【闘い詣でのイッテンヨン】新日本プロレス2025.1.4東京ドーム『WRESTLE KINGDOM 19』観戦記

こんにちは!野良プロレスコラムニストのアツコアツオです。

すべてのプロレスファンにとって特別な日、それが闘い詣でイッテンヨン!

毎年恒例の新日本プロレス1月4日東京ドーム大会、今年は東京ドームで生観戦!

いつもは一番安い席から観戦しているのですが、今回はちょっと奮発して1Fスタンドのチケットを購入しました。普段は豆粒大の選手たちがかなり大きく見ることができました(笑)

それでは、簡単にまとめつつアツコアツオ的各賞を発表していきましょう!

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『JR東海 推し旅 presents WRESTLE KINGDOM 19 in 東京ドーム 』2025年1月4日(土)東京ドーム(観衆24,107人)

今年は1.4が土曜日、そして1.5の日曜日も連日開催となりました(1.5はAEWメインのカード編成ですけどね)。

曜日の巡り合わせが有利だったにもかかわらず、昨年から約3,000人観客が減少してしまった

東京ドームクラスの大会になると、いわゆる環状線理論でなければ集客はままなりません。首都圏だけではなく、関東近郊や地方からも見に来てもらわなければ会場は満員になりません。

首都圏以外の方は日帰りが難しいですから、土曜日開催だと宿泊することも可能ですし、会場観戦のハードルはグッと下がってくるはず。また、日帰りが可能な方にとっては次の日が休日というだけでも生観戦しようかという気になると思うんですよ。ただ、結果的に昨年に比べて3,000人減になってしまい、曜日の有利は集客に結びつかなかった

カードが弱い、スター不在など理由はいろいろあると思うんですが、1.5も開催される場合は観客が分散することもありそうですし、最近はアフタードーム大会のニューイヤーダッシュもありますからね。近年の新日本プロレス大会スケジュールは1.4に観客が集中する状況になっていないことは大きいでしょう。

かなり気が早いですが、2026年は棚橋弘至の引退試合が控えています。立錐の余地がない超満員の会場で稀代の大エースを送り出したいものです。

試合結果は公式が詳しいのでそちらをどうぞ。

新日本プロレスリング株式会社
新日本プロレス公式ウェブサイト。最新のニュースや記者会見、試合結果速報、チケット情報、選手プロフィール。

公式のXを引用しながら進めていきましょう!

総評

まず初めに、本大会はJR東海をメインスポンサーに迎え開催されたことに注目したいですね。

超一流企業にスポンサードされることは、新日本プロレスが健全な企業であることの何よりの証明になります。一昔前の格闘技系興行会社なら、反社系やマルチ系(失礼!)などちょっと怪しいスポンサーが多くあったものですが、新日本プロレスもついにここまできたか!という感じで、誰もが知る大手企業をスポンサーとして獲得できたことはユークス~ブシロード体制の大きな成果だと思いますね。

また、JR東海はドル箱である東京~新大阪間の新幹線路線を抱える企業ですから、JRグループを巻き込んだ今後の東京ドーム観戦ツアーなども期待できるかもしれません。

さて、大会全体の総評になりますが、近年の1.4と比べるとかなり満足度が低い大会であった、と言わざるを得ないでしょう。

あまたある娯楽の中からプロレスを選び、この他団体時代において複数の正月興行からさらに新日本プロレスの大会を見る。しかも、新日本プロレスワールドの生中継がある中で、会場まで向かい生で観戦をする。

考えてみるとその状況で2万人を超えるファンが詰めかける環境はスゴイのですが、「生観戦した甲斐があった」と思えた大会かというと…。

言ってしまえば「生中継で十分だった」大会というのが私の総評です。

試合開始前のアドバルーンはテンションが上がったぞ!

見たいカード不在

ファンにとっての注目カードは各々あるとは思うのですが、やっぱりカードが弱いですよ。

正直なところ、観戦前から「この試合がみたい!」ってなカードがなかった、というのが本音です。

鷹木 VS TAKESHITAや辻 VS フィンレーのような内容証明付きのカードもありましたけど、すべての試合おいて想像を超えるものはなく、これといったサプライズがない大会だったような気がします。(強いて言えば、柴田登場になるんでしょうけど、個人的にはジョシュ・バーネット登場はとても驚きました)

ひるがえって言えば、飛び道具的な外部選手に頼ることなく「通常運転」のカードで勝負したことは立派なんですけど、マニアや擦れたファンからすると少し物足りなかったことも事実

世代交代、生みの苦しみ

近年は新日本プロレスを彩った選手たちが抜け、残るベテラン選手たちもバリバリのころと同じようなハツラツファイトは難しくなってきましたね。

今新日マットは急激な若返りが進んでいて、ネクストな選手たちがとても充実している状況ではあります。そうした選手たちに東京ドームの後半カードを託すことができる層の厚さはさすがだと思います。一方で、いかんせん現在進行形の看板スターがいないがために、芯になるカードが組みにくいんだろうと感じましたね。

プロレスファンってのはやっかいなもので、会社が推すスター候補生を拒絶する癖がありますので、今の海野選手は非常に厳しい状況でしょう。

まさに海野(生みの)苦しみ状態の新日本プロレスですが、数年後に2025年のイッテンヨンを振り返った時に、「時代の変遷におけるエアポケット」だったと思える日がきっと来ると信じています。

「ジャンルはマニアが潰す」という言葉が独り歩きしているプロレス界ですが、マニアならではの視点でアツコアツオ的各賞を選んでみたいと思います。

(選手は敬称略とさせて頂きますのでご了承ください)

MVP:エル・デスペラード

総評の通り、全体を通してあまり印象的な試合がなかったというのもあるのですが、MVPは予期せぬアクシデントにもかかわらず上手く締めてくれたデスペに贈りたい!

