淡谷のり子の実話怪談も収録『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談 Selection1 北陸の海岸』

稲川淳二の怪談を整理する、怪談!稲川倉庫です。

今回は、『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談 Selection1 北陸の海岸』を整理!
(CD発売日:2003年7月25日)<MNT-01>

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『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談』シリーズ

年に一度のお楽しみ!今年も発売されている長期シリーズ、1996年から始まったミステリーナイトツアーの内容を改めてスタジオで録音したシリーズです

2022年現在ではSelection23まで発売されていますので、これから稲川怪談に触れてみようかな?という方には超オススメです。今でも大手サイトで販売されており、手に入れやすいですよ。

たんてったって、怪談ライブのミステリーナイトツアーから、選りすぐりの怪談を新たにスタジオで録音したってんですからね。この怪談、怖くないわけがない。過去にライブで演った怪談から、毎年CDになって発売されています。

ただ、”ライブ感”と言いますか、疾走感やアドレナリンはやはりライブ版に優がある気もしますので、リアル稲川怪談を楽しみたい方は、ミステリーナイトツアーのライブDVDを強くオススメします。

じっくり聞く稲川怪談の魅力に浸りたい方は、是非スタジオ録音盤の本シリーズを手に取って見て下さい。

(とは言っても、座長も高齢とあって、最近は早口でダーッとまくし立てるスタイルの怪談はなくなってしまいましたがね)

というわけで、以後しばらくは『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談』シリーズを整理して紹介させて頂きます!

本作、『~Selection1 北陸の海岸』の収録話は以下の通り。

『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談 Selection1 北陸の海岸』

1996年に始まった”怪談ライブ”の全国ツアー。10年間で語られてきた稲川淳二の怪談の数々を新たにスタジオ録音。MYSTERY NIGHT TOUR Selectionシリーズ第一弾!!

ホームページから引用
Mystery Night Tour
¥2,702 (2023/04/16 12:41時点 | Amazon調べ)

稲川怪談をレンタルCDで聞こう!

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(ベストアルバムBOXにようなもの)

脂ぎった顔 (1999)

いつも生活している日常が闇に支配された瞬間、あなたは何かの存在を感じた事はありませんか?

暗闇には別の何かが存在しているのかもしれませんね….。

公式ホームページから引用

当時、座長についていた若手マネージャーの弟さんが体験した話なんです。マネージャーは、夜遅くに座長を自宅まで送って、それから横浜のはずれの家まで帰るんですが、家に戻ると弟さんが真っ青な顔で「兄貴、不思議な体験しちゃった」って、教えてくれたんです。

その日はマネージャー、つまり兄が帰ってくるのを待っていたんです。部屋の中、ごろーんと横になって天井の明かりを見つめていると、だんだんと明かりが小さくなってきた。部屋が暗くなってくる。(故障か?)と思って立ち上がろうとすると(体が動かない!)金縛りになってしまったんです。

部屋は真っ暗闇、しーんとしている。そうすると次第に感覚が冴えてきた。

(誰かが体に上にいる!)

得体のしれないものが、自分の体を上にいて、だんだんと頭の方に移動してくる。腰のあたりまで上がってきた。そこで、自分の息のリズムを変えてみた。すると、自分の呼吸とは別の吐息が聞こえる…。さらにどんどん上がってきて、ついには首が締まってきた。すると、小さなかすれた男の声が聞こえてきた…。

一言コメント(ネタバレ注意)

別の媒体では佐々木マネージャーと実名が出ています。他の記事でも書きましたが、「先輩のハト(生首とハト)」とかなり似ている話です。座長は最後に「脂ぎった男の顔の話は良くある」とおっしゃいますが、闇の中の住人がいて、確かにそうなのかもしれませんね。

私ですか?そんな経験は一度もありません…。

闇の中は、この世とあの世を繋ぐ入り口なのかもしれません。

蚊帳 (1998)

今ではもう蚊帳(かや)という物を知らない方のほうが多いんじゃないでしょうか?当時、虫の多い夏には欠かせないものでしたが…。

このお話は芸能界の大先輩から教えて頂いた日本の夏を感じさせてくれるお話です。

公式ホームページから引用

ブルースの女王こと淡谷のり子さんから聞いた話なんです。戦後まもなく、若いころ米軍基地のクラブに出演していて、女性マネージャーと2人で全国を回っていたんです。そんなとき、地方巡業の際、プロモーターから宿舎を紹介され、大きな屋敷に宿泊することになったんです。屋敷の老夫婦の配慮もあってって、気を使わない場所の方が良いだろうと、屋敷とは別の離れで休むことになりました。

