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稲川淳二の怪談を整理する、怪談!稲川倉庫です。
今回は、『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談 Selection16 リヤカー』を整理!
(CD発売日:2015年6月5日)<MNT-16>
『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談』シリーズ
『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談』シリーズのご紹介の16作目。
初期の代表作「リヤカー」含め、90年代/00年代/10年代の怪談をまんべんなく収録!
『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談Selection16 リヤカー』
ツアー初期の代表作「リヤカー」。
公式ホームページから引用
近年の”稲川怪談”の人気作品「遅れて来た二人」を含む全六話収録!
座長のおばさんが戦中に体験したという「リヤカー」は確かに代表作ですが、「遅れてきた二人」って人気作品なんでしょうかね?
私はあまりピンとこなかったんですが、好みは人それぞれでしょうし、それだけ稲川怪談のすそ野が広いということでしょう!
本作の中では「公団のはしゃぎ声」も良いし、「最終前のバス」なんかは稲川怪談新機軸のような気もしますね。
オーソドックスから変化球まで、稲川怪談はいろいろ揃えておりますよ!
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・稲川淳二の怪談 MYSTERY NIGHT TOUR Selection BOXシリーズ
(ベストアルバムBOXのようなもの)
公団のはしゃぎ声 (2002)
公団のアパートの一室に住んでいた稲川の先輩。
公式ホームページから引用
不可解な電話の後、突然に彼はその消息を絶ってしまった。
一体彼の身に何が起こったのか…。
先輩の手伝いで都内にある古い公団のアパートへ向かった座長。
その時は深夜0時を過ぎてたんですが、先輩が住む9階へ向かうエレベーターを待っている間、そこからか子供の騒ぐ声がする。声はどんどん近づいてくる。どうやらエレベーターの中ではしゃぎまわっているらしい。
エレベーターの扉が開いた瞬間に飛び出してくるぞ!と思って、少し離れて待っていたんですがね、エレベーターが着いても、誰も乗ってないんですよ。
そんなことがあって、すっかり忘れてしまっていたんですが、数か月後に先輩から電話があった。用件を話し終わった後、先輩が「部屋の前の通路を走り回っている声が聞こえて、気になって通路を見てみたんだけど」って話し始めたんですが…。
一言コメント(ネタバレ注意)
座長の実体験怪異談。
座長と電話中に取り乱した先輩、急に応答がなくなったと思ったら、
「ねえ、この人寝てんの?」「ううん、死んでんだよ」
って受話器越しに子供の声がしたって、恐ろしすぎやしませんか…?
あまりパターンにはまっていない稲川怪談ですよね。まったく判然としないし事情が何もわからないという。その後消息不明というのはご愛敬ですが(笑)
それから、なんといってもタイトルが秀逸だと思います!「公団のはしゃぎ声」って音感的な語呂がいいし、本来は子供たちが元気に遊びまわっているイメージの「はしゃぎ声」なのに、その声の主が亡霊(と思われる)だという点。
割と短めのお話、引き込まれること間違いなしでオススメです!
稲川淳二メモリアル「遺言」
公式YouTubeチャンネルにもアップされています!
