こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。
金曜日は闘いのワンダーランド!
毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。
新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!
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5月26日は何の日?
今回は、1982年5月26日に大阪府立体育会館で行われたこの試合をテーマに考えてみることにしましょう!
全日本から移籍したものの、いまいちストロングスタイルに乗り切れないスーパーヒールのブッチャーと、猪木との接触でカリスマの所作を身に着け始めたニュースター、ハルク・ホーガンの一戦です!
大物外国人対決!
前年に全日本プロレスから引き抜いたブッチャーと、WWFとの提携により継続参戦していたホーガン。
ブッチャーはなかなか新日本プロレスマットに馴染んでいない雰囲気で、対するホーガンには割れんばかりの大歓声。ホーガンコールが鳴りやまない!
当時、ホーガンはスター街道まっしぐらの時期ではありましたが、とはいえまだ新進気鋭の正統派レスラーといった時期だったのではないでしょうか。翌年の第1回IWGPで大フィーバーするわけですが、まだ格という部分ではブッチャーが上かな?という時期だったと思います。
さあ、この試合はどっちが勝つか?!と思って試合をみると…
なんとノーコンテスト!
無効試合、その手があったか!
2010年代以降、プロレスの試合で両者リングアウトによる引き分けとかノーコンテストとか反則裁定とか…勝敗が決しないことって極端に減りましたよね。昭和のプロレスにはよくある試合裁定でした。
両者お互いに負けられないシチュエーションで、”格”的にもどちらが勝つわけにもいかないときに、体よく試合を終わらせる手法…といえば聞こえは悪いでしょうが(笑)
すっかりその終わらせ方があることを忘れていました!
勝敗が付かなかったことは残念ですが、試合はそうしたお茶を濁したような終わらせ方だったのかもしれないけど、不思議と満足度が高いんですよね。
例えば、田園コロシアム決戦「アンドレ対ハンセン」(ハンセンの反則勝ち)も東京ドーム新日&全日対抗戦「ハンセン対ベイダー」(両者リングアウト)も、明確な勝敗は付かなったものの今でもド迫力の名勝負として語り継がれています。
今回の試合もそれらと同様、ノーコンテスト裁量ではあったものの、短い時間で互いに見せ場を作って必殺技を繰り出して、十分に盛り上げてくれました。
試合展開
先ほども書きましたが、とにかくホーガンコールが凄まじい!試合開始後もホーガンコール鳴りやまず、観客は完全にホーガンを支持しているのは明らかですね。
ファーストコンタクトは両者のロックアップ、すぐに踵を返すとコーナーに走りあってショルダータックルの力比べで体当たりを重ねます。ブッチャーの顔芸にも似たリアクションが芸が細かくて好きです(笑)
3回目にはホーガンがジャンピングニーを繰り出し、ブッチャーはたまらずダウン。この倒れ方も美しいですよねえ。やられたーっという感じで後ろに綺麗に倒れていきます。間を嫌ったブッチャーはそのままリング外へエスケープ。自らのペースに持ち込もうとする展開でしょうか。
続いて、ホーガンは巨漢ブッチャーをベア・ハッグに捉えて締め上げていく。まさに超人!
たまらずブッチャーは地獄突きで反撃、転げ落ちるようにリングサイドの乱闘に発展していきます。場外カウントが進むや否や、両者はすぐにリングへ戻りますが、試合の決着がみたい観客からは拍手が起きます。ノーコンテストの結末へ向かった良いフリになってますね。
リング内ではホーガンの攻撃が続き、試合開始数分で早くもホーガンのアックスボンバーが炸裂!
ここでのブッチャー受けも凄い!両手を上に広げて「うわー」バタン!という具合に倒れていく様はちょっとやり過ぎた感があります(笑)とはいえ、エンタメプロレスの教科書的にいうと大アリでしょ!
ホーガンは続いてロープに走りレッグドロップを狙うのか?と思いきや、ボディプレスを投下。不完全なものの、どうやらブッチャーは膝で迎撃しホーガンを返り討ちに。ここからのブッチャームーブがまたスゴイ。
右手に巻いた謎のバンテージでホーガンの頭をフック気味にサクッ!どうやらレフェリーのミスター高橋のブラインドをついての凶器攻撃。ホーガンの額から次第に鮮血がにじんできます。
さらにブッチャーはでかいコスチュームパンツから謎の凶器を取り出しホーガンへ追撃。呼吸が乱れ始めるホーガンに容赦なく凶器をぶち込んでいく。
たしかにブッチャーはレフェリーのブラインドをついていますが、「ピーターちゃんとみろよ!」といいたくなるような放漫レフェリング(笑)レフェリーがプロレスの試合をつくっているとはまさにこのこと!
勢いづくブッチャーは、ホーガンをブレーンバスターで投げ倒し、ノソノソとロープへ走って…出たーっ毒針エルボー!
万事休すかというところで、ホーガンはなんとかカウント2でキックアウト。ブッチャーはますます傷口を厳しく攻めていきますが、次第にホーガン得意のムーブに繋がっていく。
相手の攻撃を受けてなお、そのダメージを吸収してエネルギーを増幅させていくような、ホーガン独特のブルブルアピール。「もっとこい!」と相手に攻撃をせがむ様子は、USA版アントニオ猪木といっても過言ではないでしょう!
互いにもみ合いながらリング外に出たかと思ったら、そのままリングサイドから観客席へなだれ込んでいき乱闘が続き、ここで試合の終わりを告げるノーコンテストのゴング。
それでもなお両者は椅子やテーブルを使いながら、場外乱闘を止めることはありませんでした。
試合の決着はつかなかったものの、カリスマと化す直前のホーガンと老獪な暗黒テクニックのブッチャー、両選手の激突は見ごたえ十分なファイトでした!
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