目標を実現し自分らしい人生を送るための処世術!書評『まんがでわかる 頭に来てもアホとは戦うな!』田村耕太郎著

学生の頃って、ウマが合わない人とは距離を置いたり避けたりしながら回避できましたけど、社会人になるとなかなかそうもいきませんよね。

得意じゃない人や好きじゃない人たちとも仕事をしなければならないことって頻繁にあります。そういう人たちとうまく付き合っていくことも社会人スキルなわけですが、むやみやたらにあなたの足を引っ張ろうとする人、周りにいませんか?

なんで私の邪魔をするの!という思いから、やり返したり抵抗したりバトルしていませんか?

今回紹介する本書『まんがでわかる 頭に来てもアホとは戦うな!』は、たった1度きりの人生をアホに振り回されることなく、限られた資源(時間・エネルギー・タイミング)などを有効に活用し、あなたらしい人生を送るためのアドバイスが盛りだくさんの1冊です。

知念侑李さんのドラマはみたことはありません…。
帯だけでもどんな本か想像がつきますね。

今回は、原作活字本を元にした「まんがでわかるシリーズ」の紹介です。朝日新聞出版から発売されており、各社がこぞって自己啓発本の漫画版を出版しているようですね。

※本書でいうアホとは、理不尽にあなたの足を引っ張る人のこと。頭の悪いやつでも馬鹿なやつでもないので、その点ご留意を。また、私がそうしたアホよりも人間的に優れている!という意味も意図もな全くないので、深読みしないでね。

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『まんがでわかる 頭に来てもアホとは戦うな!』

漫画のストーリー

一応、この漫画のストーリーをさらっと紹介しますと、主人公ひとみは飲食チェーンの本社勤務になり4年目の社会人。店舗経験が長く現場を知っているのが強みですが、その自信が時としてプライドになってしまい、周りが動いてくれないことがありました。1年先輩の中島は、ひとみとは対照的にあまり現場のことを知らず、いつもひとみの仕事っぷりに嫉妬し上司にゴマばかりすっています。そして、上司である部長の岡和田は社長の顔色ばっかりうかがう忖度管理職でした。

ひとみの日常は先輩や上司から足を引っ張られてばかり。なかなか自分が思うように仕事がうまく進まないひとみは、行きつけの居酒屋の常連である、コミュニケーションコンサルタントの梶からアドバイスを受けながら、部内でうまく立ち回りすべを身につけ、自分の目標を実現していくのです。

本書のストーリーはかなりありきたり。原作本をうまく説明する装置の域を超えてらず、良くも悪くも”まんがでわかる”シリーズらしいです。(たまにタイムスリップものなど、攻めた内容の本もあるんですけどね)

アホと戦わない戦略

行きつけの居酒屋で愚痴っているひとみをよそに、梶は「そんなアホとは戦うな」と一蹴します。

アホに使う時間なんかもったいない!といい、そんなものと戦うなら、「くよくよ悩む自分」や「腹を立てる自分」と戦うべき、とのこと。アホと戦いがちなのは、「正義感が強い」「自信にあふれる」「責任感が強い」「おせっかい」「プライドが高い」方らしいですが、あなたは大丈夫でしょうか?

アホには「やられた~」と白旗をあげておく

アホとぶつかりそうになったら…決して対抗してはいけません。口げんかで負かしてやろう!とか正論はこちらだ!などと戦ってはいけません。

アホにはやられたフリが一番!

相手の言動に腹が立ったら、反撃せずに相手の言うことを受け止める。ぐっとこらえて(幽体離脱したように、その場面を俯瞰でとらえ、客観的に状況をみるのが効果的とのこと)相手に良い気分になってもらって、花を持たせる。

え~そんなの感情的に難しい…という方がいるかもしれませんが、「取るべきものはメンツよりも実利」。あなた自身のメンツは、あなたが思っているほど誰も気にしていないかもしれませんし、メンツがつぶされたとしても、それ以上に相手との関係が悪くならないのであれば、相手を味方にしたり利用することができる方が価値があるのでは?=実利を考えるべきと本書では説いています。

嫌な相手を味方にする方法

社内であれ社外であれ、仕事で敵を作るのは損です。うまくいかない相手は、敵ではなく”たまたますれ違った人”と考えてみてはいかがでしょうか?とのアドバイスもありました。

また、嫌な相手を味方にする究極の手段が紹介されていました。それは、その相手に「その人から受けている嫌な行為への対処方法」について相談することだそうです。つまり、相手がやっている行為を、他の人がやっている嫌がらせだとして、相手にその嫌がらせへの対処方法を聞く、ということです。

あくまで、「これお前のことだよ」とほのめかすことなく、真摯に思いつめた感じで相談するのがいいんだとか。かなりの高等テクニックですね。確かに、嫌な人に「私困っているんです」と相談できるというのは重要な技術で、アホに対してそれだけへりくだって持ち上げられるというのは素晴らしい戦術だと思いますね。

人を動かす3原則

アホな人に仕事をやってもらいたいときに使えるのが、対人スキルの世界的権威、デール・カーネギーが提唱した「人を動かす3原則」です

  • 非難しない
  • 認める
  • 相手の欲しがるものを提供する

非難しない、認めるは言わずもがな。それに加えての一押しは、相手が欲しくてたまらないものをこっちから与えまくる。大事なのは”こっちから”で、先に与えるから人は動くんだそうです。

それから、いくら自分が正しいし正論であったとしても、それでは人は動かない人間を動かしているのは感情であって、理屈ではありません

ロジックで説明したり、論理的に相手を追い詰めて論破してしまっても、相手は動かない。そうではなくて、相手の懐に飛び込み、心情を慮り、共感して心の底から理解すれば、協力してくれるようコントロールができる、とのこと。

共通の利害を見つけ、相手にとっての利益を先に与え、常に相手へのリスペクトをもって相手に伝えましょう。

プライドだけでは生き残れない

アホ含め、合わない人や嫌な人とうまくやっていくためには、相手の懐に飛び込みこちらから距離を詰めていく、というのはかなり有効な気がします。ですが、やはりそこで一番足かせになってくるのは、「プライド」とか「自分はこれだけやっているのに」といった自信でしょう

アホな相手とうまくやっていくには、まずはそうした自分の感情と折り合いをつける必要がありそうですね。プライドだけでは生き残れないですし、メシは食えないですからね。私はプライドなんてものは最初から持っていませんし、持ってたんだとしたらどこかに捨てちまいました。

日本は「アホ」が多い国?

本書あとがきに面白い分析が載っていましたので、最後に紹介しましょう。

日本社会は終身雇用的な発想が中心であり、いまだ転職市場が小さいため、雇い主は「ほかの会社に移らないだろう」と安心している。結果、人を引きづり降ろして自分がのし上がったり、自分の優位なポジションを確保するためにゴマをすったりする「アホ」が出現しやすい背景があるとのこと。

また、多様性に乏しく、均一性のもとに同調圧力を掛けて規律を重視する傾向があり、異質なものや突出したものを認めにくい文化的な土壌もあることも「アホ」が出現しやすい要因だそうです。

確かに、優秀な人材が転々と会社を渡り歩いていく場合、人の足を引っ張る必要はないですからね。自分の実力一つで生き残っていく社会なわけで、日本の雇用体系が「アホ」を生み出しやすいことも納得です。

まとめ

自分が思い描く人生や目標のために、「アホ」にかまっている時間はないはず。避けられない「アホ」とは上手に付き合ってコントロールしながら、無駄なエネルギーを使わないようにしていきましょう!

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