遅れて来た二人 (2014)
テニスサークルの夏の合宿。
公式ホームページから引用
夕刻になって降りだした雨と、閃光をともないながら響く雷鳴。
遅れてやって来る友人たちを待ちながら、三人は停電の中で怪談を始めた…。
趣味でやっているテニスサークル。学生から社会人までいろんなメンバーで活動していたんですがね、テニスコートがある宿泊施設へ夏合宿へ行くことにした。
各々仕事が違うものですから、比較的時間の調整ができる学生の3人が、先に現地へ行って準備を進めることにしたんですけど、部屋の中で急な大雨と雷鳴で停電に見舞われてしまった。
仕方がないから怪談しながら待っていたんですが、「こんばんわ~」と2人のカップルが遅れてやってきて…。
一言コメント(ネタバレ注意)
死んだ人間が約束に通り現れる怪談は、「居残り仕事」のようでもあり「深夜の来訪者」にも共通するよくあるパターン。それでいて怪談話を始めるという展開は「北陸の海岸」のようでもありますね。
「遅れてきた二人」というタイトルから、「その二人はすでに死んでるな」と想像できる方は、かなりの稲川怪談マニアでしょう(笑)
いとこの修学旅行 (2005)
私のいとこが中学校の修学旅行で体験したお話です。
公式ホームページから引用
日常ではない場所で、仲間と楽しくリラックスしている時って、
実は一番体験しやすいんですよね…。
多いですよ、修学旅行だとか社員旅行ってね…。
修学旅行って、学校を離れて気の合う仲間とワイワイやれる。しかも一日中。最高じゃあないですか。
そんな修学旅行。座長のいとこなんですがね、部屋割りでもって友達と同じ部屋になれなかった。で、友達の部屋へ行ってみると、もう1枚ぐらい布団が敷けそうだったんで、仲居さんに「布団を持ってきてもいいか?」って聞いたんですけど、「5名様の部屋なんです」って断られちゃった。
とはいってもね、まだまだ場所はあるんで、内緒で布団を敷いて休んだ。
初日にはしゃぎすぎたせいか、翌日になっていとこは熱を出してしまって、その日は夜まで休むことになったんです。自分だっけが休んでいる部屋。でもなんだか人の気配がする…。そんな部屋だったそうです。
夜になるともうすっかり良くなったんですが、周りのみんなは一日の疲れがどっと出たように眠ってしまった。いとこはずっと休んでたもんですから、眠気が来ないんだな。
寝られないままに尿意をもよおしてしまって、仕方なく1人で吹きさらしの外便所に向かったんです…。
一言コメント(ネタバレ注意)
その部屋はきっと、もともとは6人部屋だったんでしょうね。で、先住者がいたもんだから、それ以降は5人部屋として使っていたんでしょう。
そんな時いとこがやってきて6人部屋になり、さらにいとこが部屋に1人で休んでいたことで、彼を呼び起こしてしまったのかもしれませんよね。
外便所で血を吐いていた灰色の学生服を着た青年、部屋まで追いかけてきたっていうんですから、いとこは恐怖におののいたことでしょうねえ。
修学旅行は誰もが経験するところ。旅行中の高いテンションによる喧騒と、みんなが寝静まった夜を思い出しながらこの怪談を聞いてみてくださいね。
稲川淳二メモリアル「遺言」
公式YouTubeチャンネルにもアップされています!
真実の鏡 (2008)
九州の北部、閉鎖されたモーテル。
公式ホームページから引用
バブルの名残を残した豪奢な建物。
美容整形外科としてリニューアルされる筈だった小高い丘の一等地。
あの鏡さえ無ければ…。
不動産屋の営業担当の江口さんは、閉鎖されたヨーロッパ調の立派な建物を管理する仕事をしていた。
建物の中にある人の形をした彫像なんかのせいで、地元では幽霊が出るという噂があって、なかなか買い手がつかなかったんだそうですよ。
そんな時、建物を改装して整形美容外科のクリニックにするという話が持ち上がった。買い手である女性医師が「下見をしたい」と言って一人で現地へ向かったんですが、江口さんも営業担当としてほっとけないんで、後から向かっていったんです。
そしたら、「ギャー!」っと建物の中から悲鳴が聞こえて、派手な格好をした女性医師が恐怖に引きつった表情で飛び出してきた…。
一言コメント(ネタバレ注意)
よく恐怖動画なんかで、鏡に映った自分なのに鏡の動きと違った反応をすることってあるじゃないですか。
「真実の鏡」、それは鏡ではなくで自分自身を映し出すもう一つの世界だったのかもしれません。
江口さんは結局女性医師と同じ体験をしてしまったのですが、いやはや、不動産屋もなかなか過酷な商売ですねえ。事故物件っていうんですか?ああいうものは扱いたくないもんですよ。
それはともかく、もう少し「真実の鏡」の中の世界を聞いてみたかったですね。
そのあとは一体、映ったんでしょうか…。
リヤカー (1994)
戦時中の疎開先の信州で、私の伯母さんが体験したというお話です。
公式ホームページから引用
怖いし、映像が頭に浮かびやすいので、私はこの話が結構好きなんですよね。
真夜中の手掘りのトンネル、あなたは一人で歩けますか…?
