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本日の一冊はコチラ。
『禁談 究極の因縁対談三本勝負』



前田×佐々木の信頼絶大
以前紹介した『週刊プレイボーイのプロレス』のインタビュアー佐々木徹氏の著書で、なかなか読みごたえがあったので本書こちらも購入。
『週刊プレイボーイとプロレス』同様に過去の週刊プレイボーイ誌上のインタビューをまとめたもので、前田引退を記念に週刊誌の特大号用の記事として企画されたビッグ対談集。
佐々木氏は前田と真正面から向き合い、プロレスマスコミ的な煽りや扇動もなければセンセーショナルな見出しを付けることもないし、それでいて前田の真摯な姿勢(Uインターとの舌戦への謝罪など)にある種の尊敬を抱いている様子がある。
前田にもそのことは伝わっていたようで、「佐々木さんは、俺の発言をうまく書いてくれるから助かっていますよ。本当に感謝しているんです。」と言えば、対談相手の天龍には「この人は信頼できますから、安心して何を言っても問題ないですよ」と全幅の信頼を寄せていることが分かる。
相思相愛とはちょっと違うが、お互いの信頼関係が醸成されたうえでの本書。
とはいえ佐々木氏が前田に挑む(取材を申し込んだり当日対談場所にエスコートしたり)ドギマギ感あるストーリーも緊迫感があるし、単なる対談再掲になっておらず読み物として今でも十分に面白い。
レスラー対談の先駆け?
2026年のプロレスメディアは選手のYouTubeチャンネルが席巻しており、かつて険悪な仲だった選手たちがお互いの番組とコラボし裏話などに花を咲かせている。
また、2000年代はサムライTVで『バーサス』というプロレスラー同士の対談番組もあった。大昔はテレ朝の新日、日テレの全日、UWFやFMWなどが同じメディアに登場することはなかったが、時代とともにプロレスラー同士の交流は変化し続けている。
本書発売この頃はまだまだそうした交流は少なかったと思うが、それぞれの対談はVS天龍、VS長州、VS猪木。
前田引退直前、長州も猪木もまだ現役の頃ということになる(もちろん天龍も)。
VS俺たちの時代
前田と天龍は直接的な関係性はないが異例の組み合わせであり、ビッグレスラー対談としてはかなりプレミア感がある。前田は天龍革命出現に危機感を覚えていたし、互いにリスペクトした対談内容にはなったが、その点に終始していてあまり“禁談”感はない。
一方、長州とはやはり「顔面襲撃事件」の因縁があり、対談はどう転ぶか…とハラハラさせるが終始和やかで現在のYouTuber長州のイメージそのままな印象。90年代後半はおそらく「恐ろしい現場監督」のイメージが強かったと思うので、当時の読者は非常に驚かれたことと思う。きっと素の吉田さんはこうしたキャラクターなんだろう。
前田から「顔面襲撃事件」に触れて告白したところ、長州はどうやら初めてカタい蹴りを放った理由を知ったようだった。そこで長州はこういった。
「ただな、アキラ。あの事件の後、お前は新日本プロレスから追放されたけど、当時の俺はな、なんとかしてアキラを助けたかった。救いたかったんだよ。今さらそんなことを言っても仕方ないが、本当にそう思っていたんだ。嘘じゃない。本当に、だ。」
恩讐を超えて…とはまさにこのことだろう。今更ながらジーンとさせられる一幕であり、ショーだフェイクだと揶揄されるがやっぱりプロレスは素晴らしい。
さらに「プロレスに必要な殺伐さ」でお互い意見を交わし、否定的に語られることが多い90年代新日本のアメプロへのシフトの最中でも、長州がそうした「闘い」の重要性を認識していたことがよく分かる。
長州-馳ラインが新日本をダメにした(脱シュート的な意味で)と揶揄されることが多いが、長州はやはり猪木的プロレスを継承し新日本の思想本流に据えようとしていたことがうかがえる。
やっぱり最高な猪木
「イヤだったからさ、前田と闘うのが。だから、ウフフフ…逃げた。」
猪木からこの一言を引き出せただけで、この対談は成功だろう。
いや、別に「やっぱり猪木は前田から逃げていた!」と証拠を押さえたいわけではない。実際に逃げていたのか、はたまた煙に巻いたのかはもはや重要ではなく、猪木にそう言わしめたのは袂を分かった後の前田の苦労や実績、そして評価があるからだろう。
猪木は前田を認めたのである。だから、「逃げた」とあっけらかんと白状するのだ。
猪木との対談は前田×猪木の多くのエピソードが登場する。猪木がUWFに合流しなかったことや、前田が新日本を追放された話題にも言及しているが、はぐらかしと人たらしの最高な猪木発言も多い。裏切った面々が再び猪木の元に結集するのも頷ける、猪木の純粋さも垣間見える。
多く流通している本ではないが、比較的安価で手に入るので今からでも読んでみてほしい。決して古さを感じない素晴らしい対談集でオススメである。
内容★★★☆☆
赤裸々★★★☆☆
ケーフェイ★☆☆☆☆
レア度★★☆☆☆
必読度★★★☆☆
一言コメント:
長州と前田が仕掛けた時限爆弾の真実も明かされる!けど今も覚えている人はいないだろうな…。
今回紹介した本や激レア絶版本も、メルカリなら奇跡の出会いが待っているかも?!


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