新日本プロレスワールド【アントニオ猪木名勝負セレクション】1994年5月1日:INOKI FINAL COUNTDOWN 1st 対グレート・ムタ

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こんにちは。野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。

金曜日は闘いのワンダーランド!

毎週金曜日にお届けする『NJPW今日は何の日』のコーナーです。

新日本プロレスワールドのアーカイブにある過去の試合から、アツコアツオが独断と偏見で選んだ1試合を紹介します!

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アントニオ猪木名勝負セレクション

新日本プロレスワールドのリニューアルで過去の動画の多くが視聴できなくなってしまってから数か月…

かなり多くの過去動画が復活してきてはいるのですが、せっかくなのでアントニオ猪木名勝負セレクションを続けていくことにしましょう!

(2024年9月18日現在、アントニオ猪木に関する試合動画は【98試合】存在します)

私は現在進行形の新日本プロレスファンではあるのですが、ここにきてUWFや力道山に関する動画・書物を読み漁っております。そうすると、やはりアントニオ猪木というプロレス界における特異な存在を見逃せなくなってくるし、猪木が残した試合を介した多くの謎解きに挑戦したくなるものですよね。

1本でも多く過去の猪木動画がアップされることを祈って、これからも猪木ウォッチングを続けていきましょう。

というわけで、本日の試合はこちら。

引退へのカウントダウンにもかかわらず、カウントがアップしていくという新日本のお家芸の源流!

引退を決意した猪木が指名した最初の相手は、なんとストロングスタイルとは対極にある、飛び道具的存在のグレート・ムタだった

https://watch.njpwworld.com/details/37843

魔性VS魔界

1994年の1.4で天龍源一郎とのシングルマッチに敗れた猪木は、近い将来に引退することを明言し「INOKI FINAL COUNT DOWN」の開催を発表しました。

そして、その第1戦目に選んだのがグレート・ムタ。なんと猪木自身がムタを指名したんだそうですよ。

当時、まだ武藤敬司よりもグレート・ムタの方がレスラーとしてのバリューがあったから「おいしい相手だ」と思ったのかもしれません。

もしもVS武藤だったとしたら正統派への闘魂伝承マッチ的な意味合いもあったんでしょうけど、ムタを指名することで強烈な世界観のぶつかり合いを見せたかったのかもしれませんね。

猪木イズムとムタワールド、まさに食うか食われるか。

どちらが相手の存在を喰らったのか!

試合展開

先に入場し猪木を待ち構えるムタ、福岡ドームの花道をリングに向かって歩いてくる猪木に対して「ムタワールドへようこそ」と言わんばかりに、ロープに腰かけサードロープを押し広げて猪木を誘います。

純粋に猪木への敬意ともとれるし、やはり魔界への入り口という示唆もありそうで、いずれにしてもこの時点でムタは先手を打って、さっそく観衆をコントロールしたわけです。

ムタは両膝をついて猪木の周りをグルグル周回したかと思えば、スルっと場外へエスケープ。猪木と触れることがないのらりくらりのムタ戦法。これを嫌った猪木がビンタ一閃!ここから試合が動き始めます。

ムタはグランドで卍固めのような態勢に入り、アームロックや腕ひしぎで優位なポジションを維持。グラウンドの攻防では終始ムタのペースで、耐える猪木という構図が続きます。

ハーフボストンに捉えたムタを一瞬アキレス腱固めのような格好で切り返した猪木でしたが、これを嫌ってかムタはまたもや場外へエスケープ。リングで待ち構える猪木のフラストレーションは溜まる一方ですが、ムタは相手のいないかくれんぼでもやっているように、リング外をグルグルと徘徊。

猪木は「上げろ!上げろ!」「上げろよ!コノヤロー」と痺れを切らし、解説のマサ・サイトーは「あのアントニオ猪木を相手にして、ムタはよくやっている」と、ムタ爆上げなコメントで冷静に状況を分析しています。

ようやくリングへ戻ったムタはいよいよ猪木に対峙、手四つになり猪木がローキックを繰り出した刹那、至近距離から毒霧を噴射

視界を失った猪木を花道に連れていきブレーンバスターを見舞ったかと思えば、花道をいっぱいに使った後頭部への長距離疾走ラリアットが炸裂!

