こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。
金曜日は闘いのワンダーランド!
毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。
新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!
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5月12日は何の日?
今回は、2022年5月12日に後楽園ホールで行われたこの試合をテーマに考えてみることにしましょう!
正しくいうと新日本プロレスの試合ではないのですが、新日本プロレスワールドのアーカイブに存在してましたので、今回は番外編ということでご容赦ください。
というわけで、今回は藤波辰爾50周年興行の第2試合を取り上げます。
「LEONA対TAMURA」…
知らない人はどこの誰だか全くわからない両選手かもしれませんね。私はTAMURA選手は全く存じ上げませんでしたが、今日また一人のレスラーを覚えました!
LEONAの何がダメなのか
LEONAはダメである。そう決めつけてはいけません。
だけれども、みんなが口を揃えて言いますよね。対戦相手も、先輩も、元レスラーも…。
本当にLEONAはダメなのか?
だとしたら何がダメなのかを、今回の試合を通して分析していこうと思います!
LEONA入場!
15分1本勝負のシングルマッチ、先に入場したのは対戦相手のTAMURA選手はプロレスリングHEAT-UP所属でキャリア20年を誇る大ベテラン。インディー然としたビジュアル(失礼ながら身長が高くなく頭がデカくて肩幅が狭い)で、何がいいたいかというと特別感がなくフツーの兄ちゃんという感じ。
続いてLEONAが入場。赤いパーカーをかぶっていて髪は長髪。オルタナ系ロックバンドのベーシストのような風貌。独特の雰囲気があって悪くないね。
…ん?ちょっと待てよ。キャリア10年足らずのLEONAが、なんで先輩のTAMURAの後に入場してくるんだよ。
それから、なんで激励の花束なんか受け取ってんだ…。きみ何年目や、何様や。と言いたくなる…。
挙句の果てには、リングアナ「LEONA選手のテーマ曲が新テーマとなりました」…
知らんがな!
それだけでも、たいがい知らんがな!なのに、アナは続けて「作曲者の2名と記念撮影を行います!」とのたまうのです…。
変わる前のテーマ曲なんか、いったいどれだけの人が知っているんだろう。そして、キャリアが短い選手のテーマ曲が変わっただけで、なんでわざわざ作曲者が登壇するんだろう。
LEONAのダメなところ1つめは、戦う前に既に散見される「過保護&寵愛を受けているだけなのに、そこはかとなく漂わせる大物感」でしょうかね。
要は藤波辰爾の息子というだけで、超特別扱いされているという。そんでもって、肝心の試合もショッパイ。
いや、ショッパイかどうかはみてから判断しましょう。いよいよゴングです!
試合展開
所作やビジュアル
選手コールを受けるLEONAのしぐさもいちいち鼻に付きます。深々と頭を下げたなあ…と思ったら髪をかき上げただけでした!というフェイントも交えてきます(笑)
表情だけはいっちょ前なんですが、体ができてないなあ…。厚みはあるんですけどブヨっているだけで、頻繁にショートタイツを手でもってピチっと上げるてるし、だらしがないワガママボディといった感じ。デブではないんだけど、手足も細くて。今なお現役の藤波パパの方がスゲエ体してますよ!
ゲスト解説の藤波曰く、LEONAはリング設営もやってるようでコンディションが心配とのこと。そんなこというけど、おそらく対戦相手のTAMURAも兼業レスラーだと思いますが、しっかり体作ってますよ。リングに上がる以上は言い訳はできませんし、ましてやLEONAはどインディーレスラーじゃなくて飛龍二世なんだから!
藤波は山本小鉄のようなボディを目指せと指導しているようで、解説のミラノさんはコメントしにくそうに反応しています(笑)
というところで、LEONAのダメなところ2つめは説得力のない体型ですね。
序盤のレスリング展開
試合内容自体は、結構クラシカルな展開。
手足の取り合いやグラウンドの展開など、いわゆるランカシャースタイルというやつでしょうか。流れるようなチェーンレスリングが続きますので、けっこうレスラーの動きが出来ていますね。一方、うがった見方をすれば、対戦相手のTAMURA選手は”手が合う”選手なのかもしれません。これが初対戦の選手だったり他団体の選手だった場合はどうか。
たた、両者が互いにペースを奪い合う様はなかなか見ごたえがありますね。特に、試合の流れを変えたLEONAのダブルアームスープレックスは綺麗に決まって素晴らしいフォームでした。
テンポが途切れる
そこから試合が動きますが、TAMURAをロープに振ってのエルボー連発からドロップキックが炸裂。ちょっと打点が低いが鋭く突き刺さった。LEONAのペースが出来てきた!
