こんにちは!野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。
今回は、会場生観戦したロッシー小川の新団体、マリーゴールド旗揚げ戦をレポートします!
プロレスファン歴25年の私が選ぶMVPとベストバウト、また今後の展望などを語っていこうと思います!
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マリーゴールド旗揚げ戦2024年5月20日(月)後楽園ホール観衆:1539人超満員札止め
ついに迎えたマリーゴールド旗揚げ戦!
販売開始後すぐに完売したプレミアチケットを何とか購入することができました。
当ブログで「旗揚げ戦は絶対駆け付けるべき」と煽っておいて、発売日に買うことができず焦りましたが、無事に公式販売ルートで入手。この規模ではもうないであろう、プロレス団体の旗揚げ戦に期待は膨らむばかりでした。
当初は引き抜き疑惑などあり、ややネガティブな成り立ちだったマリーゴールドですが、旗揚げ戦は水道橋から後楽園ホールへ続く凄まじい人の流れ(もっともほとんどは東京ドームのレッチリ目当てだったわけですが)、そして会場を包む圧倒的な熱気に、プロレスファンとして誇らしいものがありましたね。
練習生4人の紹介から始まり、New Orderの楽曲『Blue Monday』が掛かり、あいみょんの『マリーゴールド』とは程遠いさながらクラブハウスのような雰囲気。
10分前からカウントダウンが開始し、観客の期待を煽ってくれました!
試合開始前というのに、とにかく席が埋まっている圧巻の景色!
旗揚げ戦らしい入場セレモニー
旗揚げ戦らしく、所属全選手が南側後方から1人ずつ入場するセレモニーで大会はスタート!
ジュリアを中心に据えて、元スターダムと元アクトレスの混合軍による所属選手が整列。それぞれの出自が違うファンたちの大声援が飛び、会場の盛り上がりは最高潮を迎えました。
正直、プロレスを観戦していてこれほどの熱気を肌で感じたことは今までにはなくて。旗揚げ戦+後楽園ホール+ロッシー小川の相乗効果で最高の盛り上がりを作り出していたんだろうと感じました。
ただ、その相乗効果では、やはり“旗揚げ戦だから”という要素は大きいと思います。
意地悪な言い方をすれば、入場セレモニーに登場した彼女らに、異様な興奮状態に包まれた会場から「これはイケるかも!?」という勘違いをさせるには十分な盛り上がりだったということ。
そして、我々観客も旗揚げ戦というまたとない機会に「自分たち自身が盛り上がらないと損だ!」という一種の自己トランス状態になっているような雰囲気を感じました。
わざとテンションを上げているというわけではないのですが、観客自身が普段よりも「かかっている」状態とでも言いましょうか。旗揚げ興行にはそんな不思議な魔力があるんだなあと感じましたね。
そして、やはり場所が日本中からマニアが集う聖地・後楽園ホールですからね。旗揚げ戦かつ後楽園ホールなんだから、悪く言ってしまえば「盛り上がって当たり前」なんです。
確かに超満員に膨れ上がった会場と熱気から、レスラー達が手ごたえを掴むのは当然のことですが、プロレスは旗揚げ戦で終わるわけではありませんから、ここからいかに環状線の外へ熱気を届けて観客動員に繋げていけるか。
旗揚げ戦にご祝儀的に集まった観客を次回以降の集客に繋げ、どれだけ持続可能な興行を打っていけるかいけるかが、プロレス団体の課題なわけです。
このままスタートダッシュを続けられるか注目していきたいですね。
MVPはボジラでしょう!
旗揚げ興行のMVPは…文句なしでボジラ選手でしょう!
会場観戦した方がMVPを挙げるとしたら、多くの方がボジラ選手と答えるのではないでしょうか!
いったいどこから見つけてきたのか、「令和の時代にまだ見ぬ強豪がいた!」とった感じ。
カード発表段階では、圧倒的な「誰やねん」感と、ジュリア&詩美、Sareeeに比べて「顔じゃない」感があったボジラですが、ふたを開けてみればメインイベントのスターたちを完全に食ってしまった!
