こんにちは。アツコアツオです。
漫画家ゆでたまご先生を研究する【ゆでたまご研究所】へようこそ。
今回はゆでたまご先生の週刊少年ジャンプのデビュー作について紹介しましょう。集英社の赤塚賞に応募し準入選となった『キン肉マン オカマラスの巻』です!
赤塚賞に準入選し週刊少年ジャンプに読み切り掲載となりますが、当時のゆで先生は高校生で、デビュー作にも関わらず、他の連載作品に引けをとらない人気を得たそうで、次作の読み切り『キン肉マン エラギネスの巻』に続いていきます。
『キン肉マン オカマラスの巻』
本作では、キン肉マンの”巨大化し怪獣と戦うヒーローモノ”という初期設定はすでに完成されていますが、ウルトラ一族の8人目の弟というキワドイ設定。
しかもウルトラの父が不倫の末にできた子供であるため、ウルトラ兄弟から迫害されています…。
そして地球に行ってウルトラ兄弟を見返してやろう!と怪獣退治にいそしむものの、その地球人からもいじめられてしまうという。
こちらも初期キン肉マンのお決まりパターンですが、もの悲しいヒーローという設定です。
週刊少年ジャンプに読み切りとして掲載されましたが、長らく単行本未収録となっていました。
ウルトラ兄弟が登場しますし、しかも腹違いの子供ですからね。
週刊誌の読み切りならともかく、単行本掲載は難しいかったんでしょう。
それが!
円谷プロダクションの恩情により特集本『キン肉マン特盛』に特別掲載されることになったのです!
古本屋などではまだまだ見つけることができますので(しかも安く)、ぜひ探してみて下さい!
『キン肉マン オカマラスの巻』の内容
洗練された絵柄ではなく、ちょっと気持ち悪いキン肉マンではあるものの、丁寧に書かれており(コンテスト用なので当然でしょうが)私はこの画風が大好きです。ほとんどスクリーントーンを使わず、とにかく線・線・線!で、描くのにかなり時間がかかっていそうです。
また、ほとんどのコマにギャグや小ネタが散りばめられており、前回紹介しました『ゴングですよ!』同様、ゲラゲラ笑えるギャグコメディに仕上がっています。
そして、何より『ゴングですよ!』同様にパロディ要素はあるものの、主人公のキン肉マンのキャラクターが際立っていますね。
オカマラス…オカマの怪獣でビキニをつけています。今の時代だったらダメな表現ですかね。
この怪獣は後のキン肉マン連載の怪獣退治編にも登場しますので、ゆで先生お気に入りの怪獣なのかもしれません。
オカマラスのビームをバリヤーを張って防ごうとしますが、あっさりと破られ(布のように破られる)、わっせと裁縫で縫ってしまう表現など、ゆで先生は生粋のギャグ漫画家なんだなと改めて感じさせられる表現が多数あります。
オチもしっかりついていて、最後までキン肉マンの悲哀が貫徹されていますね。
次回は本読み切りの後、ジャンプ編集部から続編の依頼を受けて急遽作った、『キン肉マン エラギネスの巻』を紹介します。
これは、女房を質に入れてでも買いにいかなあきまへんで!
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