【元祖スピンオフ作品?】後にフレッシュジャンプで連載される、ジャンプ愛読者賞用の読み切り漫画『闘将!!拉麵男』を紹介!

こんにちは。アツコアツオです。

漫画家ゆでたまご先生を研究する【ゆでたまご研究所】へようこそ。

今回は、キン肉マン連載と並行して、週刊少年ジャンプ第10回愛読者賞用に描かれたキン肉マンスピンオフ漫画について紹介しましょう。

超人気キャラクターであるラーメンマンの修業時代を描いた、短編読み切り漫画『闘将!!拉麵男』です!

タイトルはオール漢字ですが、「たたかえ!ラーメンマン」と読みますね。

これって”スピンオフ漫画”の先駆けじゃあないですかね?

主人公以外の脇役にスポットを当てた、サイドストーリーもののハシリのような気がします。

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『闘将!!拉麵男』

描かれた時期は『キン肉マン』連載でいうと、キン肉マンがアトランティスと戦うころですね。

当時のジャンプにあった、愛読者賞といういわゆる読み切り企画モノの作品ですが、このあと紆余曲折を経て「フレッシュジャンプ」誌上で連載され、同誌と運命を共にすることになります。

掲載されているコミックス

闘将!!拉麵男』を読むことができるコミックスは以下の通りです。

元々読み切り作品ではありますが、そのまま本編の第一話になっていますので、他の読み切り作品よりは比較的読みやすい環境にありますよ。

〇ジャンプコミックス版『闘将!!拉麵男

2022年現在、各媒体で電子書籍として購入可能です。今読むならこの方法が最も手っ取り早いです。

配色がキレイでポップな印象。全12巻です。

〇集英社文庫版『闘将!!拉麵男

絶版状態のようですので古本屋を探すしかありませんが、よく見かけますよ。

古風な印象。全8巻です。

〇ジャンプコミックスセレクション版『闘将!!拉麵男

こちらも絶版状態。古本屋でもなかなか見かけません…。

キン肉マンⅡ世が始まったころに刊行。全9巻です。

というわけで、2022年現在では電子書籍で読むのが手っ取り早いかと。(新刊では入手できないけど、読む手段があるだけマシ、という感じでしょうかね)

『闘将!!拉麵男』の内容

©ゆでたまご/集英社

中国拳法の嵩山にある拳法史上最強の4人のなかでも、最強と名高いラーメンマンの修業時代にスポットを当てて話が始まります。

この英雄面山はワシントンにあるコレのオマージュですよね、きっと。

英雄面山にはラーメンマンと師匠の陳老師と、ブルース・リーらしき顔と、なぜかアデランスの中野さんらしき顔があります…。ゆでたまごワールドに存在する中野さんってなんでも屋ですよね(笑)

とりあえずあと1個誰かの顔にしておかないといけないから中野さんにしておくか、ぐらいの軽いノリだったのかもしれません。

ラーメンマンの父、ソーメンマン

時代設定はむかしむかし。山賊や馬賊などの強盗団が猛威を振るっていたころの、中国のおとぎ話のような世界観です。

闘将!!拉麵男』は『キン肉マン』に登場するラーメンマンなんですが、同一人物かというと、どうやらそうではないようです。直接的なストーリーの繋がりはなく、パラレルワールドと考えた方がよさそうですね。

さて、物語は毒蛇党という馬賊がラーメンマンの村に攻め込んでくるところから始まります。

残虐非道の限りを尽くし、金目のものを出せと脅してきますが、腕に覚えがあるソーメンマンは抵抗します。

凛々しいおじさんです。©ゆでたまご/集英社

が、抵抗虚しく、毒蛇党の3兄弟「蛇五・蛇六・蛇九」が繰り出す秘技・幻惑夢壁(まあ、トリプルドムのジェットストリームアタックと思ってください)であっさり殺されてしまいます。

