こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。
金曜日は闘いのワンダーランド!
毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。
新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!
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8月18日は何の日?
今回は、2022年8月18日に日本武道館で行われたこの試合をテーマに考えてみることにしましょう!
プロレス界の夏の風物詩となったG1 CLIMAXの第32回大会の最終日。
勝ち残ったのはオカダ・カズチカとウィル・オスプレイ。メインイベントである優勝決定戦のアンダーカードでは、敗れた選手たちの次なる戦いが始まっていました。
G1 CLIMAX32には参加していなかった”ザ・マシンガン”カール・アンダーソンとドク・ギャローズのタッグチーム「グッドブラザーズ」が特別参戦し、新日本本隊所属の棚橋&フィンレーと対決しました!
カール・アンダーソン帰還
あまり頻繁にユニット編成などの人事異動が起きにくい新日本プロレス。
ともすれば「マンネリ」と指摘されがちなストーリーラインではありますが、当時のデビッド・フィンレーは本隊所属。本記事を執筆している2023年ではユニット編成によってBULLET CLUBに所属していますし、対戦相手のアンダーソン&ギャローズは既にWWEに帰還していますので、そんな状況を踏まえるとやはり展開が早いのが現代のマット界の特徴ともいえますよね。
WWE間隙の参戦劇
ドク・ギャローズを帯同し、約6年ぶりに突如として新日本プロレスに帰還したカール・アンダーソン。2023年6月12日の新日本プロレス半期を締めくくるビッグマッチである大阪大会のDOMINIONから限定参戦し、いきなり元同胞のタマ・トンガからNEVER無差別級王座を奪取しました。
思い返せば、カール・アンダーソンは2000年代中頃から新日本に所属し、2016年1月にAJスタイルズやドク・ギャローズと共に新日本を去るまで、長きにわたって活躍した新日本の名物ガイジンでした。
その後はWWEに所属し、AJとギャローズと「CLUB」なるユニットを結成しそれなりに活躍していましたが、この2022年6月から2023年1月までの約半年間はWWEを離れて米IMPACTに所属していた様子で、古巣である新日本プロレスにも期間限定の特別参戦が実現しました。
ガチかアングルか、ネゴシエーションのためのネタなのかわかりませんが、当時はWWEとの二重契約やダブルブッキングではないか?とささやかれましたが、2023年1月1日NOAHマットでのSHINSUKE NAKAMURAの奇跡とあわせて、WWEの政治力に何らかの変化があったのでは?と勝手に想像しています。
もっと素直に妄想的な発想でいうと、WWEトップのビンス・マクマホンが退陣している時期で、従来はガチガチにプロテクトされている選手間契約ではなくて、少し制限がユルくて、他団体参戦に好意的な契約期間だったのではないか?と。
いずれにしても世界基準のスーパースター(この場合はメインロスターというべきか)となったアンダーソンとギャローズが新日本に参戦したことは事実で、実にラッキーだったと思います。
もったいないシチュエーションで登場
反面、あれだけ長い期間新日本で活躍したガイジンなんだから、もっと衝撃的な復活劇があってもよかったんじゃないかなあ。コロナ期間で声を出せなかった、観客がリアクションを取れなかったということはもちろんあるけど、新日本に復活したらすごい選手ランキングを勝手に付けるとしたら、AJスタイルズ、中邑真輔につぐ3人目だと勝手に思っていたので…。せっかくの再登場なのにシチュエーションや登場の仕方がもったいなかったかなと。ギャローズなんて矢野通との禁的マッチが中心でしたからね…。
そんなカール・アンダーソンは6月にNEVER無差別級を奪取。以後は棚橋とヒクレオからの挑戦を退け、2023年1月4日のWRESTLE KINGDOM17でタマにベルトを返し、半年間のパートタイマーを終えました。
大技は少ないけど、いくつも見せ場を作ることができる非常にうまい選手。日本人好みの外国人レスラーだと思いますので、次回の参戦を待ちたいですね。
BULLET CLUBリーダー問題
BULLET CLUBの4代目リーダーであるジェイ・ホワイトが新日本を去った後、明確にリーダーといえるかどうか微妙な立ち位置ではありますが、ポジション的にはデビッド・フィンレーがリーダー格といっても差し支えないでしょう。
う~ん。悪いレスラーだとは思わないんですけど、ちょっと荷が重いんじゃないでしょうかね。
上背、厚み、ビジュアルなどの説得力にイマイチかける。ベビーフェイスのころと比べると随分印象は変わりましたが、それって所詮コスチュームやひげ、メイクアップなんかの飾り物で合って。
失礼ながら、やっぱりリーダーとしては小物・小兵なレスラーという印象が拭えない。(あくまでBULLET CLUBのリーダーとしての話なのであしからず!)