このカードをみたときに、メモリアル力道山の「橋本&小川VS天龍&BBジョーンズ」を思い出したのは私だけでしょうか…。(きっとアツコアツオだけだろう笑)
結果、ボジラは女ベイダーとも言いたくなる<デカい・分厚い・動ける・飛べる>超大型選手で、プロレススキルを補って余るパワーと、デカいは正義なシンプルな強さがありましたね。
ボジラータイムとでも呼びたくなるようなボジラ無双は、予定調和的に段取りされたジュリア対Sareeeの再会マッチが完全に吹き飛んでしまうインパクトを与えてくれました。
そしてボジラへの大歓声には、やはり後楽園ホールに集まる観客のノリの良さも大きく起因しているでしょう。「面白いものは称賛したい」プロレスマニアの後押し、そして当初は明らかに役不足と想像されていたボジラへの判官びいきという側面もあるでしょう。
正直、ボジラがこれだけ弾けるとは誰も想像していなかったはず。
ボジラの大ブレイクもまた、旗揚げ戦+後楽園ホールという条件と、メインイベントでスター選手に囲まれた条件の中で起きた化学反応かもしれません。
いやはや、ボジラの起用は計算づくのことであったとしたら、ロッシー小川マジックは恐ろしいですね(笑)
ベストバウト:青野VS石川
アツコアツオが選ぶベストバウトはこの試合!
恥ずかしながら、アクトレスをみたことがなかったので青野選手がどういった方か存じ上げあげず、石川選手は偽中野たむの印象しなかったので、この第2試合にはまったく期待していなかったのですが…
青野のハードヒット的な攻撃と、石川の受けと負けん気の強さがうまくマッチしていてびっくりしました。スイングした試合というわけではないのですが、両者のこの試合に賭ける思いが十分に伝わってきましたね。
旗揚げまでの流れから(失礼ながら)石川はあまり歓迎されていない・ややハミゴ的な・お邪魔キャラ的な扱いになっている印象があって。もしかして誰からも期待されていないのか?負け役なのか?という見方をしてしまっていました。
ただ、石川のファイトから、歓迎されていなくてもボコボコに蹴られても、それでも青野に食らいついていく姿に、プロレスの醍醐味をみたような気がしたんですよね。
自分の居場所を自分で見つけてやるという気持ちと、やられても立ち上がって、結局負けてしまっても「明日から、また生きるぞ!」という生き様と言いますか。
青野はアクトレスから脱して本格的にプロレスができる喜びを体現していましたし、ずんぐりむっくりな石川を打撃で圧倒していく試合展開が、両者の試合に賭ける想いとクロスしてちょっと感動的ですらありました。
石川は今まで長期間所属グループに定着することがなかったようですが、決して大輪の花ではなかったとしてもマリーゴールドで独自の花を咲かせてほしいなあと思います。
石川選手の頑張りにアッパレあげてくださいよ!
その他試合の雑感
その他、全試合をざっと振り返っておきましょう。
ビクトリア弓月は真価を発揮できず
スターダム若手の中でも飛びぬけたプロレスセンスを誇った弓月ですが、旗揚げ戦では得意の柔道殺法など、ほとんど活きの良さを発揮することができませんでしたね。
藤波辰爾が語っていたことを思い出したのですが、「キャリアが浅い選手はリング上でアガってバテてしまうことがある」と。今回の弓月はまさにそれにあたるんじゃないかな。
トレーニング含めしっかり準備してきたと思うんですけど、リング上は生モノですから。想像以上に緊張してテンションが上がってしまった結果、バテて動けなくなってしまったんじゃないかと。
ただ若手同士の試合ではなく、相手が百戦錬磨のナナエだったのがよかったですね。弓月の動きやバテ具合をみながら上手く試合をコントロールしている印象がありました。さすが!の一言ですね。
CHIAKIやるやん!