季節は夏なんです。部屋の中には蚊帳がありましてね。蚊帳というのは、簡単にいえば緑色の蚊よけの網ですよね。箱状になっている網なんですが、その中に布団を敷いて休んだんです。すっかりマネージャーは寝てしまって、淡谷先生はなかなか寝付けずにいたんです。

開け放った庭から、かすかな風が吹いてくる。虫の音も聞こえる。そんな静かな夜なんですが、妙な気配を感じた。縁側の端に何かが見えたんです。暗い闇の中、蚊帳越しなんではっきりは見えないんですが、月明かりを頼りに見ると、誰かが縁側に正座している。

(やだ、誰かが入ってきている!)

最初は不審者かと思ってね、女性マネージャーを起こして、蚊帳の中からじーっと様子を見ていたんですが、息遣いも動きもない。生きているという雰囲気じゃあない。

(生きてる人間じゃないんじゃないか…)

と思った瞬間、座ったまんまの形で蚊帳の前までスーッと近づいてきて…。

翌朝、屋敷の旦那に昨夜の件を伝えると、その出来事と淡谷先生をつなぐ意外な接点が判明するんです。

一言コメント(ネタバレ注意)

巡業の宿舎としてたまたま宿泊した屋敷の離れで、蚊帳越しに起こった恐怖体験。実はこの離れには、なんと淡谷先生が過去に肖像画を描いてもらったことがある絵描きが暮らしていたんです。なるほど、絵描きはかつてモデルになった、たまたまいらした淡谷先生に一目会いたかったのかな?と思いきや…。

後日淡谷先生が供養のためにとお寺へ肖像画を持って行ったことで、衝撃の展開を迎えます

この話、蚊帳越しに見る幽霊が、なんともじめっとした夏らしい雰囲気を作ってくれています。

蚊帳の中で寝たことがある人は、もう少なくなっているでしょうねえ。

隣の入院患者 (2002)

“病院”には色んなお話がありますね。私のネタの中にも数多く病院にまつわる話がありますが、その中でもこれは異質な作品だと言えるのではないでしょうか?

公式ホームページから引用

検査入院することになった菅野さん。部屋にはもう1人別の患者がいたんで、相部屋になるから挨拶にと思ったんですが、カーテンがピシッとしまっていてコトリとも音が聞こえない。隣の患者は休んでいるらしかったので、改めて挨拶することにしてその日は止めておいたんです。

そうこうしていると夕食の時間。ところが隣の患者は夕食をとる様子がない。はてなとは思ったんですが、夕食も済んで消灯になった。病棟が暗くなって、物音ひとつない。あいかわらず、隣の患者の音もしない。入院初日ということで神経が高ぶっていることもあって落ち着かないんですが、そのうちに寝ついたんです。

夜中、目が開いた。シーンとしている病室で、ぼそぼそと話声がきこえる。隣に誰か来ているらしい。(こんな時刻に面会もないだろうし)と思っていると、ぴたっと話声が止まった。しばらくすると隣の患者がせき込み始めた。苦しそうなので「大丈夫ですか?」声を掛け、今日から入院していることを伝え、簡単に挨拶を済ませたんです。

翌日、やはり隣は物音もない、食事をとる様子もないんですよね。

その品の夜中、どうも隣に気配がある。カーテン越しではありますが、隣から話し声が聞こえて、しばらくすると、隣の患者がまた苦しそうにせき込みはじめた。どうやら誰か来ているようなんですよ。意を決して、誰か来ているのかを聞いてみたんです。そうすると、

「以前入院していて、このベッドでなくなった西田さんという方がやって来るんです」

(おかしなことを言うなあ)と思って、翌朝見舞いに来た息子に話したところ、隣の患者は高齢で寝たきりなこと、声帯がつぶれていて声が出せないことを聞いた。

(じゃあ、いったい誰と話していたんだろう。)その日、また隣の患者に来訪者がやってきて…。

一言コメント(ネタバレ注意)

毎夜のようにやってくる西田という男。隣の入院患者をあの世へ連れていく死神なのかもしれないですね。

それから、この作品は数ある稲川怪談の病院系の中では、そんな異質じゃあないと思いますが、皆さんはどう感じられますか?ほかにもよっぽどエグイ話がありますよね?

