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こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。
金曜日は闘いのワンダーランド!
毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。
新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!
新日本プロレスワールドとは?
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アントニオ猪木名勝負セレクション
新日本プロレスワールドのリニューアルで過去の動画の多くが視聴できなくなってしまってから数か月…。
かなり多くの過去動画が復活してきてはいるのですが、せっかくなのでアントニオ猪木名勝負セレクションを続けていくことにしましょう!
(2024年10月14日現在、アントニオ猪木に関する試合動画は【109試合】存在します)※1か月で少し増えました!
私は現在進行形の新日本プロレスファンではあるのですが、ここにきてUWFや力道山に関する動画・書物を読み漁っております。そうすると、やはりアントニオ猪木というプロレス界における特異な存在を見逃せなくなってくるし、猪木が残した試合を介した多くの謎解きに挑戦したくなるものですよね。
1本でも多く過去の猪木動画がアップされることを祈って、これからも猪木ウォッチングを続けていきましょう。
というわけで、本日の試合はこちら。
カウントアップしていくファイナルカウントダウンは2戦目を迎えます!
プロレスラー猪木にとって特異な1976年、異種格闘技路線をひた走る着火点となった柔道金メダリスト、ウィリエム・ルスカとの一戦で伝説的なバックドロップ3連発でKOしたことは皆さんの記憶に刻まれていることでしょう。
久方ぶりの対ルスカ戦、猪木はいかにして柔道王者と戦い、そしてルスカはどのように応じたのでしょうか!
試合内容
猪木には袂を分けてもなお愛弟子である藤原喜明と、当時の付き人であろう石澤(ケンドー・カシン)がセコンドとして帯同。
対戦相手のルスカはミュンヘンオリンピックの柔道2冠王。重量級と無差別級の金メダリストであり、1976年2月6日のアントニオ猪木機種格闘技戦の初戦の相手でもあります。その後、同年12月9日の再戦していますが印象に残っている方は少ないかもしれません。(現在アーカイブにも動画はありません)
さらに後年、1978年にはかの有名な「シュツットガルトの憂鬱」欧州遠征では3回も対戦したようで、おそらく今回が6度目の対戦になると思われます。
試合ルールはKOかギブアップのみ、ノーフォールの時間無制限一本勝負。辻アナ曰く1978年当時の異種格闘技戦と変わらないルールとのことで、ルスカは柔道着を着たままで試合がスタートします。
ルスカの柔道殺法
ルスカが猪木をじわりと距離を詰めながらコーナーに押し込んでいき、序盤はルスカが力で押している印象。柔道家にはロックアップがないため手四つの状態から背負い投げ、さらにマウントをとり腕ひしぎを狙っていくルスカ。プロレス流の背中へのハンマーブローも繰り出しながら、猪木をコントロールしようと試みる流れが続きます。
上手くバックを取りスリーパーを狙うルスカに対し、猪木はするりと抜け出し決してルスカペースにはさせません。猪木がレッグロックを仕掛け、逆にスリーパーに取っていく。チェーンレスリングとは言えないかもしれないけど、流れるように攻守が変わりつつ、それでいて猪木のプロレス流のグラウンドテクニックが冴えわたります。
スタンド状態になった両者、ここで猪木は鋭いエルボーを繰り出せば、ルスカは打撃を嫌ってか見事な払い腰から腕ひしぎを極めていきます。UWFで目が肥えた1994年当時のファンたちも「猪木危うし!」と理解できるほどの、さすが説得力があるルスカによる柔道殺法です!
スリーパー合戦
どうにか腕を抜いた猪木は柔道着をルスカの頭に被せ呼吸を止めようとしていく。「プロレスの試合は競技ではない」とでも言いたげな胴着を使った攻めは、プロレスラーの裏技を思い起こさせる猪木にひらめきなのでしょうか。
そうして相手を揺さぶり主導権を奪っていけば、お返しとばかりにルスカは胴着の帯を使って猪木の首を絞めていき、次第に礼節のないJUDOファイターへと変貌、まさに「赤鬼」の形相になっていきます。
飛行機投げに担いだルスカでしたが、じたばたする猪木に引きずられるようにエプロンへ移動。猪木を場外へ放り投げたところから場外戦へ突入。さらにお構いなしのルスカは猪木をスリーパーで締め上げていきます。何とかエプロンへ戻った猪木でしたが、ルスカはさらに追撃のスリーパー!
