【超名作収録】初期稲川怪談の傑作含む、ミステリアス怪談も収録『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談 Selection14 長い死体』

稲川淳二の怪談を整理する、怪談!稲川倉庫です。

今回は、『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談 Selection14 長い死体』を整理!
(CD発売日:2013年6月7日)<MNT-14>

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『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談』シリーズ

『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談』シリーズのご紹介も14作目となりました。

毎回新旧さまざまな怪談が収録されているシリーズ、本作はついに稲川怪談初期の超傑作「長い死体」を収録!

『MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談Selection14 長い死体』

稲川怪談ライブラリー、第14弾!!
20年以上も前から、稲川淳二の代表作として知られている「長い死体」が今作品に満を持しての収録!!

公式ホームページから引用

旅館にかかってくる謎の電話を即席心霊探偵があぶりだす「宿のありもしない用件の電話」、またまたドライバーがかわいそうなタクシー怪談「南房総の乗客」、やんちゃな二人が織りなすランデブー「ツーリング」、送られてきたものは自分?「郵送物」、全国民必修の稲川怪談の超傑作「長い死体」、壮大なミスリードが恐怖を呼び寄せる「ブラインド」の合計6話を収録しています。

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(ベストアルバムBOXのようなもの)

宿のありもしない用件の電話 (2004)

仕事終わりに急遽宿泊する事になった岐阜県のとある温泉旅館。
やけに静かすぎる人気のない宿って、何だか寂しいような気がしますよね…。
これに近いような体験、私もした事があるんですよ…。

公式ホームページから引用

三重県にある会社の若手社員の2人なんですが、その日は岐阜にある現場仕事が早く終わったっていうんです。

2人とも独身ですし翌日は休みなんで、せっかくなんでってことで旅館を見つけて泊まることにしたんですよ。

で、その旅館なんですがね。ほかに客がいる様子がない。静まり返った夜の闇に包まれている。いかにも「なにか出そう」な雰囲気なんだ。

どうやら貸し切りらしい旅館に気をよくしたAさん。旅館の仲居に幽霊や心霊スポット、怖い話はないか?って尋ねてみたんだそうですよ。

あくまで冗談のつもりだったんですがね、しばらくすると旅館の番頭がやってきて、どうやら2人を“心霊探偵”か何かと勘違いしているらしく、奇妙なことが起こるという旅館のある部屋に案内された。

和室の部屋には電話が置いてあって、時々フロントに「ありもしない用件の電話」が掛かってくるという。

酔った勢いもあって、成り行きでAさんはたった1人でその部屋に泊まってみることになり…。

一言コメント(ネタバレ注意)

翌朝、Aさんが元の部屋に戻ると仲居さんが朝食の準備をしてくれていた。Bさんからは当然、部屋で何か起きなかったか聞かれますよね?

Aさんは「何も起きなかった」っていうんです。

昨夜は雨が降ってきて、なんだか辛気臭いから早く休んだといって、「あるとすれば鏡に映った自分を見てびっくりしてしまったことぐらいかな」って笑ったんですが…。

仲居さんは部屋の電話を受けてお酒を持って行った際、1人は布団で寝ていて、もう1人はお酒を飲んでいたっていうんです。

部屋にはAさんたった1人しかいないし、すでにAさんは休んでいる時間で、その布団で寝ていたのがAさんなんですよね…。

それから、部屋には鏡なんてないし、雨なんて降ってない…

そして、そもそもAさんは電話なんてしていない…

「ありもしない用件の電話」、確かにあったようですよ…。

夜中、一人でお酒を飲んでいた男は一体…。

南房総の乗客 (2007)

タクシーには本当に色んな不思議な話がありますよねぇ。
私もよく運転手さんに聞かせて頂きますが、その中でもこのお話は
結構好きな怪談なんですよねぇ…。

公式ホームページから引用

原田さんという、東京で働くタクシー運転手なんですがね。

小雨の降るある日の22時頃、銀座で「千葉県の南房総まで」という客を拾った。銀座から南房総までというとかなりの距離がありますからね。無事に客を送り届けて、この日の業務は終了しようと来た道を帰って行ったんですが、タクシーの無線が入った。

無線は、南房総から東京まで実車の客が入っていることを伝えた。南房総のMホテルというところで女性客が待っているという。

たった今東京から南房総まで客を乗せたばかりで、帰るついでに別の客を乗せることができるなんて、こんな運が良いことは珍しい。運転手にとっては願ったり叶ったりだ。

小雨が降る夜の闇の中、Mホテルに向かって意気揚々と走り出した原田さん。

次第にそれらしい、不思議なぐらい真っ暗なホテルが見えてきた…。

予約の女性は確かに現れたんですがね…。

一言コメント(ネタバレ注意)