ミラノさんの「ギアを変えてきたか?」という解説が入るも、次が続かない。
おそらくスタミナが続かないんだろう。そのため試合のテンポが悪い。
せっかく膠着状態からダブルアームスープレックスで流れを掴んだのに、次が続かないしラッシュにいけない。観客のフラストレーションが溜まります。
一進一退の攻防
ここでLEONAは監獄固めのような体制でTAMURAの足を極めていく。たぶん休憩してる(笑)駄目だよまだ10分そこそこで攻め時なのに休憩しては。
耐えるTAMURAにみえますが、これはTAMURAが完全にLEONAのペースに合わせていますね。TAMURAの方が何枚も上手で、LEONAのペースに付き合ってあげているという感じ。
起き上がったTAMURAは切り返しのトペコンヒーロから攻守逆転します。この辺のスイッチングが流石ベテランといったところ。TAMURAが攻め込む際に、足を取られたLEONAのドラゴンスクリューが炸裂!
そして、足四の字固めがリング中央でガッチリ決まった!
だけど、なぜだか仕掛けているLEONAの方がしんどそうだ(笑)肩で息をし始めてるからスタミナ切れでしょう!
残り試合時間1分のアナウンス。TAMURAのラ・ミスティカが決まり、腕ひしぎに取られるLEONA。ロープへ逃げつつも、最後まで勝利への執念を燃やし、逆さ抑え込みや首固めなどクイック技で両者カウントを取りに行きますが…試合は時間切れ引き分けで終了しました。
うーん、15分動き回るスタミナがないことも、ダメなところ3つめでしょうね。
ダメなところ
というわけで、試合をみていって3つのダメポイントを挙げました。
①親の七光りに頼っているしカッコつけすぎ
→今のキャリアでは、すまさずもっと遮二無二やるべきでは
②だらしないボディ
→銭を取れるレスラーの体づくりをすべき
③リズム&テンポが悪い試合展開
→息を切らさず動き回れるスタミナをつけるべき
それから、圧倒的に足りてないのは「試合数」だと思いますね。
実践の経験が足らなすぎると思います。どこも使ってくれないのかもしれないけど、藤波関連の興行だけでは試合数が少なすぎますよね。キャリア10年といいますが、総試合数なんか50試合もこなしてないんじゃないですか。
飛龍二世というギミックを存分に活用してオヤジの技はバンバン使えばよいと思うんですよ。それはせっかく持ったルーツなんですからどうどうと使えばいい。だけど、オヤジの威光を使っちゃあおしまいだと思うんです。
藤波家のプライドを捨てて、インディーの試合からジャンジャンこなすべきではないでしょうかね。
また、LEONAはなぜプロレスをしているのか、というアンサーが試合から伝わってこなかったなあ。対戦相手のTAMURAは、勝手な想像ですけど「プロレスが好きだから」「プロレスで観客を盛り上げたいから」プロレスをやっているのかな?っていう風に感じさせられましたよね。
プロレスをやっている理由はいろいろあっていいんです。「俺が一番強い」でも「試合をぶっ壊してやる」でも。だけど、「やれといわれたから」とか「金のため」だとしたら、そんなレスラーには観客は付いてこないし、見透かされてしまうと思います。
LEONAはなんでプロレスラーになったんだろうか。
そこが見えてくる試合ができれば、観客をもっと惹きつけることができるんじゃないでしょうか。
良いところもある
辛口コメントが続きましたが、良いところもあります。
なんといっても、今の風貌はかなり雰囲気がありますし、じっくり試合を組み立てていく独特のペースは昨今のハイスパートプロレスに逆行するようでかなり新鮮です。派手めな技を使わない試合スタイルも決して嫌いじゃない!
そして、序盤に見せるレスリングテクニックも確かな技術を感じさせました。この流れからしっかり中盤から勝ちパターンを作っていくためのスタミナ、それから要所要所で追い込んでいく得意技があれば、もっと良くなるのではないでしょうか。
以上、アツコアツオなりのLEONA評をまとめてみました。
試合数や年齢的に、どれだけ伸びしろがあるか未知数ですが、プロレスを続けていく限りは、飛龍の遺伝子を継ぐ者として、もっと活躍してほしいと願っています。
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