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本日の一冊はコチラ。
新燃えよ闘魂 アントニオ・猪木自伝



前作から6年経って発売されたアントニオ猪木自伝『燃えよ闘魂』の改訂版。
前作は大木金太郎戦までをフォローしており昭和49年あたりの出来事までを中心に語っているが、本作『新燃えよ闘魂』は小野田氏との対談と鉄人&神様との鼎談を省略し、「ルスカ戦」「アリ戦」「夢のオールスター戦」「ハンセン戦」に関する猪木の独白が追加されている。
現在「アリ戦」は語り尽くされてはいるが、アリ戦の昭和51年からそう遠くない時期に猪木が振り返っているのは貴重ではないかと思う。
アリ戦は「プロレスではなく真剣勝負だった」ことが明らかになっているが、当時のプロレス書籍は当然ながら「プロレスは真剣勝負」という論調で語られることが多く、本書で語るアリ戦もそうした文脈ではある。しかし、試合はまさに「真剣勝負」だったわけで、逆説的にプロレスの奥の深さを実感させられる。
リアルファイトを経験した稀有な純プロレスラーである猪木は「プロレスと格闘技を分けない」思想の持ち主だったが、本書内のアリ戦は妙な説得力を感じさせられた。
「夢のオールスター戦」は戦前に馬場と深めた交流などに触れつつ、新日本プロレス当時の若手のファイトにも称賛を贈っている。どうも馬場サイドがやる気がなかったらしいことにもチクリと言及。
そしてハンセン戦では「最大の強敵」と評し、ウルトラ・ファイティングマシーンと形容し最大に賛辞しつつ、猪木が放った0.5秒差ラリアートのエピソードを語っている。
純粋にハンセンのタフネス・ブルファイトぶりを脅威に感じる一方で、ビジネス的には大きな魚に育てたいという戦略もあったであろう。まもなくブッチャーと入れ替わるハメになってしまうが、IWGP構想ではバックランドとハンセンが北米から勝ち上がってくるだろう、今になっては悲しい見立てで世界統一チャンピオンに思いを馳せた。
現在本書に手を出す方は少ないだろうが、マニアの方は「新・旧」2冊揃えてみるのもいいだろう。
内容★★★☆☆
赤裸々★★☆☆☆
ケーフェイ★☆☆☆☆
レア度★★★☆☆
必読度★★★☆☆
一言コメント:
15ラウンドの終了のゴングが鳴った時、私のアリへの憎しみは消えた。いろいろなことがあった…(猪木談)
▼前作『燃えよ闘魂』の紹介はコチラ

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