稲川座長のお得意のタクシー怪談

紹介する度に、私はタクシー運転手だけは務まらないなと思ってしまいます(笑)

過去に同じタクシー会社の運転手が死亡事故を起こしてしまって、原田さんはその時の亡くなった母子をタクシーに乗せることになってしまったんですね…。

今もその事故現場では、母子がかつての悲しい出来事を繰り返しているのかもしれません。

ただね、野暮なようですが、この母子が登場する発動条件っていうのがかなり低確率なんじゃないかと思うんですね。

・事故を起こした同じタクシー会社であること
・東京からやってきたタクシーであること
・雨が降る夜であること

南房総から東京までの客を乗せた原田さん。運が良いどころか、最悪の凶運だったようですねえ。

Mホテルに現れた母子…。地縛霊なんでしょうね、きっと…。

ツーリング(2009)

気の合う仲間とのツーリング、けっこうじゃないですか、楽しいですよね。
でもね絶対に立ち寄っちゃいけないところって必ずあるんですよ。
不思議と引き込まれてしまうんですかねぇ…。

公式ホームページから引用

元不良と格闘家の友人同士が、共通の趣味であるツーリングに出かけたんです。

あてもなく山道を走っていると、ぽつりと雨が降り出してきた。

雨宿りできるところを探しながら走っていたんですがね、木々の向こうに大きなホテルのような建物がみえてきた。

どうやら廃屋らしいんで、バイクを止めてロビーまで入っていって雨宿りをすることにしたんですよ。なにせ怖いもの知らずの2人ですから、ロビーではなくてもっと休める部屋を探して奥の方に入っていった。で、ましな畳部屋をみつけたんで、腰を落として雨が止むのを待っていたんです。

次第に用を足したくなった一方がトイレを探しに部屋を出たんですが、トイレで“先住者”に遭遇してしまい…。

一言コメント(ネタバレ注意)

その廃屋、近所の定食屋のおやじによるとかつては医療老人ホームだったようですが、どうやら経営者が夜逃げしてしまってたくさんの方が亡くなっていたようですね。

このお話はあまり奇をてらったところがないシンプルなお話ですが、その分、本アルバムの中で際立っているような印象を受けます。

スタンダードな怪談だからこそ活きる、座長の語り口というんですかね。

たまにはこういう怪談も良いもんですね。

私の夢はバイクでツーリングすることなんですよ…。

郵送物(2010)

見ず知らずの他人の郵送物…。
頼まれてもあずからない方がいいですよ。
あなたにとって、まずいい事はありませんからね…。

公式ホームページから引用

奈良の市内に住む有賀さん。引越ししたてのアパートに、突然まったく面識のない若い女がやってきた。

聞くと「手違いがあって郵送物がこの部屋に届くので預かっていてほしい」という。その女、最初に名前を名乗ったんですが聞きそびれちゃった。荷物に名前も書いてあるだろうし、また取りに来るというからというので、名前のことはあまり気にしていなかった。

数日後、厚みがある重い封筒が届いたんですが、1週間経っても女は取りに来ないんですよ。封筒は外国から発送されていて、どうも本人がこの部屋、つまり有賀さんが住む部屋に送ったようなんですがね。

もしかしたら、有賀さんが住む以前の住人なのかもしれない。そう思って封筒を持って大家に事情を話したところ、封筒の差出人は確かに前の住人だという。

女が訪ねてきたことを話すと、次第に大家の表情が青ざめてきて…。

一言コメント(ネタバレ注意)

この話は非常にミステリアスでとてもおもしろいですね。

大家によると、前の住人は宗教にでもハマったのか、インドに行ったっきり行方不明なんだそうで。どうやら何かの事件に巻き込まれたか、殺されたんじゃないかっていうんです…。

殺された女の幽霊が郵送物を取りに来る…有賀さんにとってはたまったもんじゃない(笑)

で、警察同伴で中身を確認したところ、その郵送物の中には灰色の粉が入っていたそうです。

麻薬か?と思って調べたところ、人を焼いた骨だったという…。

あまり稲川怪談ぽくないんですが、かなり不気味さがある怪談でオススメです。話の概要は十分わかるんですが、なぜ殺されて・なぜ焼かれて・誰が郵送したのか…。

あまり釈然としないですし、なかなか整理がつかないんですが、女は自分が焼かれた後、自分で郵送物を自宅に送ったんでしょうか。で、受け取り拒否されたらまずいんで、現住人に受け取ってもらうように、幽霊となって頼みに来たのかもしれません。

女の骨は無事に警察に渡され、安心して荼毘に伏された…。こういうことでしょうなんでしょうかね。

LOVE LETTER FROM INDIA.