第3試合に登場したのは元スターダム対元アクトレスのMIRAI対CHIAKI。
MIRAIはかなり体重を絞り込んだようで、スターダム時代と比べてパワーファイトが鳴りを潜めていましたが、卒なくCHIAKIからピンフォール勝ち。それにしてもMIRAIのニコニコ笑顔は愛嬌があってかわいいですね。
そしてアクトレスではプロレスと言わないんでしょうけど、CHIAKIのプロレスがかなりよかった!表情やしぐさで自分の魅力や特徴を十分発揮できていたと思いました。ややサイズが小さい選手ですが、大型選手とタッグを組んだら映えそうですねえ。
MIRAIはこのリングで何をみせていくか、次回以降に期待しましょう。
ショッパイよ!
「桜井に初登場の外国人なんか当てちゃだめだよ…」
冷めた会場に私の近くにいた擦れたプロレスファンがポツリとつぶやいた。私も同感!
マンデーマジックを利用した付け焼刃のアングルでは盛り上がらないよ!野崎渚がかわいそうだった。
以上!
皇希タソ
元アクトレス勢のタッグマッチ。そういう意味では内容保証付きでしょう。
ロッシー小川の旗揚げ会見からずーっと気になってた皇希選手。高身長で圧倒的なビジュアルの良さから「この選手をスターに育てないでどうする!」と思っています。
それにしても、天咲とか壮麗とかを連想させる「天麗」という苗字がついてしまいましたが、ロッシー小川はもっとほかに好きな漢字はないのだろうか…。皇希のままでも十分なのに…。
松井&翔月はプロレス経験があるベテランのようですが(女子プロレスに疎くてすみません)、アクトレスでやっていることはもはやプロレスなのでは?と言いたくなるような、見事なプロレスの試合をみせてくれました。アクトレスはもっと組体操的なのかな?何が違うんでしょうかね。
皇希選手のアメジストバタフライ(旋回式ボディプレス)は一見の価値あり!
旗揚げメインでジュリア破れる
猪木も三沢も橋本もみんな旗揚げ戦では破れてますよね。旗揚げ戦というのはエース選手は敗れてしまうものなんでしょう。
プロレス旗揚げ興行は今日が始まりで次回に繋げていかないといけないから、ジュリアはSareeに因縁を残しておいて両国で一騎打ち!という既定路線だったわけですね。(ジュリアは骨折が判明したようで長期欠場に入るようですが)
それから、Sareeeの堂々としたマイクパフォーマンスがかなり素晴らしかった!Sareeeは後輩や格下相手だとより輝く選手なのかな?と感じましたね。XXスタイルで結構カタめな攻めが多く、先輩レスラーと対戦するより相性がいいのかもしれませんね。
ただ、(リストクラッチ式だそうですが)崩れ気味の裏投げ連発などみていると、ちょっとおおざっぱな試合展開のように感じちゃいました。まあ、ボジラ的な怪物がいた異様な高揚感から、普段の調子とは違ったのかもしれませんけどね。
早速登場!2つのベルト
ネガティブな意見で大変申し訳ないんですけど、「また赤と白か~」という印象と、階級別でもないのになぜいきなり2本のベルトが存在するのか、やっぱり疑問ですね。
そんなこと言い出したらキリがないんですけど、いきなり2本でスタートかよ!とは思っちゃいましたね。
総括
つらつらと書いてきましたがまとめますと、大変満足度が高い旗揚げ興行でした。
試合内容もよかったのですが、それよりも会場の熱気と観客の期待感がある中でみるプロレスの素晴らしさを実感することができて、このボルテージはきっと選手にも届いたはずでしょう。
この勢いを次回以降の大会にどれだけ引き継げるかがやっぱりプロレス団体の課題ですよねえ。
アツコアツオ的には、とにかく後楽園ホールの観衆を虜にしたボジラの行く末を見守りたいと思います。
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