こんにちは!野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。
すべてのプロレスファンにとって特別な日、それが闘い詣でのイッテンヨン!
毎年恒例の新日本プロレス1月4日東京ドーム大会を久しぶりに生観戦しましたので、振り返っていきたいと思います!
熱戦譜『アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム ~闘魂よ、永遠に~』2023年1月4日(水)東京ドーム(観衆26,085人)
新日本プロレスのイッテンヨン興行や東京ドーム興行は何度となく開催されていますが、イッテンヨン興行がWRESTLE KINGDOMと銘打たれてからは17回目の大会です。
アントニオ猪木さんの逝去により、急遽追悼大会となりました。
本大会の目玉は
・IWGP女子王座戦
・武藤敬司新日本プロレスラストマッチ
・ケニーオメガ久しぶりの参戦
・IWGP世界ヘビー級選手権
だったんじゃないでしょうかね。
試合結果は公式が詳しいのでそちらをどうぞ。
総評
久しぶりに参加したイッテンヨン東京ドーム大会。ここ数年は1月4日が会社の出社日になっていたので控えていたのですが、幸い今年は正月休みになりましたので迷わず観戦することにしました。
アリーナ席を中心によく入っていたと思います!馬鹿でかい外野席もかなり埋まっている印象ですが、まだまだ入る隙間がありますから、コロナ明けとイッテンヨンが土曜日になるタイミングで、超満員の会場を見たいですね!
個人的な注目試合はIWGP女子と武藤敬司新日本プロレスラストマッチ。いくつかの試合に絞って総評したいと思います。
※ドーム内には猪木さんのパネルがありました。
IWGP女子王座戦
初代王者KAIRIに中野たむが挑む一戦。
戦前から元WWEのサーシャ・バンクスが登場するのでは?という噂が飛び交っており、試合後に予想通りサーシャ・バンクス改めメルセデス・モネが登場し、勝者であるKAIRIへ挑戦表明となりました。
試合時間はわずか5分程度。たむのジャーマンやバイオレット・スクリュー・ドライバー、KAIRIのカットラス(裏拳)からのインセインエルボー(ダイビングエルボー)など、急な大技ラッシュとなり超短縮版という感じであっけなく終了。結果を振り返ると、モネ登場の捨て石のような試合になってしまいました。
「たむがかわいそう」という見方はもちろんできるのですが、すべてはスターダムを押し上げるためにIWGP女子の格をあげることと、世界的に名が通ったKAIRIやモネでグローバルな話題を作っていくんだという明確な意思を感じましたね。そういう意味ではKAIRIも捨て石になってしまうのかもしれませんが、とにかくIWGP女子に箔をつけてることを優先しているように感じました。
そう考えると、KAIRIやモネの後にはどんな選手がふさわしいのか…なかなか想像できないですが、今後もファンの想像を越えるブッキングに期待したいですね。
本試合はかなり短期勝負になったため、残念ながらたむが戦前に言っていた”情念の戦い”には持ち込めなかった。ジュリア戦など、ある意味ではたむに闘魂を感じる試合もたくさんあるので、今回はあっけない印象となりましたが、ぜひ別の機会でKAIRIと再戦してほしいなあ。
武藤の新日本プロレスラストマッチ
声出し応援可となった本大会、武藤の入場曲「HOLD OUT2021」にあわせてムトウコールの大合唱!武藤の引退前に、声出し応援が何とか間に合って良かった。
武藤の自軍にはかつての後輩である棚橋と、接点はないが武藤→棚橋→内藤の系譜を継ぎそうなビジュアルとファイトスタイルの海野。
対する相手はロスインゴ勢で、BUSHIは元武藤全日本プロレス出身であり、SANADAは武藤全日本→W-1まで共にした愛弟子ともいえる。逆に内藤は武藤とあまり接点がないように思いますが、天才継承マッチと見た場合、内藤にとっては最後の薫陶を受けるためのマッチメイクかな?と想像していました。
が!武藤と内藤がほとんど絡むことなく試合は終了(海野がBUSHIからピンフォール勝ち)。
なにやっとんじゃい!と思ったのですが、試合後武藤が内藤の横を通り過ぎる際、お互いに視線を交わすだけでしたので、これはもしや再戦?と想像していたところ、バックステージで内藤が再戦を匂わせる発言をしたようです。
武藤の引退試合か、その前に試合が組まれるのか…。依然注目の組み合わせになりそうです。
ケニー・オメガ、久しぶりの参戦
ケニー・オメガが素晴らしい選手であることに異論はないし、ベストバウトマシーンであることも認めるところではあるのですが、新日本離脱→THE ELLETによるAEW創設の流れから、個人的にはちょっと拒絶感があったんですよね。
ただ、周りの観客の話を聞くと、この試合に対する注目度合いがすごく高くて、そこら中で期待する話し声が聞こえてきました。ああ、こういうのがI編集長曰く「平成のデルフィンたち」ってやつなのかな。そんな意味では、私は「あの時AEW設立で出ていったケニーを起用するなんてノレない!」と思ってしまう私は時代遅れなのかも。
以前、AEW参戦中のクリス・ジェリコがインタビューで答えていたと思いますが、新日本が離脱したケニーを起用することやAEWと絡むことに関して、もっと柔軟に考えろと言っていましたね。過去の経緯ではなくて、ビジネスとしておいしいのかどうか、観客が求めているものかどうかをスマートに考えるべきだということでしょうか。
オスプレイとケニーの組み合わせなんだから、スゲエ試合になることは間違いないんですが、ハードコア風タフネスプロレスっていうのは麻薬みたいなもので、刺激が強すぎてもっと欲しくなっちゃうというか。個人的にはあまり称賛できないのですが、とんでもない試合になったことは間違いない。
そして、本試合の私なりのハイライトは間違いなくフィニッシュ間際のこのシーン。
ケニーの盟友である飯伏の必殺技、カミゴェに捉えられたオスプレイ。死を悟り、また覚悟した兵隊のように、唾を吐き捨て「ファッ〇ユー」(妄想込み読唇術)と言った…。その後カミゴェ→片翼の天使でピンフォール負けを喫するのですが、オスプレイにとってはこの結末は受け入れがたいものだったんじゃないか?と。
ケニーやヤングバックスが去った後のナンバーワンガイジンは俺だ!という自負があったんじゃないか。なんで出てったコイツに負けなければならないんだ、という反発とプロとしての葛藤のはざま。それでも、カミゴェと片翼の天使を喰らって、オスプレイは負けた。
この「ファッ〇ユー」の言葉は非常に重いですよ!
