【ネタバレあり】観たぞ!我らのシン・ウルトラマン!初見レビュー

今回は空想特撮映画『シン・ウルトラマン』の映画レビューです。

※ネタバレを含むため、未試聴の方は本編をご覧になってから、また来て下さいね。

私は子供のころから根っからのウルトラキッズ

幼少期はウルトラマンシリーズが放送されていなかったのですが、よくレンタル店でビデオを借りたり、CDショップで売っていた安いビデオ(30分ぐらいのウルトラ兄弟大集合的な良いとこどり版)を擦り切れるぐらい観たものです。

とはいえ、私は諸兄のようなウルトラマニアでも特撮オタクでもないのですが、やはり庵野秀明が監修する”シン”シリーズのウルトラマンとあっては、観賞せずにはいられないでしょう!

封切りされてから初回の土曜日の昼下がり、TOHOシネマズで観てきました!

思うままにレビューをしたいと思います。

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シン・ウルトラマンのファーストインプレッション

公式サイトから拝借しました

ウルトラシリーズの完全新作!というよりは、初代ウルトラマンを今風にリファインした、という印象を受けました。『シン・ゴジラ』は、本当にゴジラが存在したら日本社会はどう対応するか?という特撮政治ドキュメンタリー風映画と感じましたが、『シン・ウルトラマン』は初代ウルトラマンを現代風にアレンジした内容になっており、ニヤリとするシーンが多くとても楽しめました。

大まかな設定は、初代ウルトラマンと同様。怪獣(本作では禍威獣)が現れ出した日本。それに対抗する特殊チームが結成される(初代もシンも、カトクタイ)。

ある時、現れた怪獣退治に苦戦していると、空のかなたから突然光の巨人がやってきた。巨人は着地した際の衝撃によって、子供を避難させていたカトクタイメンバーを事故で死なせてしまう。そして、巨人は死なせてしまった人間に命を分け与え一心同体になる。

ネタバレ以前に、ウルトラマン第1話と同じですね。
焼き直しというと表現は悪いですが、あくまで初代ウルトラマンのエピソードに沿って物語が展開していきます。

怪獣が放射性物質を求めて各貯蔵施設を狙うのですが、そこを背にしてウルトラマンが戦います。怪獣が吐き出す光線を、ウルトラマンが体に浴びながら一手に引き付けます。

このシーン、かなりジーンと来てしまいました。いつの時代もウルトラマンは僕たちを守って戦てくれていたんだ!と。ありがとう!ウルトラマン!

観賞中、いつまでも終わらないでほしい…と思いながら観ていました。
本作はウルトラマンで大人になった子供たちに贈る、オトナ向けウルトラマンです。初代のリファインであり小ネタが多いので、本作だけを初見で観た人は魅力100%は満喫できないはず。
それが予備知識なしで楽しめる『シン・ゴジラ』と異なる点ではないかと。

だけど、元ウルトラキッズたちには必ず見てもらいたい1作です

登場する怪獣や宇宙人 ※ネタバレポイント注意

冒頭に、超ダイジェストで今まで日本にやってきた怪獣をどのように退治したかが紹介されます。この辺りはエヴァンゲリオンのそれと非常に近い演出で、例の極太明朝文字がバンバン出てきます。

グリーンモンス、ペギラ、あとオリジナル?らしき怪獣が紹介され…透明怪獣ネロンガが登場。ここでウルトラマンがやってきます。その後は核貯蔵施設を狙うガボラ、ウルトラマンを悪人に仕立て上げようとするザラブ星人、戦いは好まず地球人の自滅を狙うメフィラス星人と続きます。
当然、脚色はあるものの、全体的な流れは初代ウルトラマンの通りです。
【追記:調べてみるとグリーンモンスではなくマンモスフラワーだったようです。そして序盤にさくっと紹介される怪獣たちはウルトラQの怪獣(そういえば白黒だったか?)。シン・ウルトラマンの映画本編が始まる前の出来事をウルトラQになぞらえる演出になっていました。】

メフィラス星人とウルトラマンが石油コンビナートで対決しますが、メフィラスが突然戦いを止めてしまいます。地球から手を引くと。その視線の先には、金色に輝く別のウルトラマンが…。