TANAヒール化の提言
私は一人で「棚橋ヒールターン&BULLET CLUBリーダーへ転身」を唱えているんですけどね(笑)
新日本のストーリーを考えたときに、棚橋はもう本隊を守ったりベビーフェイスに徹する必要はないんじゃないかと。加えて、屋台骨を支えた時代のハイフライングスタースタイルで試合をこなしていくには限界がきているじゃないでしょうか。
思い切ってヒールになって黒タナに転身し、ファイトスタイルを変えてみてはどうだろうか。
元々藤波辰爾リスペクトの選手なんだから、インサイドワーク中心のクラシカルなレスリングを基本に戻しつつ、レフェリーのブラインドをついた金的や目つぶし、さらには丸め込み技地獄なんかでしつこくカウントを取りに行く。そんなずる賢くてねちっこいヒールレスラーがいてもいいんじゃないですかね。
新日本プロレスは、もう棚橋が少し遊ぶぐらいの余裕はありますよ。ちょうどビジュアル・キャラ的にもパックっている感がある海野翔太が活躍し始めていますから、棚橋は思い切ったヒールターンはどうでしょうか。
キャラ変でもよい
とはいえ、棚橋は全国まわって営業活動をしたりメディアに登場する機会が多い選手でもあります。
もしプロモーションに差し支えるんであれば、試合中はメキシコ遠征バージョンのフェイスペイントをして別キャラを演じたっていい。グレート・ムタみたいに思い切って名前を変えたっていいじゃないか。ターナー・ザ・インサートと名乗った時代もあったんだから、TANAで「ターナー」と読ませるとか…。
しかも、半年ぐらいかけて、外道から口説かれ続けるというストーリーが美しいなあ(笑)いつぞやの天山GBH追放劇みたいに、負け続けて仲間からも見放されてダメ出しされて…。精神的に参ってしまって、気の迷いでついにBULLET CLUBのTシャツに袖を通してしまう…。そんなBULLET CLUB新リーダー案はどうでしょうか。いかにもWWE的で日本では受け入れられないでしょうかね?
ただ、互いに怪我を負ってしまったKENTAとラダーマッチの際、試合後に「こんな反則技はもうやりたくない!」と落ち込んでいた様子だったので、柔軟性があるようにみえてもヒロイックなACEキャラにこだわりがあるんだろうなあ、とも想像したり。
「僕の考える新日本プロレス」は脳内でやってろ!とお叱りを受けそうですけど、プロレスはイメージビジネス(byジミー鈴木)ですからね。こうやってファンに妄想させた時点で新日本プロレスや棚橋弘至の勝ちなわけで。
また、こうしてアウトプットしていくことが、野良プロレスコラムニストの使命でもあるんですよ!誰も読んでへんけどね!(ドンッ)
試合内容
さあ、例のごとく前置きが長くなってしまいましたが、試合内容をみていきましょう。
棚橋の入場曲に乗って棚橋&フィンレー組が先に入場。アンダーソン&ギャローズはIMPACTの世界タッグ王座をもって入場、アンダーソンはNEVER無差別級のベルトにBULLET CLUBのロゴを張り付けています。選手コールのマシンガンSEがとても懐かしい!
試合はじっくりとした、グラウンドテクニック中心の流れが続く。アンギャロ(そう略そう)両選手ともWWE仕様ではないジャパニーズレスリングに即座に順応し、スタイルを切り替えているのが一流の証。
アンダーソンは得意の「ゴメンナサイ」セントーンを棚橋に見舞いますが、観客のリアクションが今ひとつ…。声が出せない状況というのはありますが、もしかして彼らが去った6年の間にファンが入れ替わってしまったか?だとするとギャローズとか誰やねん状態かもしれませんね。
試合は棚橋とアンダーソンのマッチアップで終盤戦へ。アンダーソン得意のスパインバスターが決まりギャローズによってフィンレーが分断されます。バックドロップ&ネックブリーカーのツープラトンで棚橋を追い込んでいき、ここから本家本元の必殺技であるマジックキラーを狙いますが…。
なんと試合に関係ない矢野通がリングサイドに登場!
金的を巡って抗争中のギャローズに向かって水鉄砲攻撃で威嚇します!
気を取られたギャローズは、試合中にも関わらず場外まで矢野を追いかけていきます…。ローンバトルになったアンダーソンへフィンレーがプリマノクタを敢行、続いて棚橋がスリングブレイド→ハイフライフローで投下しNEVER無差別級王者のアンダーソンから3カウントを奪いました。
プロたちによる競演
わずか10分ほどの試合ですが、非常にコンパクトにまとまっており、各選手見せどころがあった試合で、矢野も含めて各選手とてもプロフェッショナルな動きを見せてくれました。
G1優勝決定戦の前座試合ということを考えると、観客が後に控える重厚なシングルマッチをじっくり楽しむためには、このぐらいサクッと簡潔に終わった方がいいでしょうから、興行のパッケージングとしては最適な試合だったと思います。
そして、直接ピンフォールを奪った棚橋がアンダーソンが持つNEVER無差別級へ挑戦するのは必然的なことで、大河ドラマに突如登場した予期せぬスーパースターとの因縁が、次のシリーズに活かされていくことになりました。
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