだったんですけど)。

この映画、どんな層をターゲットにした作品なのかイマイチわかりにくいこの映画は誰に見せたい映画だったのでしょうか。

そして、なぜこんな映画の作りの方法論に帰結したのか…。

新旧ファンどちらも楽しめないのでは

猪木直撃世代なんだとしたら、本映画の準主役といっていい棚橋・オカダ・海野の面々が語る”猪木”にはピンとこないでしょう。

もし現代の新日ファンにみせたいのであれば、ペールワン一族とか原悦生氏や藤原組長の件は非常にわかりにくいんじゃないですかね。

猪木直撃世代&新世代など全世代に向けた仕上がりになったためか、それぞれに中身が薄く、全然「アントニオ猪木をさがす」内容になっていない。

製作に(新日本プロレスの選手をマネジメントもしている)アミューズが関わっているようですから、安田顕や福山雅治が登場するのは仕方ないものだとしたら、そんな都合で八方美人映画に仕上がってしまったんじゃないでしょうか

序盤にブラジルへ行くパートがありますが、その渡航費を差っ引いて考えるのであれば、NHKスペシャルで製作された猪木追悼番組のような印象を受けてしまいました

予備知識を入れずに劇場で鑑賞しましたが、見終わった後に公式ホームページをみたところ、ホームページの内容で十分ではないか…という気がしてしまいました

この映画をみて損をした!とは思いませんが、わざわざ公開中に劇場でみる内容ではないな、というのが率直な感想です。

なぜこんな仕上がりになっちゃった?

わざと・あえて・仕方なく、どんな利用かはさておいて。

もっとアントニオ猪木を軌跡を辿るドキュメンタリーに仕上げることだってできたはず。

試合やプライベートに近いインタビューや政治家時代の活動、テレビ番組の出演など、テレ朝のアーカイブを駆使すれば、もっと猪木直撃世代が感動しそうな映画にすることもできたと思うんですよね。

確かにそれらの映像は映画の中に登場するんだけど、すごく少なかったなあ…という印象。

もっとも、試合映像は新日本プロレスワールドでみることができるし、ニュース映像もYouTubeに落ちてたりしますから、手段を問わずみようと思えば見れる状況なわけで。

ますますもって中途半端な仕上がりになっているなあと感じますね。

なんでこんな感じの映画になっちゃったのか…。

方々が好きなようにプランを押し付けて、折衷案でこんな風に仕上がっちゃったのかな…。

キャスティングの謎

猪木を語る面々にも違和感。

やはり芸能事務所都合のキャスティングと言わざるを得ないでしょう。

主な語り部は新日本プロレスレスラーの棚橋・オカダ・海野。芸能界からはくりぃむしちゅー有田・安田顕・神田伯山。そして猪木のゆかりある関係者として、藤波・藤原・写真家の原悦生氏。

真に猪木に迫るなら、やっぱり坂口・前田・佐山・長州(受けないだろうけど)のコメントは欲しいし、オファーしたのかどうかなんかはわからないけど、これじゃあ全然アントニオ猪木を探す作業にはならないよなあ

映画独自の初出しネタっていうのが本当に何もなかったように感じました。

残念なドラマパート

この映画の特徴は、フィクションのドラマパートが織り込んでいることでしょうか。

とある日の一幕として、舌出し失神後の猪木VSホーガンのリベンジ戦に胸を躍らせる少年、うじうじと競技に復帰することに不安がる女学生に向かって「馬鹿になれ」と猪木語録で迫る青年、廃棄されるVHSテープに録画されていた、ベイダーにジャーマンで投げ飛ばされる猪木を応援するスクラップ工場で働くリストラリーマン

どうやらすべて同一人物のようで、この主人公を安田顕が演じています。

現・新日本プロレスファンからすれば、少年の父親が田口だったり、スクラップ工場の同僚が後藤だったりと、ニヤリとする場面もあるのですが…。

特に取り立てて語るべくもないドラマパートでした。

わたしたちはいつの日もアントニオ猪木に勇気づけられてきた!という表現なんでしょうけど。

だったらこれだけで1本映画を作ってみればいんじゃないか、なんてムフフ。(ちょっとやけくそに猪木口調)

巌流島まで行く意味あるの?

講談師・神田伯山が現代の巌流島で語る「巌流島の決闘」。

なぜこの一戦に長い尺を使ってフォーカスしたのか。そしてなぜ神田伯山に語ってもらわなければならないのか。しかも現地で。

この組み合わせにまったくもって必然性を感じない!

