こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。
金曜日は闘いのワンダーランド!
毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。
新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!
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2月17日は何の日?
今回は、1994年2月17日、両国国技館で行われたこの試合をテーマに考えてみることにしましょう!
橋本真也は前年にグレート・ムタを倒しIWGP王座を奪取しており、対する天龍源一郎はその年のイッテンヨン東京ドームで、アントニオ猪木をパワーボム葬でフォール勝ちを果たしていました。
この試合はノンタイトル戦ではあるものの、猪木を破った天龍がIWGP王者に挑むという構図になっています。
また、前年1993年に橋本は天龍に2連敗を喫しており、IWGP王者としても3連敗は許されないという背景もありました。
橋本はトニー・ホームしかり天龍しかり、のちの小川戦しかり、連敗に追い込まれるストーリーが多かったですね。
試合内容
IWGP王者にもかかわらず、橋本は挑戦者コーナーである青コーナーから入場し、天龍を待ち構えます。
試合内容はとにかく武骨。
まったく型にはまらない両者の戦いは、最近の新日本プロレスに見慣れていると異様に感じてしまいます。予定調和なロックアップもなければ、不用意に相手をロープに振ったりすることもありません。お互いに距離を詰め合って、打撃を中心にダメージを与えていきます。
両者得意の打撃技
天龍は得意の逆水平チョップ、ステップキック(俗にいうチョン蹴り)で攻め、橋本はロー・ミドル・ハイ、それぞれ使い分けた重爆キックで攻めていく。
爆殺シューターの異名をとる橋本のミドルキックが激しく決まれば、天龍は喉元めがけてチョップを打ち込んでいきます。お互いの打撃がめちゃくちゃカタそうです…。
次第に、お互いの得意技を繰り出していきますが、攻守一進一退の攻防が続きますが、天龍がトップロープからの背面エルボードロップを投下、ラリアットを狙っていくも、橋本が蹴りで迎撃!この蹴りが小川にも決まっていれば…と思うぐらい、とてつもなく重たいミドルキック!天龍は腹部を押さえて倒れ込みます。解説のマサ・サイトーによると「橋本はプッツンきている」そうです。
出身団体の流儀
その後も橋本は蹴り蹴り蹴り!
ジャンピング延髄斬り、ハイキック&ミドルキック。そして得意のフライングニールキックがズバっと決まります。この攻防、冷静にみると攻めの新日本VS守りの全日本に見えなくもないですよね。天龍はひたすら機会を窺って耐え続けます。
一進一退
猪木戦で経験した浴びせ蹴りを繰り出した天龍は、チャンスと見るや延髄斬り(猪木式ではなく天龍式!)が橋本の後頭部にヒット!
すぐに天龍が猪木を破ったパワーボムを仕掛け…完璧に決まった!
しかし頭部へのダメージかフォールにいけない…。ここで場内割れんばかりのハシモトコール!橋本の得意技であるジャンピングDDTが炸裂するも、形がやや不完全でカウント2!これでは決まらない!
負けじと天龍は、ビンタ連打からふらついた橋本へこの日2度目のパワーボムを敢行!完璧に決まった!
カウント…2!なんとかキックアウトも橋本危うし!
ふらつく橋本は、これ以上の打撃を嫌ってか距離を詰めて天龍を抱き寄せるようにしてフロントスープレックス(これは珍しい)!
そしてロープに走り込んで天龍に飛びつき、ジャンピングDDT!さっきとは違い完璧に決まり勝負あり!ついに橋本は天龍越えを果たしました。
橋本は2連敗の雪辱を果たし、「勝ったぞー!」とマイクで絶叫するのでした。
カテェ…橋本の攻め
最近の新日本プロレスの試合は、レスラーの身体能力もさることながら、試合内容もすごくレベルが高いですよね。美しくて流れるような試合で、スタートからだんだん盛り上がっていきフィナーレに向かって進んでいくような試合。
武藤敬司流にいうと「作品」と呼べるような満足度の高い試合がたくさんあります。
この試合は、特に橋本の”負けたくない・負けられない”という意地が試合全体に充満していて、それがゆえに橋本のターンが多く、天龍を攻めさせなかった時間が長い試合でした。二度のパワーボムを耐えぬいたのも大きかったですね。二度目はモロに炸裂してましたから。
ごつごつしたカタそうな試合も新日本プロレスの素晴らしさだと、改めて実感させられる1戦でした!
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