稲川淳二のテレビゲームデビュー作PCエンジンソフト『百物語~ほんとにあった怖い話~』

稲川淳二の怪談を整理する、怪談!稲川倉庫です。

稲川怪談がついにゲームになりました
といっても27年前のお話し。ハドソンのゲーム機PCエンジンの後継機であるスーパーCD-ROM2のソフトとして発売された、稲川淳二初のゲームデビュー作品『百物語~ほんとにあった怖い話~』を整理しましょう!
(ゲームメーカー及び発売日:ハドソン、1995年)

若い方には馴染みがないかと思いますが、「買わなきゃハドソン♪」のキャッチコピーで有名なハドソンが発売したゲームソフトです。

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『百物語~ほんとにあった怖い話』

ゲームの目的はタイトルにあるように、怖い話を百話聞く(読む)こと。夜に集まって怖い話を百編語ると怪異現象が起きる、と言われている古い風習の百物語をゲームで体験することになります。

さあ、百物語が終わった後、あなたは正常でいられるだろうか?

稲川怪談がPCエンジンで聴ける

本作は怪談テキストを読むか、稲川淳二の怪談を聞くか、主に2パターンになります。
ゲームとはいうもののゲーム性はなく、一方通行にコンテンツを進めていくことになりますね。

怪しげなBGMや適切なSE、それから稲川淳二を中心としたゲーム画像もなかなか雰囲気が出ています。実際に夜中このゲームをやっていたら、ゾクーっと来そうになります。

私は怪談マニアというよりはイナジュンマニアなので、怪談テキストは無視して、稲川怪談に絞って紹介させて頂きます。

本作の収録話は以下の通り。

第5スタジオにて

東京のテレビ局。美術スタッフが夜中の番組後にスタジオを掃除していると、うめき声が聞こえてきた。また誰かがイタズラしてるな、と思って無視していたのですが、舞台の足場から妙な音が…。ほうきをもってサササと急いで近寄ると「ニョ!」と白い手が飛び出てきた、というお話。

全部言っちゃいましたが、他の媒体ではあまり聞かないお話しですね。

谷川に残る橋桁

フォークソング歌手のS・Kさんと故郷へ取材に同行した淳二。谷あいに橋桁だけが残っている川があったので、S・Kさんを脅かしてやろうと、見えもしないのに「子供がいる」と嘘をついてからかっていると、S・Kさんがあそこに子供がいると言い出した。うそだぁと思って見てみると、デンデンダイコ模様の着物を着た子供が川で遊んでいた。そんな話をしていると、地元に詳しいスタッフが真っ青になっていた。聞くと、その子に似た子供が、以前溺れてしまい、そこは水死体が上がった場所だった。

淳二は”怖がりな人を嘘をついて霊がいるといってからかう”話がいくつかありますね。しかもそれが本当のことになるという。(迷惑なこっちゃです)

迫りくる白刃

茨城県の工房で、知り合いのおっさんが体験した話を聞いた淳二。日光だいや川の立ち入り禁止区域で釣りをしていたところ、対岸で釣りをしている友人が、竿を振りまわしていて、手はブルブル震えていた。おかしいなと思ってよく見ると、それは友人ではなく、刀を持った鎧武者だった。友人の方に向かっていく鎧武者。「危ねえぞー!」と呼びかけると、友人が鎧武者に気づいて逃げ出した。太刀を振りかざす鎧武者、「やられる!」と思ったその刹那、鎧武者は消えた…。

嬉々としてスタッフに語る稲川淳二氏。

この話も珍しい。効果音も相まって、かなり怖いですぜコレ。

土中で叫ぶ人

素人ながらキャンプに出掛けた二人。夜中寝ていると友人がいない。トイレでもしてるのかと思って探しに行くと、一人もくもくと穴を掘っていた。「お前何やってるんだ!」と声を掛けたら、まるで意識がない。この人に穴を掘れと言われた、と妙なことを口走る。友人を連れてテントに戻ったが、翌日の夜、また夜中に友人がいなくなった。同じ場所を見に行ってみると…。

ザックザックザック…。スコップで掘っていきました。

これも珍しい話。他では聞いたことがないですね。だけど怪談として不思議でおもしろいです。突っ込みだしたらキリがないんだけど、単純にお話として不気味ですねえ。

この状態で「出してくれよ」と言ったそうです。

死を呼ぶ子供

淳二の友人が体験したお話。夜中の病室に現れる子供。鞠を突きながら入院患者をのぞき込む。翌日死ぬ患者、毎夜現れる子供がついにこちらに近づいてきた…。「淳ちゃん、あれ死神だぜ」って言ってましたよねえ。

ありがちな話。(もっと他に感想ないんかい)

揺れるブランコ

大阪のテレビドラマ、廃校の校舎、アーマゲー仕様。クイズ稲川淳二に出てくる早押しクイズですね。廃校でのドラマ撮影で起きた不思議なお話しです。シャコタンのアーマゲー車の腹が擦っている音かと思ったら、誰もいないブランコが揺れている音だった…。

私の中で、稲川怪談でしか聞かない単語がいくつかあるのですが、本作に登場する”アーマゲー仕様”というのはまさにそれです。調べたところ、ドイツ車ベンツの特別車のことのようです。

生首とハト

別名「先輩のハト」ですね。中山市郎氏の実体験。権利関係で封印されたお話。この話、怖いし不気味だしリアリティあるから、誰か引き継がないかなあ。鳩が鳴いているのを聞くと、この話を思い出しちゃいます。「寝ないで怪談話」版の語りが至高です

掴んだ顔

別名「脂ぎった顔」ですね。先の「生首とハト」と同系統のお話。淳二の佐々木元マネージャーの弟が体験した話。「ハト」と似ているしこちらの方がディテールが弱い。金縛り中に脳が見た夢なんじゃないですか?(酷評スミマセン)

ふたつの死体

別名「長い死体」「サーファーの死」「海に潜む者」。
っていうか、ふたつの死体ってタイトルは完全にネタバレやんけ。これはまずくないですかね…。そういう意味では、「長い死体」ってタイトルはなかなか秀逸。

この再現イメージ、なんだか怖いですね…。

坊さんでサーファー、全員カレー、水も来なけりゃカレーも来ない。稲川怪談検定があったなら初級問題ですね。

樹海にて

稲川淳二実体験の大定番。系列局アナ28人がクイズを出す特番で、淳二班は富士の樹海に行くことに…。『ホントに怖いから聞かないで』版と比べるとかなりショートバージョンです。

撮影したポラロイド(イメージ写真と思います)。
さいごに

本作以外にも稲川淳二のゲームソフトがいくつかありますので、引き続きどんどん紹介していきますね。なかなか遊ぶ機会はないと思いますが、ゲーム怪談も整理していきますので、引き続き遊びに来てくださいね。

それじゃあまた。次の怪異でお会いしましょう

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