長編時代劇「緑の館」を収録!シリーズ3作目『怖いから聞かないで惨』

稲川淳二の怪談を整理する、怪談!稲川倉庫です。

今回は、『怖いから聞かないで惨』を整理!
(CD発売日:2004年)

かなり怖いジャケットです…。
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『怖いから聞かないで惨』

随分ぶりに登場の『怖いから聞かないで』シリーズ。どうやら3作目だから”惨”らしいです。

前作・全前作とはまったく語り口調が違いますね。現在に近い口調、ミステリーナイトツアーの口調で、稲川疾走アドレナリンは抑え目ですが、円熟の域と言いますか、名人芸の域に入ってきていると思います

収録話は少ないですが、短い話から長い話まで、様々な心霊現象が収録されています。特に本作の目玉は30分越えの長編「緑の館」でしょう。

優しい怪談から恐ろしい惨劇まで、どうかリラックスしながら稲川怪談に耳を傾けてみて下さい。

『怖いから聞かないで』シリーズ同様、本作もAmazon Prime ミュージックでも聴けます。(2022年4月7日現在)

収録話は以下の通り。

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見つけて下さい

”見つけて下さいモノ”はいくつかありますが、これは男二人で車でキャンプに行った時のお話。

夜中、車中で休んでいると血まみれの男が訪ねてきて、谷底にある事故った車から這い上がってきたという。車中にまだ人が取り残されていると助けを求めてきたが…。

ここまででおおよその話は想像できると思いますが、予想外のオチがついています。

紫色のワンピース

切なくも悲しい、そして愛にあふれたお話しです

私はこれ、心霊現象ではなくて、主人公が聞いた空耳だったと思うんです。だけど、きっと彼女も彼のことを、応援しているんじゃないかな。そんな気持ちが、彼にそう聞こえさせたのかもしれない。

大好きな話なんですけど、聴くと胸が締め付けられます。そして、このCDを何度か通して聴いていて、ハッと思ったんですが、この話と「緑の館」は対になっているんじゃないでしょうか。(詳細は「緑の館」にて)

水路の怨霊

「おい、誰でえ」「……俺だい」稲川の茨城訛り満載。ツチダマサオが体験した恐怖話。

親類

カップラーメンを食べるときに最適。3分弱のお話し。

身寄りのないはずの老婆に夜な夜な病室に集まる親類とは…。

緑の館

座長のお話しの中で、”時代物”と(私が勝手に)呼んでいるジャンルがありますが、本作は昭和初期に高名な学者先生が、加藤と名乗る人物から聞いた話。それを淳二学生が先輩から聞いたそうです。

凄まじいばかりの嫉妬と独占欲を持ったまま死んでいった女房が、後妻を娶った旦那に怨霊となって襲い掛かる。

日本昔話風というか、昭和の怪談映画(大映や大蔵、新東宝あたり)というか。稲川怪談には珍しく、血塗られた惨劇が繰り広げられます。

先の「紫色のワンピース」は、死してなお愛する人の後世を応援する女性が登場し、「緑の館」は恐ろしいまでに束縛する女性が怨霊となって登場しますので、強烈な対比になっていますね。

ところで、なぜ”緑の館”なのか。私は今も分かっていません…。

それじゃあまた。次の怪異でお会いしましょう。

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