賢明なウルトラファンなら、誰しもがゾフィーキター!と思ったでしょう。
ゾフィーなんです。けど、助けに来たわけじゃあないんです。

光の国の掟を破ったウルトラマン(ゾフィーはウルトラマンのことをリピアと呼ぶ)を連れて帰り、メフィラスによる地球外エネルギーを目にした地球人を粛清するために、ゼットンを使うと…。

初代ではゼットン星人が地球壊滅のためゼットンを送り込みますが、『シン・ウルトラマン』ではゼットンはゾフィーが使うカプセル怪獣のような役割で、宇宙恐竜というよりも宇宙兵器のようです。

リファインされた怪獣たち

ネロンガは初代とそう変わらず、ガボラは顔を覆う花びらのようなものが掘削できるようドリル状になっていました。ザラブはペラペラになり(ビンボッチャマスタイル)、メフィラスは随分スタイリッシュになりました。SFの騎士のようでもあり、高級電気自動車みたいな。ゼットンは、それとわかるシルエットと色使いは残しつつ、エヴァンゲリオンの使徒化したようなデザイン。エヴァンゲリオン新劇場版のテイストに非常に近い。

機動戦士ガンダムをリファインする構想で作られた『ポケットの中の戦争』のようですね。(例えがわかりにくいぞ)

日本の防衛、侵略者にどう立ち向かうか

劇中、米国から兵器を買わされるというセリフがあったり、ウルトラマンを日本で囲おうとしたり、ウルトラマンを軍事的脅威と捉えて国連で管理しようという動きなどがあります。

おそらく政治的メッセージというよりは、現実を皮肉っているんだろうと思いますが、武力を巡る世界のバランスが描かれており、軍事的な抑止力にも触れらえています。そのため、ロシアのウクライナ侵略と重ねて、自国の防衛力を考えさせられてしまいました。

また、終盤カトクタイの科学担当メンバーが、人類の叡智を越えた出来事に遭遇するばかりに、現在の科学力に限界を感じてしまい、自分の仕事が馬鹿らしくなってしまいます
人間ではどうしようもない。どうせウルトラマンがやってくれると。ウルトラマンに頼もう、と投げ出してしまうのです。

これって、ウルトラマンの存在は米国の比喩なんじゃあないでしょうかね。日本にも軍隊はいますが、結局米国に助けてもらう立場であり、米軍がいてくれることで相手も攻めてこれない。逆に言うと日本は何もできない。何をやる気もない、と。

ですが、ラストシーンは、ウルトラマンの知恵をもとに人類の知略を結集させ、ウルトラマンにも協力してもらいながら、人類がゼットンを退けました。

侵略戦争が起きている今だからこそ、力としてのウルトラマンと侵略の危機を現実に照らし合わせて見ざるを得ませんでした。現実が作中同様、西も東も人類すべての団結が侵略行為を無力化できることを望むばかりです。

その他、雑感

  • 実相寺アングルにも似た、極端なカメラワークが多用されます(ドアップ、背中ごしの会話、ブランコを地面から見上げるなど)
  • メフィラスと居酒屋でちょい飲み。メトロン星人のちゃぶ台会談のオマージュか?
  • シュワッチ!ジョワー!などと叫ばないウルトラマンと、初代通りの効果音のゼットン。
  • ピンチになったら色が変わるウルトラマン。初登場時はなぜ銀色一色だった?
  • そもそも、なぜ最初に地球へやってきた?怪獣を退治するため?
  • 怪獣が日本にばかりに出現する理由の謎が残る
  • やっぱり出てきた!巨大化長澤まさみ
  • ウルトラマンの脳天チョップのあと、イテテと手を振るシーンの再現シーンあり

岡田斗司夫のYouTubeチャンネルでプロの考察を聞くとして、ど素人レビューはこの辺で。

とにかく、ウルトラマンを知っている人は劇場でぜひ見てほしいです。

おまけ:映画館の売店
ジグソーパズル、ぬいぐるみ、フィギュア
ぬいぐるみ、キャップ、キーホルダー、メダル、バッジ、エコバッグ
文房具、ポストカード、クリアファイルなど

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