ソーメンマンの息子であるラーメンマンは、崖の底へ放り投げられてしまいました。

ラーメンマン幼少期

幸運にも岩壁の木の枝に引っかかって生き残ったラーメンマンは、川辺である老人に出会います。

老人は川に入ると釣りざおや手を使わず、足蹴りだけで大量の魚を捕まえており、その身のこなしからどうやら超人拳法の達人のようでした。毒蛇党に復讐を誓ったラーメンマンは老人に弟子入りを懇願し、ラーメンマンの覚悟を悟った老人は弟子入りを受け入れるのでした。

額に中の文字がない丸っこいラーメンマン。©ゆでたまご/集英社

修業時代

陳老師に弟子入りしたあと、血のにじむような修業が始まりました。超人百二芸という鍛錬法を消化し、あっという間に(たった1ページで)12年の歳月が流れます。

この時点では超人百二芸は修行法という紹介ですが、のちになって百二の技のような解釈に変わりますね。

陳老師からの卒業試験は、火であぶった熱湯入り巨釜を素手で運ぶことでした。

不自然に釜に浮き出ている中の文字。©ゆでたまご/集英社

ラーメンマンはやけど一つなく、無事に巨釜を移動させることに成功し、老師から闘龍極意書を授かるのでした。

ラーメンマンの中の文字は焼印やったんかい!©ゆでたまご/集英社

そして、陳老師から”美来斗利偉・拉麵男”と名乗ることを許されるのでした!

毒蛇党との勝負

さっそく毒蛇党退治に向かうラーメンマンでしたが、盗賊に襲われた村に立ち寄ります。どうやら毒蛇党の仕業のようですが、12年たってもまだ現役で悪事を働いているとは…。

その村で、ラーメンマン自身と同じような境遇の幼い少年に出会います。少年も家族を毒蛇党に殺されてしまったのでした。

拉麺男読者にはおなじみのシューマイです。©ゆでたまご/集英社

どうやら毒蛇党はまたすぐに攻めに来るらしく、軍勢を一気に片付けるために落とし穴を掘り、台風雲にヒントを得て、大地に大きな円を描きます。

しばらく後にやってきた毒蛇党の軍団ですが、まんまと落とし穴にひっかかって毒蛇党の軍勢を減らすことに成功。また、ラーメンマンの読み通り台風がやってきて、3兄弟以外は吹き飛ばされてしまいました。

さっき大地に描いた円は台風の目の位置になっていて、3兄弟は吹き飛ばされずにすみましたが、直接父親の敵を討つためにわざと3兄弟のみを残すラーメンマンの作戦だったのです。

”闘”の肩当てがカッコイイ!©ゆでたまご/集英社

父も敗れた3兄弟の秘技・幻惑夢壁を見破ったラーメンマンは、遠くの物体に衝撃を与える飛び道具である「百歩神拳」で2人を退治します。

強烈な衝撃波!©ゆでたまご/集英社

許しを乞う残る1人に対して情けをかけ立ち去りますが、卑怯にも背後から刀で切りかかってきます。

あやうし!なところ、シューマイの一言でラーメンマンは異変に気付き、後方風車という背面ドロップキックで残り1人をKOしました。

そして、あの日の自分のように「弟子にしてほしい」とせがむシューマイを連れて、遠く長い修行の旅に出るのでした。

まとめ

いかがだったでしょうか?

この『闘将!!拉麵男』の読み切りは後の第一話になるのですが、単独の読み切りとしてかなりおもしろいです!それだけラーメンマンのビジュアルにインパクトがあるということでしょうか。陳老師の修業もなかなか凝っていて、またラーメンマンの戦術も「七人の侍」や孫子兵法のようで興味深いです。

この読み切りの後、当時のジャンプ編集の中野和雄さんからの依頼を受け、キン肉マンのジャンプ連載と並行してフレッシュジャンプ誌上でも正式に連載が始まることになります。

※ゆでたまご先生の自伝『生たまご』では、本当はキン肉マン連載終了後に連載をしたかったという趣旨の話がありました。多忙極まるゆでたまご先生は、週刊誌でのキン肉マン連載と月刊誌(フレッシュジャンプは創刊時隔月誌)を同時進行で連載していくことになるのでした。

次回は短編読み切り『勇者ビッグボディ』を紹介しますので、女房を質に入れてでも見にこなあきまへんで!

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