こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。
金曜日は闘いのワンダーランド!
毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。
新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!
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10月20日は何の日?
今回は、1986年10月20日に神奈川県社会工業体育館で行われたこの試合をテーマに考えてみることにしましょう!
新日本侵攻に激しさを増すUWF軍団!
ジュニア版名勝負数え歌と呼ばれた越中と高田がタッグマッチで激突!
4者4様のバックボーン
UWF解散後、前田率いるUWF戦士たちが新日本にUターン参戦を継続していた頃。
前田はドン・中矢・ニールセンとの激闘経て「真・格闘王」なる称号を得て、ますます存在感を増していました。
佐山タイガーなきこの頃は、藤原に次いで高田が頭角を現しており、越中とのジュニア版名勝負数え歌と評された一連のIWGPジュニアヘビーを巡る抗争も盛り上がっていました。
新日本プロレス本隊と強豪外国人の対決軸とは別に、UWF軍団というもう一つの柱ができたことで、リング上は危険な香りがする白熱したファイトが展開されていましたね。
長州ら維新軍団が全日本プロレスへ移籍した後で、陣容が苦しかった新日本プロレスにとっては、UWFのUターン参戦は渡りに船だったことでしょう。
レスラーの多様性
今回のタッグマッチは、かなりキャリアが異なる多様性あふれるレスラーたちが揃っています。
木村は大相撲出身で日本プロレスでデビュー後新日へ移籍、木戸も日本プロレスでデビューし新日へ移籍しましたが、その後UWFに参加。
高田は新日本でデビューするもUWFへ移籍したことを契機に、新生UWFへ参加し後の総合格闘技ブームの基盤を作っていくことになります。
越中はというと全日本プロレスデビューで、三沢タイガーに大きく水をあけられたことをきっかけに新日へ移籍を決意したという経歴。この当時で全日本→新日本という異例のキャリアを歩んでいます。
純プロレスと格闘プロレス、そして相撲出身者まで。まさに格闘技のるつぼと化した新日本プロレスマット!
そんな見方をすると、四社四様のファイトスタイルのコントラストが面白いかもしれませんね。
試合内容
木村はUスタイルに合わせていくような格闘技スタイル。高田のローがボコボコ決まっていますが表情ひとつ変えません。我慢しているのか、効いていないのか、魅せ用のキックなのか。
それにしても高田のキビキビした動きは素晴らしいですね。キックに対抗すべく、木村は得意のマーシャルアーツ仕込みのボクシングスタイルで対応していきます。
UWFとはいえ源流はカール・ゴッチ流なわけで、新日本プロレスとは相容れないスタイルではないですよね。張り手やグランドの関節技を中心に試合が進行しますが、UWFはやはり得意のアキレス腱固めを多用し、新日本軍は逆片エビ固めで足関節を攻めていきます。
木村は高田の蹴りを警戒して徹底的に足を攻めていきますが、越中にタッチするとまさに人間サンドバック状態で高田は蹴りで追い込んでいく。この辺りの越中の受けっぷり(さすが全日スタイルというべきか)が高田のかみそりシューターっぷりとうまくスイングするんでしょうね。
越中はお構いなしとばかりにど演歌殺法、ヒップアタックを多用していきますが、そうやすやすとは決まらない。終盤、高田のツームストンとチキンウィングフェイスロックがガッチリ決まりますが、ここは木村がカット。
この試合はタッグパートナーを救援するお互いのカット攻撃がカタめでハラハラします(笑)高田は越中に対して未来を予測したような顔面襲撃キック、木村はボクシングの顔面パンチ…。両軍団が疑心暗鬼になってしまうのもうなずけるような危険気味な攻撃が面白いです。
試合はというと、同じタイミングで4者とも場外乱闘へ繰り出して、さらには場外フェンスを越えて観客のいる方へ向かっていったことから、裁定は勝者場外フェンスアウトとなりました。
昔の新日本プロレスではフェンスより観客側へ行ってしまうと負けというルールがありました。勝敗を決したくないときに便利なルールでしたね。
木村はIWGPタッグチャンピオンなんですけど、勝ち筋が全く見えない攻撃ばかりでした。得意の稲妻レッグラリア―トが高田のみぞおちに決まりますけど、この技はホントに魅せ方が難しいですね。
気になるメイン
この試合はセミファイナルだったようで、なんとこの後のメインイベントは藤波と武藤のシングルマッチのようです!
残念ながら新日本プロレスワールドにはありませんでした!
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