猪木を絞め落としたルスカは柔道着を脱ぎ捨て勝利をアピール。
まるで悪夢の第1回IWGP優勝決定戦のように場外で動かなくなる猪木!
危うし猪木!
一瞬の覚醒
するとなぜか担架がやってきて、試合中にも変わらず猪木を担架に乗せてどこかに連れていきます…。
「これは一体どうなるのか?試合は不透明決着か?」
運ばれていく猪木を観客が見つめながら動揺する中、突如やってきたのは長州力!
張り手で猪木に活を入れ目を覚まさせると、猪木ふらふらと立ち上がりますが、ぼけ~っとした寝ぼけまなこで全く状況を理解できていない様子で、よく事態を把握できないままリングに上がる猪木!
戦う闘争本能が目覚め、三つ子の魂百までも、リング上で相手と向かい合った瞬間!
猪木の危険察知能力が反応し超速のスリーパー!
覚醒した猪木はさらには追撃のダイビングニードロップを投下し、とどめのスリーパーで一瞬にしてルスカを絞め落としてしまい、大逆転の勝利となりました。
ルスカがプロレスに覚醒?
まず、試合全体を通して感じたことは、ルスカなりにプロレスへの適応力が上がっていたことでしょうか。
猪木との異種格闘技戦のあと、新日本プロレスのサーキットしながらも徐々にプロレス界からフェードアウトしたようですが、筋骨隆々な肉体はもとより、怒りの表情やリアクションの取り方はかなり良い感じですし、先に紹介した帯での首絞めなど「明らかな反則技」のトライも高評価ですね。
ただ、この反則技も含めてヒールポジションでの対戦になったことは少し残念。試合中にブーイングも起きていますし、結果的にルスカにとってこの試合が引退試合になったようですから、正々堂々と戦ってほしかったですね。
謎の担架演出
この試合で一番いただけなかったことは、やっぱり一連の担架演出でしょう。
猪木が失神で落ちてしまう。これはいい。命を賭けてリングで試合しているんですから、白熱してそうなってしまうことはある。
だけど、担架を持ってきて勝手に運んでいくのはダメでしょう…。仮にも当の猪木本人は意思表明できない状態なんだから。
運ぶ理由はなんだったのか?運んで試合をどうするつもりだったのか?誰が運ぶよう指示したのか?
第一、それが許されるのは試合裁定が下ってからじゃあないですか。
改めて言っておくと「プロレス」はあらかじめ結末が決められたショーなわけです。そして、この試合の場合はアクシデントで失神してしまったわけではなく、だとすると担架が運ばれてきたことは事前に決められていたということです。
当然、運ばれていく猪木に長州が檄を飛ばし目を覚まさせる演出も決まっていたんでしょう。
私は事前に決められること自体に異論を唱えているわけでないのです。フェイクの世界だからこそ「猪木を担架に乗せてどうするつもりなのか」のリアリティが必要だと言いたいのです。
担架に乗せて連れて行ったら、普通の試合ならその時点で試合放棄で失格じゃないですか(プロレスの試合で試合放棄があればそれすらもアングルですし、ガチの試合放棄なんて例外中の例外でしょう)。
「猪木が目を覚まさせるためにやってくる」ことを思いついた誰かが、「猪木を担架に乗せて連れていく」ことを考えたんでしょうけど、私はそうした雑な演出が気になってしまいました。
観客の様子からはあまり否定的なリアクションは感じられませんでしたけど、皆さんはどう考えられるでしょうか?
また、晩年の猪木は失神癖がついたのか「落ちてしまう」試合が多いような気がしますが、本試合はホゲーっとした寝起きの猪木を見ることができる試合でもありました!
▼結局猪木は大宮スケートセンターに来なかった…。運命の歯車が動き出す!
▼プロレスではないリアルファイトを経験した異様な1年…。
▼ファイター視点でアントニオ猪木の技術を検証する!
▼ジャイアント馬場という対立軸でアントニオ猪木を考える!
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