【25冊目】令和時代のプロレス退団劇!逆説のプロレスvol.27『証言 新日本プロレス「電撃退団」愛と憎しみの舞台裏』

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令和新日本の退団特集本

小さい!薄い!文字が大きい!そして高い!

双葉社から定期刊行されているシリーズ『逆説のプロレス』の印象はそんなところなので今まで手に取ることはなかったのだが、久しぶりにマグナムTOKYO登場に興味をそそられて購入。

また、失礼ながら価格に反して中身が少ない(内容が薄いとは思っていない)印象だったため避けていたのだが、昭和新日本とかUWFの真相とか、猪木アリの真実…なんて懐古本が多い昨今、現在進行形の新日本プロレスをしっかりフォローしてくれるのはうれしいじゃないか。

ブシロード体制下の新日本プロレス主力選手退団劇にフォーカスしつつ、国内マット界が米国の牧場化している現状を憂いつつ、登場するレスラー各々が見解と対策を述べている。

終盤は内容を一区切りする形で新日本プロレス退団年表(なんだそれ)があり、最終ページにマグナム×木戸のスペシャル対談が載っている。

「木戸」といってピンとくる人はよっぽどのマニアで、氏は闘龍門JAPAN創設メンバーの一人で現ドラゴンゲートの木戸社長だ。令和8年になってマグナムTOKYOを知っているファンがどれだけ存在するかは気になるところだが、不可解な退団劇が連発するドラゲーなので注目の対談であろう。

主要コンテンツ

ブシロード新日本の離脱者たち

アントニオ猪木から株を譲渡されてユークス体制となった新日本。ユークス体制では観客は戻り切らなかったが、財務態勢の改善やリング内の充実など、確実に新日本プロレス復活の土台造りに貢献したことは反論の余地はないだろう。

そこからバトンを受けて始まったのがブシロード体制の新日本プロレス。

レインメーカーショック、バレットクラブ結成、中邑真輔の覚醒、AJスタイルズ参戦、飯伏やケニーの合流、そしてロスインゴ…。ブレイクした要素を挙げると枚挙にいとまがないが、とにかくブシロード新日本のスタートダッシュは恐ろしいものだった。何度目かの黄金時代と呼ぶにふさわしい、新世代プロレスの隆盛を極めた盛り上がりだったと思う。

死角なしの新日本から真っ先にデヴィットがWWEへ移籍、そこからグローバル志向が強かった中邑真輔が移籍し、倶楽部としてAJ・アンダーソン&ギャローズがパッケージのままWWEへ移籍した。そのあたりまでは日本人にとって言葉や演出面でWWEの敷居が高いこともあり、移籍はまさにアメリカンドリームであった。

しかしケニー・ヤングバックスを中核となすAEW設立によって潮目が変わった。WWEのような「選ばれし者」の狭き門ではなく、日本人プロレスラーにも大きく門戸が開かれた。大資本家がつく新興プロレス団体に外国人レスラーも次々と移籍し、ついには老舗ユニットであったバレットクラブも消滅した―。

道場で基礎を学び肉体・精神の鍛練を重ね、実践経験とキャリアを積み上げて成長していく日本のプロレス育成方法が、今まさにひずみを起こしている

美味しく育ったところで牧場から市場へ出荷されていくレスラーたち

日本マット界は単なる育成場なのか?レスラーは結局カネで動くのか?歴史的な円安の影響は?

そんな現状を踏まえて移籍経験者のインタビューを中心に構成している。

中邑のプロレスジャーニー

ブシロード新日本が頂点を極めたとき、中邑はWWEの下部組織であるNXTへ移籍した。

彼の場合は新日本組織や命綱で繋いでくれたユークス、そして盛り上げてくれたブシロードに対して感謝の意を繰り返すばかりで、これといったネガティブな印象は持っていない様子。そもそも移籍時のギャラは新日本の方が高かったという話もあり、金銭面ありきの移籍ではなかったことがうかがえる。

また世界旅行的なプロレスに憧れていたようでもあるし、G1・IWGPなど主要タイトルを獲得、さらにはインターコンチでの自己表現の開放と新日本ではやりつくした感もあった。本書でもスキャンダラスな話題はほとんどなく、そういう意味ではあまり読みごたえがない

