お金の原理原則を漫画で学ぶ!書評『マンガでわかる!お金の基本』出口治明著

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『マンガでわかる!お金の基本』人生を変える8つの授業

今回紹介するのは漫画です。できるだけ活字の本を紹介するようにしているのですが、ビジネス系自己啓発漫画ということで例外的に紹介します。

「マンガでわかる!」シリーズ

宝島社刊行の「マンガでわかる!」シリーズより、『お金の基本』出口治明著です。この「マンガでわかる!」シリーズは、自己啓発本の古典や名作から、わりと最近の新刊までカバーしており、たくさんの本が出ています。

その名の通り、内容のほとんどが漫画で解説されているとても読みやすく、活字の本はちょっと敷居が高いな…というときに、まず漫画版を手に取ってみることができますのでオススメです。漫画版を読んで、より興味が湧いたらネタ元の活字本を読んでみる、というのもオススメですよ。

漫画のストーリー自体は、あくまでその本のテーマ(本書であればお金)に沿ったものですので、わかりやすく言えば中学生になると郵便受けに投函される、進研ゼミ勧誘漫画といった感じです。(ああいうのってまだあるのか?)
なんとなく、ゆる~いストーリーでたいへんわかりやすい話にまとまっています。

私は、過去に新渡戸稲造の『武士道』やドラッカーの『人を動かく・道は開ける』、コヴィ博士の『7つの習慣』などを読みました。とりわけ『7つの習慣』は、この「マンガでわかる!」シリーズでも売れに売れたようで、全4巻とさらなるエキストラのplusの計5巻になっています。いつか、本編の『7つの習慣』とともも紹介したいと思っていますが、今回は本書『お金の基本』を紹介しましょう。

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主人公の女の子、なかなかカワイイです。

ストーリー

主人公は大手化粧品会社に勤める女の子、綾城さくら(28歳)。ルームシェアしている草間透子(26歳)が結婚を控え、近々ルームシェアを解消することに。さくらは金銭的に毎月カツカツの生活を送っており、同僚からの誘いにも、金銭的な余裕がなく断ってしまう始末。そんなときに、大学の先輩である相良拓海(30歳)とランニングサークルでばったり遭遇。拓海は大手商社を退職して独立・起業しており、さくらのお金に関する困りごとにアドバイスしていくようになります。

引越しの予算、生命保険、倹約と預金のバランス、株式投資、自己投資、稼ぐことで自己実現につなげいく、などなど。さくらは貯める力・増やす力・使う力を身に着け、ひょんなことからハワイのマラソン大会に出場することになります。レース中に倒れた外国人を介抱する際にとっさにでた英語が、彼女自身の自己投資のたまものであったことを自覚し、それから頻繁に海外旅行に出かけることになりました。帰路についたさくらを日本の空港へ迎えに来た拓海と手をつなぎ、次の人生へ歩き始めました。

という、よくあるご都合主義的ストーリー。あくまでストーリーはメインである「お金」の話をするための添え物、なんですが、本作の主人公である綾城さくらはビジュアルもさることながら、ドジっ子で放っておけない感じのかわいい女の子。話は話でけっこうおもしろいですよ。

お金の基本とは

では、本書で学ぶ『お金の基本』について。

歴史の中で、「価値の交換手段」(物々交換)が貴金属などの「価値の貯蔵」となり、持ち運びができる「価値の尺度」、つまりお金になった。見逃されがちなことだけど、お金の役割は前述の3つの考え方があって、そもそもは「価値の交換手段」である、と。なので私たちが働いた”価値のある労働”の対価として、給料をもらっているということですね。生み出した価値の分だけ、対価をもらわなければならないし、逆に言うと対価を受け取った分の価値ある労働をしないといけない。とりわけ、社会人は時間給ではないことが多いですからね。与えられた時間で対価に見合った価値を生み出していきたいものです。意外とこの「価値の交換手段」という視点がないまま働いている人って多いのではないでしょうか。

そして、お金は”使う”ことがもっとも重要であると。本来はお金にはそもそも価値はない。何かものを手に入れたり、体験したりすることで初めて価値が生まれるツールであるこということを踏まえておきましょう。過剰に貯めたり倹約したり、手段が目的にならないようにしよう、ということですね。

また、正しく先を予見して貯める、むやみに老後を心配しない、低金利時代の世の中で、すべて預金するのではなく投資しよう、とも説いています。

さらに、最も大事なことは、”自分に投資する”こと。私たち自身が、最も身近で投資する価値があるものは自分自身。投資の基本は、成長するものに投資して、長い時間をかけて育てていくこと。それって金融商品だけでなく、人間も同じ。若いうちは自分自身に投資して自分のためにお金を使おう!

特に人・本・旅は自分を大きく成長させるのだそうですよ。

まとめ

著者は、ライフネット生命創業者の出口治明氏。生命保険会社の会長なのにも関わらず、自分のリスクと保険商品を公平に説明してくれており、かなり信頼できる内容です。
保険屋さんって押し売りが強い場合もありますが、本書の中では”自分に合った保険商品を自分の意志で考える”ことにも触れており、好感が持てる内容でした。

マネーリテラシーという言葉がありますが、お金の基本知識やお金に対する考え方は人それぞれです。お得な買い物をする人もいれば、すごくそんな買い物をする人もいます。ですが、自分の人生の責任を、お金という一面でしっかり見直すというのはこれからの時代には必要になってくると思っています。

日本人はまだ学校教育でお金の勉強をする機会は少ないですが、本屋に行くと欧米系の発想に基づいて書かれたお金にまつわる本がたくさんあります。最近では厚切りジェイソン氏の本など売れているようです。漫画でも知っているタレントでも、なんでも良いと思いますので、手に取りやすい動機がある本から読んでみることをオススメします。

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