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『証言 長州力』在日レスラーの反骨と革命



魅力の塊 長州力
プロレスファンにはお馴染み、宝島社『証言』シリーズの長州力特集。
長州と因縁が深い選手や関係者が長州を語り尽くすが、シリーズ共通して言えることだが本人の証言は出てこない。それぞれが語る長州像はわれわれ読者の想像力を掻き立てる。
今や長州力はマルチタレント化しているが、本書で取り上げる長州は「プロレスラー」で「団体トップ」であった時期と「現場監督」の役割が中心。
プロレスで金を稼ぐことに執着しつつも、決して銭ゲバ的ではない。面倒見が良い面もあるが、親分肌ではなく男気があるわけでもない。本来はお茶目な一面もありテレビで見る長州が実体に近いのではないか。全体を通してそんな印象を受けた。
「プロレス界で今なお語られるレスラー」と言えば、やはり猪木・長州・前田が筆頭ではないかと思う。それは、単にレスラーだけにとどまらない強烈なキャラクター(毒と言ってもいいかもしれない)と、仕事としてのプロレス以上に人間的な魅力を発し続けたためだろう。どれだけプロレスラーとして偉大であっても『証言 藤波辰爾』や『証言 ジャンボ鶴田』にわれわれはときめかないわけで、アクの強さが長州の魅力でもあったりする。
「プロレスラー」「団体トップ」「現場監督」3つのカテゴリーに分けて、少しだけ本書の内容を紹介したい。
それぞれの証言はぶつ切り感があるものの、冒頭にあるターザン山本による長州評が本書に妙なまとまりを与えているのも本書の特徴だろう。
プロレスラーの覚醒
プロレスラー長州力の最大の魅力は「噛ませ犬」発言に端を発した一連の維新革命だろう。
元々エリートコースだったはずの長州はブレイクするきっかけをつかめず鬱屈したキャリアを歩んでいたが、メキシコ遠征から帰国すると猪木の指示だと定説名高い藤波への逆ギレをきっかけにスター街道を歩み始めることになった。
ここでは前田、藤原、船木、キラー・カーンらが述懐。「在日の持つ特性はプロレスにぴったり」と前田にしか発言できない危険なワードが出たり、カーンは例のごとくケーフェイ破りの長州批判のオンパレード。元レスラーのふるまいに正解はないが、カーンの場合はかなり露骨でストレート。それでいて「店に来い」と営業トークも忘れない。
藤原は昔の新日本になぞらえて長州の立ち居振る舞いを評価している。「エリートにしかわからない苦悩」にも言及し、長州の仕事観も垣間見えるエピソードもふんだんにある。
2度の現場監督
長州は2度に渡り新日本の現場監督に就任している。坂口政権をリングから支え黄金時代を謳歌した90年代、そして総合格闘技ブームに押されたゼロ年代新日本プロレスから要請されて就任した、いわゆる暗黒期だ。
前者は闘魂三銃士の台頭やUインターとの対抗戦で語られるエピソードは多いが、後年の暗黒時代について記事になる機会は少ないのではないかと思う(新日本プロレスに熱がなかった時代だけに需要も少ないのだろう)。
「出戻り」「借りてきた猫」など辛辣な表現が飛び交うが、GK金沢や金本、田中リングアナや上井氏などが2度目の長州政権への嫌悪感や功罪など率直に語っている。
また「長州政権に翻弄された男たち」と題してミスター高橋が登場。思えば猪木-高橋ラインから長州-服部ラインへの政権移行が現代の新日マットの礎を築いているのではないだろうか。
闘魂三銃士の台頭はもとより、馳コーチによる第三世代の育成、藤原道場的な極めっこからの脱却(永田はYouTubeチャンネルで道場でのセメントの練習もしていたと語っているが)など、強さを見せるプロレスから完成度を高めたプロレスに切り替わっていった時期でもあると思う。競技から顧客満足へ舵を切り始めた時期と言えばよいだろうか。
ガイジン選手のエスコート役が服部へ交代したことも大きいと想像するが、ミスター高橋は失脚し例の大暴露本出版に至る。業界から干されてしまった状態だが、インタビューでは冷静に長州政権を振り返っている印象を受けた。
みんな大好き屋形船
すでにネタ化してズンドコの象徴と化した、WJ関係の語り部たちの登場も本書読みどころの1つだろう。目ン玉飛び出る証言者たちは、まさに長州以外の生き証人たち。2026年ゴマシオのオヤジは鬼籍に入られたが本書には登場。
福田元社長の登場こそないが彼の経歴や長州との関わりなどもよく分かるし、途中離脱した谷津、営業本部長の高田龍氏、長州を慕って移籍した越中らが彼らなりの「地獄のアングル」を吐露している。
ゴマシオの恨み節の後、越中の章には「自分が決断して行ったんだからWJの悪口を言うのも嫌」とあり潔さに好感が持てるって!。
いまなおズンドコファンの心を掴んで離さないWJだが、各人の証言からアナタなりにWJを再評価してみてはいかがだろうか。
内容★★★☆☆
赤裸々★★★★☆
ケーフェイ★★★☆☆
レア度★☆☆☆☆
必読度★★★☆☆
一言コメント:長州と飲んだ六本木の夜。谷津が払った150万円
▼証言長州力 在日レスラーの反骨と革命

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