まさか内藤が…

彼よりも新日本プロレスを愛した男はいないかもしれない。そんな内藤でさえ退団した。本書では「誰も自分が辞めると思っていないだろうから辞めたら面白いかな」と理由を告白。新日本との最後の交渉でもギャラアップ提示だったという。

先の中邑と同じく内藤も新日本内ではやり尽くしたであろうことは事実。ロスインゴも10年以上のユニットになっていたし、ケガと目の影響か十分なファイトが出来ていなかった。また、BUSHI著『エンセリオ、マジで!』で語られたが、海外移籍の可能性を匂わすX氏なる怪しい人物が内藤に近づいてきていたこともあって、何らかの野心的打算があったのかもしない(ご存じの通りこの件はX氏に騙された格好になり海外移籍は実現せず、2026年現在はNOAHマットに参戦している)。

ただこの内藤の退団はファンの一人からすると「いい大掃除が出来ました」と言わざるを得ない。

若手が台頭してきた新日本マットにおいて、格だけが最上級になりながらもクオリティ高い試合ができない以上、カード編成上は会社にとっても扱いにくいレスラーであろうし、かといって前座を温める気もなさそうだし試合スタイルを変える様子もなかったため、退団は良いタイミングだったのではないかと思う。

本書では明かされていないが、そもそも新日本と内藤はなぜ交渉決裂したのかは非常に気になる。会社は内藤をどう評価してギャラアップ提示をしていたのか、そして内藤が要求したことはなんだったのか。

飯伏幸太の大放言!

新日本関係者と縁を切ったのだろうか…と思わせる大放言!

とにかく新日本での居心地が悪かったことがよく分かる恨み節。生え抜き優遇で外様が阻害される文化があるとのたまう。G1もIWGP他タイトルを総なめしておいてよく言う。そんなこといっても、邪外もKUSHIDAも鷹木もうまくなじんでるじゃないか。

IWGPとインターコンチの統一を背負わされたのは悲劇だと思うが、けっこう他責思考のところがある様子がうかがえる。新日本レスラーとの共演ではそんな雰囲気もなかったため、本文中にも出てくるが八方美人タイプなのかもしれない。

まあご本人のことはいいとしても、内藤が退団した事情とかTAKESHITAも疎外感を感じているなど、あまり自分が聞きかじった話を意気揚々と語るのは止めておいた方がよいかと。そんなに周りを敵に回さんでも…と心配になるまさに「思っちゃったんだからしょうがない」読み応えバツグンのインタビューであった。

マニアしか需要ない!マグナムインタビュー

マニア垂涎というよりマニアしか需要ないと思われる、元レスラーマグナムTOKYOと現ドラゲー社長の木戸氏の和解後対談。というか対立していたことを知っているファンはどれだけいるか。

私は闘龍門JAPANからマット界を追いかけているので当然マグナムもアラン黒木も知っているし、突然の退団もある程度知っている。今年急接近をしたCIMAとのトークライブ、さらに幸運なことにユーチューブにアップされたトークライブノーカット版も視聴することができた。

その状態の私でさえこのマグナム×木戸対談はマニアックすぎる内容。そしてビジネス読解力がかなり必要。そもそも岡村前社長の人となり、そしてドラゲーの歴史を把握していないと完全に理解するのは難しい。

究極龍追放、悪冠一色退団、マグナム退団、CIMA一派退団、ドラゴンダイヤ退団、などなど…あまり追いかけていない私でさえドラゲーの不可解な退団劇は記憶に残っているぐらい、「追放に近そうな退団」が多くあった。

闘龍門時代からドラゲーはプロレスファンではなくドラゲーファン、要するにプロレスには興味はないけどドラゲーは好きという固定客がいて、そうしたファンにはぶっ刺さる内容ではないかと思う。

内容★★★☆☆
赤裸々★★★★☆
ケーフェイ★★☆☆☆
レア度★☆☆☆☆
必読度★★
☆☆☆

一言コメント:
読む人を選ぶがマグナム×木戸対談でドラゲーの歴史を振り返ろう。

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