(繰り返しますが、妄想込みの読唇術ですのであしからず)
その他印象
メインのIWGP世界戦
オスプレイ対ケニーのスゲエ試合の後、メインを締めるのはオカダ対ジェイホワイトでした。よくよく考えると、メインイベンターや団体の顔っていうのは、自ずと王道的な振る舞いが求められるので辛いですよね。
この試合はオスプレイ対ケニーのハチャメチャな試合の後、ピシっとしめるクラシカルかつ王道な展開でオカダが〆てくれましたが、1日通して印象的だったかというと、どうしても他の試合に霞んでしまいます。
かつて、ジャイアント馬場がアントニオ猪木に向かって「お前は自由でいいよなあ」といった趣旨のコメントをされたようですが、保守本流の王道を突き進むものの辛さっていうのも、きっとあるんだろうと想像します。守る立場のオカダにとっての自由度は非常に低いと思うのですが、それでも高レベルのプロレスをいつも魅せてくれるチャンピオンに改めて敬意を表したいですね。
サプライズなしのニュージャパンランボー
ニュージャパンランボーとは、合計30人の選手が参加し、入場曲がかかるまで誰が登場するか分からない、WWEのロイヤルランブルを模したバトルロイヤル。初期のころは「え!この人が?」というサプライズ選手が結構いたんですよね。ザ・グレート・カブキとか、藤原組長とか。
最近はニュージャパンランボーの勝者に何らかの権利が与えられるので、リタイヤ選手やOB選手の登場などのサプライズ枠がなくなってしまいました。イッテンヨンの密かな楽しみだったんですがね…。
個人的にはランボーの副賞なんかいらないから、お祭り的にいろんな選手が出てきてくれたらうれしいですが、オールドファンのそういう方多いんじゃないでしょうかね。
アツコアツオが選ぶ3賞
どこの誰やねんなワタクシですが、プロレス者すべての人に語る権利があるッ!と思っていますので、私なりの3賞を発表します!
アツコアツオ私的MVP:マスター・ワト
アツコアツオ私的裏MVP:ウィル・オスプレイ
アツコアツオ私的ショッパイ賞:タイガーマスク
MVPはマスター・ワトに贈りたい。IWGP Jr.ヘビーの4WAYマッチに登場、難しい試合形式にもかかわらず、海千山千の他のレスラーに混ざっても遜色ない戦いっぷり。もしかしてベルト奪取できるかも…と思える展開を作ってくれました。早くグランドマスターになって、青いマスクマンになったら良いのになあ。
裏MVPはやられにやられまくったオスプレイ。異次元殺法を繰り出しつつ、ケニーのフルコースで敗れましたが、やられっぷりとコロナ禍の中、新日本プロレスのガイジンを引っ張っていってくれました。USヘビー級のベルトを失いましたが、今はお疲れ様と言いたいです。
そして、モスト・バリアブル・ショッパイ=MVSは、満場一致でタイガーマスクでしょう。勝敗が決まった相手が真壁だったというのもあるんでしょうけど、何を狙って何を失敗してなんで負けたのか、よくわからないまま技を切り返されてピンフォール負けになっちゃった。この試合、本当にこんなフィニッシュの予定だったのか…。グズって終わったアントニオ猪木メモリアルマッチ。「バカヤロー!」
そして、翌日のイッテンゴ
ここ数年、イッテンヨンの翌日にニューイヤーダッシュという名で新たなスタートをきる大会が開催されることが通例になっていますね。今年はイッテンゴ、大田区体育館大会。入場曲がかかるまで誰が登場するかわからないカード編成となりました。これも例年通りかな。
解散した元鈴木軍メンバーよるユニット編成が動き出したり、ジェイ・ホワイトがなぜかヒクレオに喧嘩を売ったり…。そして、もっともサプライズだったのは、お年玉的最強タッグ、オカダとケニーのタッグ結成でしょう。メインイベントのタッグマッチ、コブとヘナーレの対戦相手としてケニーが入場し、パートナーはもしや…飯伏か…なんて想像していたら、予想の斜め上をいくオカダ・カズチカの登場!IWGP世界とIWGPUSの両チャンピオンがそろい踏み!対戦相手がちょっと割を食っちゃいましたね。
ブシロード体制でのイッテンヨン東京ドームは、前年から続くストーリーの最終回に位置付けられています。ニューイヤーダッシュから始まる新日本プロレスの2023年ストーリーを、これからも追いかけ続けるとしましょう!
おまけ:入場特典やフライヤー
入場特典としてレプリカチケットや吉野家&はなまるうどんの割引券をもらいました。その他フライヤー関係も含めてUPしておきます。
大会場に行くと、こうした特典がもらえることがあります。もらった特典(もらえるのは大抵紙類と思います)を折り曲げたくない!という方は、クリップボードなんかを持参した方が良いでしょう。
私はレプリカチケットは折り曲げたくなかったので、たまたま持っていた本に挟んで事なきを得ました(笑)
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