というわけで2日連続観戦。2022年3月27日 『LECクリンぱっ!Presents STARDOM WORLD CLIMAX 2022 ~The Top~』のプロレスコラム。
前日の『~The Best~』も観戦していますのでそちらの記事もぜひ。
前日よりもわずかに天気が良く、開場時間前後は何とか雨は免れた。
ナント当日券はほぼ完売。
コロナシフトの座席、桝席は一人掛けのようですが、それにしても一番安い席以外は完売とは。
かくいう私は2連チャン観戦ということもあり(ただ単に金欠でもあるが)スタンドB席を購入済み。
前置きはこの辺りにして、さっそく試合を振り返っていきましょう!
熱戦譜『LECクリンぱっ!Presents STARDOM WORLD CLIMAX 2022 ~The Top~』3月27日(日)両国国技館(観衆3085人=満員/コロナ対策限定人数)
アツコアツオ私的MVP:スターライト・キッド
アツコアツオ私的裏MVP:鈴季すず
アツコアツオ私的ショッパイ賞:渡辺桃
負けたのに私的MVP
本大会の私的MVPは文句なしで(そもそも”私的”なので誰も文句は言ってこないが)スターライト・キッドでしょう。キッド選手はベビーフェイス(善玉)ユニットのSTARSからヒール(悪役)である大江戸隊に移籍(闇落ち)してからの活躍が目覚ましい。
以前は白や黄色を基調としたコスチュームで、所属ユニット名やリングネームが示す通りの超ベビーフェイスでしたが、ヒールターンしてからコスチュームは黒と紫をベースに、カラーコンタクトや口紅も相まって非常に色っぽい。肌が白いこともあって、黒が妙に似合う。上背があまりないため、以前は失礼ながらチンチクリンの印象でしたが、当人もヒールキャラにノリにノっているという印象で、とても生き生きしているように感じますねえ。
KAIRI選手とのシングルマッチに挑んだが、黒のキッドに変身していなければ、ここまでの試合になっていなかったでしょう。想像以上にキッドが食らいついた、またはKAIRIが決め手に欠けたように映りました。前日の岩谷とのタッグマッチで顔見世的な試合であったが、2年のブランク・シングルマッチ・ダークサイドにノッているキッドとの試合には、やや余裕がないようにも感じた(もちろんプロの選手であるからそうしたセールかもしれないですが)。WWE帰りのスーパースターと、ヒールターン後のキッドでは勢いの差を感じざるを得なかった。キッドの闇落ちストーリーに今後も注目です。
裏MVPは外敵
そして裏MVPは鈴季すず選手に贈りたい。プロレスは作り物の世界だと揶揄されることもあるが、何をかいわんや、です。本試合の背景、シチュエーション、試合後のマイク、鈴季の涙。若干19歳だそうだが、彼女の人生を重ねた、プロレスを超えた戦いに拍手である。
試合後の「2年前はこんなこと想像もしてななかったよ」「そうだな」という鈴季とジュリアの会話に、”何が起こるかわからない”プロレス界の常識が凝縮されているのではないでしょうか。
今後もドンナデルモンドとプロミネンス両ユニットの抗争が継続するようです。だんだんと私怨の部分がプロレス化してくると想像します。それは単発ではない興行や巡業という面からは致し方ないことだですが、少なくとも今回のリング上の邂逅は、プロレスというジャンルと彼女たちの人生がクロスした、戦いを通した一瞬の輝きであったように思います。
ヒールターンのベテランに期待
ショッパイ賞は渡辺桃選手。対戦相手の葉月選手のグッドシェイプと比べてとても残念なコンディション。以前からポッチャリしている選手であることは理解しているし、桃選手はキッド選手のように最近ヒールターンしたわけだが、どうして弾ききれていないように感じます。
プロレスは個性の戦いでもあるのだから、誰しもがマッチョやナイスボディにならなくても良いわけで、それであるならばポチャ&ヒールでうまく体形を生かして、キッド選手のように独自のヒールスタイルを確立してほしい。桃選手はショッパイ選手ではないのはわかっているが、ヒールとして何か決めかねているのか、と妄想してしまったため、激励の意味を込めてショッパイ賞を贈らせて頂きます。
その他 全体の感想
2日連続でタイトル防衛に成功した、上谷沙弥選手と朱里選手について。
上谷選手はマスクもいいしスタイルもいい美形レスラー。器械体操出身で身体能力が非常に高く、フェニックススプラッシュという高難度な大技も使いこなす凄いレスラー。だけど、観ていてなぜかのれない…。
マイクアピールの様子からはダメッ娘系をイメージしてしまうが(AKB時代の指原のような)、全試合終了後に再登場した際にチャンピオンベルトが上下逆さまだったとズンドコエピソードを聞いて、超絶怒涛の天然キャラ、天性の愛されキャラなのかな?と少し納得。
また、朱里選手は”モノが違う女”という通り名の通り、キックボクシング、UFC、ハッスルと立ち格闘技・総合・エンタメプロレスをこなしてきた選手。実績的には誰よりもガチンコが強いはず。確かに試合を見ていても強さ・タフさは際立っているが、もう少し”モノが違う”っぷりを出していくとさらに怖い存在になるのではないでしょうか。キックは多用していたが、パンチキックのコンビネーションなどあれば他の選手とさらに差別化ができそうです。
そして、全試合終了後の強烈な違和感。メインで勝利した朱里のマイク中に、セミの勝者上谷を連れてKAIRIが登場。ベルトへの挑戦表明?と思って見ていると、そのままKAIRI主導で締めてしまった。なぜKAIRIが出てきた。なぜスマックダウンNo.1アナウンサー風なのか。
おそらくKAIRIのスタンドプレーではないんだろうということも分かる。また、新日本プロレスの文脈で、興行締めを考えてはいけないことも分かる。だけれども、KAIRI選手は所属選手ではないし、本来はタフな試合を務めた選手が締めるべきではないでしょうか。KAIRI登場の必然性が見い出せませんでした。
ネットの評判を見ていると、週プロの表紙狙いで2人のチャンピオンとKAIRIが記念撮影をする必要があった、との鋭い考察も見かけました。なるほど、いかにもな指摘ですが、先の通り残念ながら上谷はチャンピオンベルトを逆さまに付けており、もし表紙になるのであれば週刊プロレス編集部のお手並み拝見でしょうね。
【追記】週刊プロレス増刊号にて表紙になった際には正しい向きにベルトがつけられていた!
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