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真・プロレスラーは観客に何を見せているのか



プロレス唯一の通信教育と言ってもいい、TAJIRI渾身のプロレスティーチングものの続編。単行本「プロレスラーは観客に何を見せているのか」の文庫化と思いきやそうではなくてまったくの新刊なので、ぜひ前作から手に取ってほしい。
プロレス技術論、サイコロジー、観客との向き合い方、プロ意識、成功とビジネスの視点、カネ、幕引きや引退まで、「道場から10カウントゴング」までプロレスのイロハが詰まりまくった一冊。
加えて本作ではSNSや首都圏一極集中にも警鐘を鳴らしているが「どうしてもTAJIRIが言いたかった章」という感じがして、巡業というプロレスの旅一座としての一面には触れていないため、やはり前作やほかの著書も捨てがたい。
「プロレス技は進化しているが完全にデフレを起こしている」と著者は指摘しているが、完全に同意である。
「ガス灯のプロレス」まで遡るべきだとは言わないが、命を賭したスーサイドプロレスは不思議なことに、我々観客の興味と興奮を引き換えに、どんどんと観る感動を奪っていく。
きっと多くのレスラーは気づいていると思うが止められない…。そのあたりのジレンマもきっちり抑えて解説しているので、プロレスを目指す若人にもオススメである(対案として中央と地方、九州プロレスの例が示されている)。
そしてネットでよく騒がれる「洗脳疑惑」に関しても真正面から否定し赤裸々に語っている。個人的に、TAJIRIほど世界津々浦々のプロレスを知り尽くし体現したレスラーはいないと思うし、行動を共にする若手レスラーが彼の薫陶を受けたならば自ずとTAJIRI的思考が身に付くはずだ。
たとえそれが要因で独立志向が身に付いたり、プロレス的発想に変わったからといって、そんなものは洗脳にはならず、しいて言えば強力な磁場を持つメンターというべきではないだろうか。まあ、反TAJIRI主義なレスラーが、そうしたティーチングを「洗脳」と言い換えているだけなんだろう、という印象を受けた。
また、「歳相応のプロレスに日々変化し続けている」という名言も飛び出し、キャリアを重ねていくプロレスラーという職業の悲哀も感じさせる。意外とこれが出来ないレスラーが多く、若いころのようなパワーやスピードに頼るのではなく、もっと老獪なテクニックにシフトすればいいのに…といつも感じてしまうが、本書ではそうしたキャリアの終活とも言える幕引きも語っている。
それから、あとがきはプロレス論客のアイドルこと川添愛氏が務めており、筆者よりも参考になるまとめになっているため、まずあとがきを読んでみるだけで、本書の魅力をザックリ知ることができるだろう。
内容★★★★☆
赤裸々★★☆☆☆
ケーフェイ★☆☆☆☆
レア度★☆☆☆☆
必読度★★★☆☆
一言コメント:
これを読んで君もプロレス脳を養おう!

▼前作の紹介はコチラ。

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