病院は生と死が交差する場所ですからね。奇妙な出来事あって当然なのかもしれませんよ。

出版社ビルの二階倉庫 (2001)

東京の文京区、何故か使われなくなったビルの二階。今では倉庫となってしまったこのフロアで一対(原文ママ)何があったのか…?

公式ホームページから引用

文京区というと、けっこう出版や印刷関係の会社が多いんですよね。このお話しはね、企業向けの出版物を扱っている、とある出版社で起こった恐ろしい話なんです。

それはっていうと、この出版社。1階は配送センターのような扉がない土間状の造りになっていて、扉がない。それはいいんですが、2階が倉庫になっているんですよ。で、3階以上が事務所になっている、そんな造りなんです。ある時ね、川辺さんという若い女性が、夜に先輩の手伝いでもって、2階の倉庫を整理することなった。少し先輩が外した時に、身の毛もよだつ恐怖体験をしてしまったんです。

それをね、残業後の飲み会の機会に、直属の上司である太田課長に話したんですよ。そしたら課長は、大昔にこの会社の、当時は事務所だった2階でね、恋人に捨てられて自殺した女性がいたことを話してくれたんです。川辺さんは、絶対に2階には行くもんか、そう思った。

それから数年後、太田課長の定年退職の送別会が催されたんですが…。

一言コメント(ネタバレ注意)

物語のラストで、自殺した女性と太田課長の関係が明らかになります。執念と言いますかねえ。とり返す機会を、その女性はずーっとうかがっていたんでしょうねえ

暗い倉庫で彼女がみたものは…。

北陸の海岸 (2002)

ミステリーナイトツアー10年目にして披露されたこの作品。”小節の書き出し”のようなアプローチから除々に展開されて行く恐怖の世界。稲川淳二の”怪談”に更なる進化が…!!

公式ホームページから引用

学生自治会が企画した海の家。自由行動で入退自由のこのイベントに、学科も学年も違う学生が集まった。夏の開放的な雰囲気で、学生たちは楽しい毎日を過ごしていたんです。

夕食後に時間を持て余していると、海岸で花火をすることになった。すると、学年や学科が違う色んな学生が集まってきた。花火をやって焚火をやって、夜も深くなってくると始まるのは、”怖い話”ですよね。闇の中で潮のさざ波が聞こえている。話が終わると女性の悲鳴があがった。怖い話が盛り上がってきた。暗さがどんどん増してきて、雰囲気が出来上がってきた。

すると、急に女性が、

「この手誰の手?!」

と叫んだ。

後ろを見ると、女性の肩に白い腕だけがおぶさっていた。「ギャー!」女性は叫んだんですが、これがまた妙に怖い空気を作り出して、男子学生は盛り上がっていたんです。

「じゃあ、俺の話をしようか…」

そんな時、一番後ろの男が語り始めたんです…。

一言コメント(ネタバレ注意)

怪談語りというより、小説の朗読のような怖い話。

冒頭にフリがあって、細かい描写や効果音も入っています。座長の<溺れる男>の演技はなかなかのもの。ビデオやライブでもあまり語られることがないように感じますが、本作のバージョンは必聴です!

Theme of “Mystery Night Tour”

北陸の海岸が終わると、怪談ナイトでおなじみの音楽である、Theme of “Mystery Night Tour”収録されています。約47秒だけしかありませんが、これだけ単体で聞きたい(?)時には便利です。

曇天の空に雷が鳴り響き、今にも大粒の雨がどっと降ってきそうな、そんなテーマソングです。

さいごに

いかがだったでしょうか?

今でも続いている、ミステリーナイトツアーシリーズのスタジオ収録盤の記念すべき第1作目!ド定番の話はないものの、有名人の話、スタッフの話、病院の話、心霊探訪で集めたような話など、けっこうバラエティに富んでいる内容でした。

少し余談になりますが、稲川淳二の怪談(というか怪談全般そうなのですが)は、「この話は本当にあった事実なのか」とか、「脚色しすぎ・話を作っている・創作している・ウソだ」、なんていう揚げ足取りにも似た格好で斜に構えて評することは、まったくの無意味だと思っています。

その物語に没入したり、時には愛情をもって(ほんまかいな)と突っ込んだり、そんなふうに怪談の世界を楽しむ。これが最高じゃないかと思うんです。

ミステリーナイトツアーシリーズの紹介はまだまだ続きます。また、お付き合いくださいね。

それじゃあまた。次の怪異でお会いしましょう。

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