こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。
金曜日は闘いのワンダーランド!
毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。
新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!
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10月6日は何の日?
今回は、2020年10月6日に広島サンプラザホールで行われたこの試合をテーマに考えてみることにしましょう!
未曽有の感染拡大に見舞われたコロナ禍初年に開催された、秋のG1クライマックス公式戦です!
ピープルズチャンプの涙
2020年の新型コロナウイルス蔓延によるプロレス興行の中止期間を脱し、ようやっと有観客で開催されることになり、少し遅い真夏の祭典となったその年のG1クライマックス。
本記事執筆時の2023年10月には、すでに日常を取り戻したような毎日になっていますが、思い返せば2020年~2023年初頭はパンデミックの影響でフラフラと方針が定まらない様々な対応がありましたよね。
今回紹介する試合の本懐は、勝者棚橋による試合後のマイクアピールとバックステージコメントでしょう。
試合後のマイクとコメント
19年連続・19回目の出場となった棚橋は、観客からの声援がない中でメインイベントをきっちり締め、拍手だけで精いっぱい応援するファンに感極まってしまう。
棚橋が全身全霊で、まさに人生を賭けて新日本プロレスを立て直してくれた(いや、別次元に連れて行ってくれた)彼の頑張りやキャリアを知れば知るほど、くしゃくしゃに涙した棚橋のことばの意味は重い。
「みなさん、新日本プロレスが、広島に帰ってくることが出来ました」
不完全な状態ではあるけれども、やっとプロレスができる状態にまでなってきた。そして、いつ誰の命がなくなってもおかしくない未知のウィルスが蔓延する世の中において、プロレス会場で再び選手と観客が会うことができた。
普段は語尾が「~帰って来たぜー!」の印象なのですが、この日は噛みしめるように「帰ってきました」と発言し、リングで戦える幸せ(戦いを観客に伝えることができる幸せ)に浸っているように感じましたね。
バックステージコメントを引用させて頂くと、
観客が解放になってほんとうれしい。うれしいけど、やっぱり席数には制限があって。来たくても来れない人いるんだろうなあとか。こういうタイミングで好きだったプロレス離れちゃったら寂しいだろうなあとか、考えて。
けど、俺の気持ちは、誰一人置いていかないから。全員連れてくから。ケガで休んでいる選手、試合数の関係で出れない選手、みんな仲間だから。柴田選手もそう。絶対誰一人置いてかない。全員で、また新しい新日本プロレスを作っていきたい。
そして、絶対俺はこの手でやりたい。やってみせるから。
バックステージコメントから引用
棚橋や所属選手、スタッフなど関係者、そしてファンみんなで作り上げてきた新日本プロレス黄金時代を、コロナウイルスなんかのせいで崩されたくはないわけですよ。
棚橋が中心となって暗黒時代を抜け出し、新たな黄金時代を築き上げてきた新日本プロレスを、再び自らが盛り上げていくという初心表明。ここで特に素晴らしいのは、同僚である他のレスラーも一緒に連れていくって発言している部分。
こんな風に、感情をさらけ出してリング内外で泣いてしまうことができるのが棚橋の強さでもあり、真のピープルズチャンプなんだよなあ…としみじみ見てしまいました。
WWE帰りのKENTA
さて、対戦相手のKENTAですが、契約時にはハルク・ホーガンがわざわざ登場したりと鳴り物入りだったわけですが、外国人に見劣りするサイズや肩のケガにも悩まされたWWEキャリアでしたね。
WWEの1ブランドであるNXTに所属したものの、いわゆる1軍に位置するRAWやSMACKDOWNに所属する機会がないままリリースされてしまい、新日本プロレスに新天地を求めました。
KENTAのアメリカ進出は失敗したようにといわれがちですが、NOAH時代にはカタメでストロングスタイル気味の激しいファイトスタイルでしたから、WWEを経験することでプロレス本国におけるレスラー然とした立ち居振る舞いを手に入れたんだと思いますよ。
ケガの影響や体力の衰えもあってファイトスタイルを変えた、という見方ができるかもしれませんが、WWEを経て”観客を巻き込んだサイコロジープロレス”の術を身に着けたといってもいいのではないでしょうか。
ヒールという立場ではありますけど、BULLET CLUBでの彼の活躍は仕事ができるレスラーとして目を見張るものがありますね。
試合内容
意外と手が合う両者の戦い。
棚橋対KENTAといえば、2022年の1.5におけるノーDQマッチが衝撃出来でしたね。ラダーからのハイフライフロー・オン・ザ・テーブルでKENTAを下したものの、両者ともケガを負ってしまったというまさに死のダイブでした。
本試合は当然通常ルールなのですが、ほとんど大技に頼らないインサイドワーク中心の渋い試合。
権利証ケースでの派手な殴打など反則攻撃も繰り出しましたが、ピークを過ぎた両選手が紡ぐプロレスも、また味がありますね。
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