こんにちは。ゆでたまご研究所へようこそ。
今回はゆでたまご先生の現存する最古の作品について紹介しましょう。
ゆでたまご先生が『キン肉マン』を連載する前に、漫画賞への応募用として書いていた作品を皆さんはご存じでしょうか?
現時点で私たちゆでマニアが読むことができる最古の作品は、プロレス漫画『ゴングですよ!』です。
『ゴングですよ!』とは
ゆでたまご先生のプロフィールにおいて、かなり昔から触れられていた”第六回赤塚賞佳作”の『ゴングですよ!』。長らく幻の作品となっていましたが、2019年にキン肉マンの特集本『キン肉マンジャンプVol.3』にてついに復刻しました!
本誌の目玉は、テリーマン初登場の回を40年ぶりのリメイク掲載!!でも甲本ヒロトやナイツ塙の対談ではな~いっ!なぜ表紙に『ゴングですよ!』が書いてないんじゃ~っ!
というキン肉スグルの声が聞こえてきそうです。まあ、よっぽどのゆでマニアでなければ関心がないかもしれませんが…『ゴングですよ!』の掲載は歴史的な出来事ですよ~!(ターザン山本!ぽく)
これで残すところ幻のゆで作品は『ラーメン屋のトンやん』と『マンモス』の2作になりました。(『マンモス』は本作と同じく集英社への投稿ですから、今後何らかのかたちで復刻するかもしれませんね)
少し話が逸れましたが、改めて『ゴングですよ!』を紹介しましょう!
『ゴングですよ!』の内容
タイトルから連想される通り、プロレスものです。しかも馬場・猪木をモチーフにしたパロディコメディです。その名もジャイアント運古・アントニオ強気!運古とはまたストレートな名前です。
猪木、いや強気にフォールを取られているのはドリーファンクJr風ですね。(猪木の初期のライバル)
現役バリバリのチャンピオンである強気と、全盛期を過ぎた過去のチャンピオンである運古。強気の挑戦者指名を受けて、運古が”100円返してもらっていない!”ことから奮起し、因縁(?)の対決が実現することなります。
全編にわたりギャグ満載。そして猪木の若さや勢いではなく、馬場の哀愁や悲哀にフォーカスしたストーリー。高校生であったゆでたまご先生の着眼点が独特でおもしろい。や、パロディではあるんですけどね。運古なんかハエはたかるわ糞はたれるわ、自分の胸板を洗濯板にしてますからね(笑)
また、面白いことに、すでに『キン肉マン』におけるキン肉マンとミート君の構図が出来上がっている。すでにダメレスラーになっていると運古とトレーナーの少年。この関係性って、初期『キン肉マン』の構成と同じじゃあないでしょうか。
ゆでたまご先生はこの付き人設定が得意ですよね。ラーメンマン+シューマイ、カオ+サトリボーイ、などなど。デビュー前の読み切り作品で、この付き人システムを開発しているとは。
とにかく笑いにこだわった作品
とにかく、これはギャグ漫画なんだと。どのページにも小ボケが満載。そしてさすが大阪出身のゆで先生、オチもしっかりつけています。残念なのは、運古の大逆転勝利につながる流れ。
未読の方もいらっしゃると思いますので詳細は伏せますが、この勝因がギャグに徹していないように感じました。キン肉マンなら、便所にパンツを詰まらせり、屁をこいたりして、徹底的にギャグで逆転勝ちしたりしますからね。
また、本誌にアデランスの中野さんのモデルとなった、ゆでたまご先生の初代編集長である中野和雄さんのインタビューも掲載されていますが、「サービス精神にあふれていて毎ページ笑わせてやろうという姿勢がみえる」と評されています。
まだ書店で見かけることがあると思いますので、ゆでマニアやユデッキーの皆さんはぜひ手に取って下さい!あ、本誌ではその他にもキン肉マン名勝負傑作選も掲載されていますので、それだけでもお買い得ですよ。
これは、女房を質に入れてでも買いにいかなあきまへんで!
コメント