ますますムタペースが加速、ついには本部席の机上でドリルアホール!パイルドライバー!

いわゆる“すぐに割れるタイプの机”ではないため、まさに脳天杭打ちの危険な一発!カウントダウン開始の老体には厳しい一撃です!

リングに戻った両者、ムタが見据える猪木の額が割れている…!

毒霧で緑がかった血の気のない蒼白に、鮮血の赤が不気味に映える…。(辻アナいわく「あみだくじ状態!」)

ますます動きが止まっていく猪木でしたが、延髄斬りや浴びせ蹴り、そしてナックルパートwith缶コーヒーで徐々に反撃し巻き返していきます。対するムタもペースを渡さんと猪木を場外でコントロール。福岡ドーム名物(?)縄梯子を利した攻撃を狙っていく。

ここから「武藤のアイディア」だという、リング上をスポットライトだけで照らして最終局面へ。バックに回った猪木は魔性のスリーパーを敢行!

キラー猪木に絞め落とされるかと思いきや、なぜかタイガー服部がブレイクを指示(チョークだったのか?)。

失神したかと猪木が起こしにいった瞬間!

狸寝入りの毒霧噴射!

まるでピッコロ大魔王のように顔面が緑に染まった猪木、完全に視界を奪われてしまい暗闇中でのシャドー状態

勝機とみたムタはシュミット式バックブリーカーからムーンサルトを投下

…カウント2!猪木が辛くも肩を挙げます!

そこからムタは2発目のムーンサルト、ジャーマン、ドラゴンスープレックスとフルコースを仕掛けるもいずれもカウント3を奪うには至らず、不死身の猪木の面目躍如

そして不用意に飛び上がったムタのスペースローリングエルボーをバックからとらえた猪木は、チョークスリーパーで一瞬にして絞め落とし、大逆転のカウント3

防戦一方だったムタペースの試合でしたが、何とか猪木が勝利することができました。

それでも、ムタが勝った!

試合に勝ったのは猪木。それは間違いない。

だけど、ムタはアントニオ猪木の存在を捕食し、それだけにとどまらず、吐いて捨ててしまった!そんな印象を受けました。

この試合後のグレート・ムタを試合をみても、決して「猪木イズムやキラー猪木を体現するような試合」はないような気がして。

猪木を完全に食ってしまったんだけど、決して猪木を取り込んではいないなあ、と。猪木はただの通過点にしかならなかった、というね(なぜか猪木口調で)。

ただ、あまりに一方的なムタペースの試合だったため、もしかしたら試合前に猪木は「お前の好きにやりゃあいいんだ、遠慮することはねえや」なんて言って、ムタに好きにやらせることは織り込み済みだったのではないでしょうか。

そのうえで、猪木はムタなんて野郎に(存在感として)負けない!という自負があったんじゃないでしょうかね。

試合後の猪木によるマイクアピールを聞く限りでは明らかにごきげんナナメだったし、「ムタ、俺の命を取ってみい!アー!」「ムタ、こんな勝負じゃなくてな、おめえのな、とどめの勝負の厳しさ教えてやらあ」と、試合に勝ったのにもかかわらず、ちょっと負け惜しみ感さえ漂うメッセージを発信する始末。

試合には猪木が勝った。でも、「勝敗を度外視した主導権の奪い合い」というプロレスが持っている数ある勝負の側面でみると、間違いなく勝者はムタだった

当時の観客がこの試合にどう感じたかはわかりませんが、2024年の価値観ではそう判断してしまう一戦でした!

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