疎開中だった座長の伯母さん。陸軍の将校だった伯父さんから「物資を駅留めで送ったから取りに行くように」っていう連絡が入った。とはいっても運ぶ手段がないですからね、困っていたところ、診療所のリヤカーを借りれることになったんです。
診療所は隣の村にあって、多少距離がある。迷う道ではないんですが、途中岩肌がむき出しの手掘りのトンネルを抜けて診療所に到着した。そこでお茶をごちそうになったんですが、つい時間を忘れてしゃべりすぎてしまったんです。
外はもう暗くなりそうなんで、リヤカーに下げておくライトまで借りて診療所を後にしたんですが、帰りも真っ暗なトンネルを通らなければならないですよね…。
伯母さんが体験したトンネル内の怪異とは…。
一言コメント(ネタバレ注意)
もう説明不要というか、今更解説がいるのかというぐらいの大定番!
シンプルなのにこの恐怖。じっくり聞くと、この話は稲川怪談のいろんなエッセンスが詰まっていますよね。擬音もあるし、道中の詳しい描写もある。そして、落語のような語りや登場人物同士の掛け合いもある。
座長は怪談を語る際に、「絵画」をイメージして展開していくとおっしゃっていますが、診療所へ向かう前半の牧歌的な雰囲気と、後半のリヤカーで帰路を急ぐ伯母さんの焦りの心象、そしてトンネルで人と遭遇した際の一瞬の安堵感など、物語の輪郭を丁寧に描いていく様は、まさに稲川怪談の真骨頂といっても過言ではないでしょう!
稲川淳二メモリアル「遺言」
公式YouTubeチャンネルにもアップされています!
最終前のバス (2013)
マイカー通勤をやめて、バスを利用するようになった理由…。
公式ホームページから引用
それは、勤め帰りの一杯のお酒のため。
停留所からバスに乗って来た、若い母親と幼い女の子。
彼は視線を合わせないように、静かに下を向いた…。
息せき切って走って、なんとか最終前のバスに飛び乗った。
ここひと月ほどマイカー通勤を止めてバスで通勤しているのは、仕事の帰りにお酒を飲むためで、バスの席に腰かけると、次第に酔いが回ってきて眠ってしまった。
ふっと気づくと、普段と違う道を走っているような気がする。バスのヘッドライトの先は若い母親と女の子が横断歩道を渡っていて、そこにはひき逃げの情報を求める立て看板が立ててあった。
停留所に着くと、その親子がバスに乗ってきて、乗客の顔を覗き込みながら自分に近づいてきて…。
一言コメント(ネタバレ注意)
この話はけっこう珍しい視点で語られていますね。
物語自体が一人称の「わたし」の視点ですし、(完全なネタバレになり恐縮ですが)主人公がひき逃げの犯人だったという。
主人公の男は罪の意識に苛まれて、車中でひどい悪夢をみてしまったのか。それとも、轢かれた親子が夜な夜なバスに乗り込んで犯人を捜していたんでしょうか。
現実世界に戻った男は、バスの運転手がひき逃げされた親子の亭主だったとわかり、自首を申し出るのでした。
さいごに
いかがだったでしょうか?
ミステリーナイトツアーシリーズのスタジオ収録盤Selectin16!
過去の名作あり(リヤカー)、実体験怪異談あり(公団のはしゃぎ声)、オーソドックス怪談あり(遅れてきた二人)、稲川怪談の新たな魅せ方あり(最終前のバス)と、まだまだ留まることを知らない稲川怪談!
ミステリーナイトツアーシリーズの紹介はまだまだ続きます。また、お付き合いくださいね。
それじゃあまた。次の怪異でお会いしましょう。
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