レスラー猪木を掘り下げるなら、他にももっと良いテーマがあるんじゃないかなあ…。

やっぱり、何らかの事情でこの試合(ぐらいにしか?)触れることができない理由があったのか?

数少ない良心パート

安田顕と写真家・原悦生氏の対談もあります。

原氏は長年猪木の専属カメラマンのとして活躍された方で、本映画でも至近距離の猪木に精通している数少ない登場人物

イラクの人質開放やカストロ議長との逸話を話してくれます。少しはアントニオ猪木に近づくピースが集まったかな。

レスラーたちの証言

猪木に近かったレスラー枠として、藤波辰爾と藤原喜明が登場。

たっつあんパートは割愛し、藤原組長が語る猪木論では、札幌テロ事件の顛末が語られます

「いいたくない」としながらも、やったあとに俺はクビになっていないよな。普通の会社ならあんなことやったらクビだろう。そういうことだよ、と。

大方語られてるエピソードと思います。新日本プロレスのアングルとして誰かが藤原に長州を襲うよう指示をした、ということなんでしょうけど、全編通してこのエピソードだけかなり浮いている

よーく知っているファンじゃないとわからない話題ですし、映画全体の流れからもここだけ異質。

もしこの文脈でプロデューサー猪木に触れたいんだったら、「噛ませ犬発言」の長州にも触れないといけないし、「1.4事変」にも触れないと。画竜点睛を欠くとはこのことではないでしょうか。

こんなのことだったら、YouTubeチャンネル「お前有田だろ!」の猪木にまつわるエピソードを見ている方が、よっぽど猪木の核心に迫れる気がしますよ…

弾けなかったブラジル旅

ドラマやインタビューに加えてドキュメンタリーパートもあります。

冒頭、日系ブラジル人の方や猪木ブラジル時代に隣近所だった方が登場し、当時の猪木について思い出話を語ってくれます。

が、数十年前の出来事ですし、やっぱりエピソードが薄らいでいる感がある。

せっかくブラジルまでいったのにかなりもったいない仕上がりに。製作陣も取れ高の少なさにガックシしたんじゃないかと想像。

棚橋×有田

棚橋とくりぃむしちゅー有田の対談パートでは、上野毛の道場にあった猪木パネルについての話題に終始。

2000年代の暗黒期に棚橋の意見でパネルを外したことを明かし(ファンには有名な話)、そしていま再び道場にパネルが設置されることに。

アントニオ猪木の呪縛、かつて中邑を皮肉ったストロングスタイルの呪いを脱し、象徴や精神的支柱として、新日本プロレスは今まさにアントニオ猪木を受け入れる…というシーン

これって新日本プロレス目線の話で合って、アントニオ猪木をさがすこととはちょっと違う気がする。

棚橋×有田の対談は、この機会以外でじっくりみたい

猪木問答は不要

猪木問答を盛り込んだのも謎だよなあ。

今ではアレは猪木のムチャぶり大喜利っていう位置づけになっているから、猪木の笑えるエピソードになっちゃっている。現に劇場でも笑いが起きていました。

この映画にあのシーンは要らないよ。ウン。

福山雅治アゲ

本作のナレーションは芸能事務所・アミューズ所属の福山雅治。

エンディングは『炎のファイター』の福山バージョン。

そしてテロップと共に流れたのは、福山雅治のアルバイト先にアントニオ猪木が来店した際に撮った集合写真。さらには福山の初ドームツアーの前には猪木に背中を押してもらった、との一言が添えてありました。

それって猪木のエピソードではなくて、福山雅治のエピソードであって。

アントニオ猪木を探しに来た観客には関係ないんじゃないかなあ…。

結論!

総合すると、この映画はアントニオ猪木を題材とした、芸能事務所アミューズの面々が猪木を語る映画

アントニオ猪木に迫るドキュメンタリーではない!

そして、やっぱりターゲット不明の映画なので、現役新日本プロレスファンがみてもハテナがいっぱいでしょうし、昭和プロレスファンからすると不平不満がでる内容だと思います

辛口で恐縮ですが、わざわざ劇場でみなくてもサブスク系動画サイトでの配信を待てば良いんじゃあないでしょうか。

それまでは、公式ホームページにある動画をみているだけで十分なのではないでしょうかね。

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