長い死体 (1994)

もう随分と以前に東京の杉並でお店をやってた時期がありましてね…。
まぁ色んなお客さまがいらっしゃいました。
お坊さんなのにロン毛のサーファーという、一風変わった方から聞かせて
頂いたお話なんですがね…。
このお話、私もとても気に入ってるんですよ…。

公式ホームページから引用

座長のお店にやってきたお坊さん。彼は坊さんでサーファーと珍しい(?)方なんですが。

久しぶりに学生時代の友人数人でサーフィンをしに海へ出かけたんだそうですよ。朝早くから車で向かって、海に着くと手配してあった宿へチェックインするにはまだ時間があるから、さっそく海へ繰り出して波乗りですよ。

久しぶりのサーフィン。最高に気持ちがいい。

で、ひと遊びして浜に上がってくると、友人が1人いない。まあどっかでしけこんでるんだろうってことであんまり気に留めなかったんです。

で、夕方になってもその彼が見つからない。ナンパでもしてるんじゃないか?なんていいながら、結局、宿に行っても彼は戻ってこなかった。

…で、一行が眠りについたころなんですがね。

宿の仲居が部屋にやってきて「警察が来ている」っていうんですよ…。

一言コメント(ネタバレ注意)

皆さんご存じ「長い死体」(別名:海に潜む者)。

もはや有名すぎて語る必要もなし!かもしれませんね。

坊さんでサーファーというキラーフレーズ、死を暗示するかのようになぜか水もカレーも来なかった彼(市の暗示にしては軽々しい笑)、そしてタイトルを回収する意外なオチまで、稲川怪談を代表するにふさわしい怪談といえるでしょう。

稲川怪談はメディアによってタイトルがコロコロ変わるのが奥深い(もとい収集しにくい)ところですが、この怪談はあるメディアによっては「二つの死体」というタイトルになっていて、「オチゆーてもーてるやん!」と突っ込まざるをえなかったです(笑)

坊さんに話を聞く舞台になった座長のお店は「ナオ・バーズバー」でしょうね。一度行ってみたかったなあ。

「おい、この死体長くねえか?」
稲川淳二メモリアル「遺言」

公式YouTubeチャンネルにもアップされています!

ブラインド (2011)

ブラインドって、なんか雰囲気がありますよね…。
家賃が安くてリフォームのいきとどいた広い部屋。
あなたの部屋は…、大丈夫ですよね…?

公式ホームページから引用

岡山県で会社勤めの綾子さんが住むアパートなんですが、建物は古いんですけど内装はリフォームされていて、しかも家賃が安いもんですから気に入っていたんですがね。

気になるところといえば、向かい合ったアパートの1階の部屋なんですが、ブラインドがずっと下がったままになっていることぐらい。

お互い部屋の中が見えてしまうように向かい合っているんで、ブライドが下がっているんでしょうけどね。なんだかこっちが覗いているみたいで、あまりいい気はしなかったんだな。

そんなある日なんですがね、会社の同僚から、綾子さんが住む地区で起きたというある話を聞いた。

「精神を病んだ女性が薬と酒の多量摂取で亡くなった部屋があって、そこには怨念が住み着いているらしい」

綾子さんは、あのブラインドが下がったままになっている部屋なんじゃないか…。

だから自分の部屋は家賃が安いんじゃないかと思い始めて…。

一言コメント(ネタバレ注意)

「ブラインド」というタイトルと中盤までの展開がミスリードを誘い、とても面白いお話ですね。

ブラインドが下がったままになっている部屋…とても不気味じゃありませんか…?

この怪談は公式YouTubeチャンネルにアップされていますので、ここでは詳しくことを書くのは控えましょう…。

ご存じない方は、ぜひYouTubeチャンネルをチェックしてみてください…。

稲川淳二メモリアル「遺言」

公式YouTubeチャンネルで「ブラインド」の真相を聞いてみてください!

さいごに

いかがだったでしょうか?

ミステリーナイトツアーシリーズのスタジオ収録盤Selectin14!

今までシリーズCDを紹介してきましたけど、私が1枚オススメするとしたら本作ですね!

もちろん、好みはあると思いますけど、稲川怪談のさまざまな魅力が発見できる怪談ばかりが詰まっている作品だと思います!

ミステリーナイトツアーシリーズの紹介はまだまだ続きます。また、お付き合いくださいね。

それじゃあまた。次の怪異でお会いしましょう。

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