入場時から異常な人気っぷりだったデスペ、きっとこういうところがファンから支持されているんだろうなあ…と素敵な気持ちにさせてくれる、清々しいマイクパフォーマンスがとにかく素晴らしかった

「一生懸命やったんだ」ってDOUKIを労ったセリフにジーンときてしまった。

DOUKIは実直にコツコツと新日本プロレスで実績を積み、運命の巡りあわせの中でわずかなチャンスをものにして見事IWGPジュニアのチャンピオンの座を掴んだ苦労人。試合の結末はどうあれ、この試合に賭ける気合はすさまじいものがあったはず。それが決死覚悟の場外セントーンに繋がったんでしょう。

リング上での邂逅は短かったものの、お互いを知り尽くした両雄ならではの攻防も確かにあった。わずかながら、きっと肉体を通じて会話することもできたんだろうと想像します。

このアクシデントで終わりではないし、ここからまた始まることができる。プロレスってそれが楽しいんですよ。

DOUKI選手は、どうか焦らずにゆっくり体を癒してほしいですね。

ベストバウト:棚橋 VS EVIL

プロレスには「難しいこたぁいらねえよ!」というシンプルな試合が存在します。ゴツゴツした肉体のぶつかり合いもそうだし、ハイフライヤーの空中戦もそう。

そして、本試合のような勧善懲悪モノもプロレスの大きな魅力。誰がみたって善悪区別がつくし、HOT側の悪手に本体側が手を焼く構図もとてもわかりやすい

いっけん子供だましのように見えなくもないのですが、試合を分断する妙やセコンド陣の一芸披露(得意技の応酬)はお見事。EVILのEVILが完全に決まるのもよかったし、棚橋のかつての引き出しである丸め込み技でのフィニッシュもよかった。

一見さんから玄人まで楽しめる本試合は、ある意味では完成されたプロレスと言ってもいいのではないでしょうか。

ソルトバウト:内藤 VS ヒロム

「ジュニアはヘビーに勝ってはいけないのか?」「弟子は師匠を超えてはいけないのか?」

試合実現のタイミングも、師匠越えというテーマも、結果的に完全に機を逸した一戦だったと言わざるを得ないでしょう。というわけでソルトバウト(ワーストバウト)に選出。

最初で最後という師弟対決、内藤とヒロムの間が圧倒的に合っていない。

ジュニアとヘビーの差?内藤のトランキーロ殺法?

動きに精彩を欠く内藤は、終始ヒロムの攻めを受けて立つスタイルで試合が進行。オキテ破りやお互いに大技の応酬はあったものの大きな盛り上がりがなく試合は終了しました。終わってみれば両者の入場シーンがピークだった。

いろんな内情はあると思うし、台所事情もあるでしょう。

だけど内藤にはドームセミでのシングルマッチ、現状では役割を果たすのは難しいと感じました。思えば約1年前に武藤を介錯した内藤ですが、今回はヒロムが勝つべきだったんじゃないか?と反芻しています。

いつぞやの「三沢 VS 丸藤」のようにならなければよいのですが…。

結局、入場がピークになってしまった…。

ショッパイ賞:海野翔太

プロレスの試合は、その選手だけの一存で試合が組まれ進行するものではないことは重々理解しています。

今回のメインイベントは、選手の意に反して会社主導で組まれたカードなのかもしれないし、試合時間も40分を超えるように指示されたのかもしれない。(ありていに言えば、勝者とフィニッシュも決まっていたとみるのが適当でしょうし)

そんなことを踏まえても、ショッパイ賞は海野に贈らざるを得ないでしょう。

「いつ終わるんだよ!」と言いたくなる、まったく勝ち筋の見えない試合展開。

ザックによる強烈&執拗な足攻めによるダメージがなかったことになるサイコロジー無視の後半戦(ただしたまにぶり返す)。

飯伏幸太のように急にキレ出す謎の人格登場などなど…。

もしかすると、本人はナチュラルヒールな性格なのに、ヒロイックな超善玉をやりたいのではないでしょうか?

地に合っていないことをするから、試合中のキャラがブレてくるんじゃないでしょうかね。

それでも、私の周りの観客席で女性の黄色い声援が聞こえたのは海野ぐらいなんですよ。きっとたくさんの女性ファンもいるんでしょう。

華があってビジュアルも悪くない。厳しいトレーニングを連想させるマッチョボディもいい。個々の技も迫力があるし間違いなく次期エース候補に異論はないでしょう。

だけど、棚橋はエースの座を掴むのに時間がかかったし、内藤はエースを諦めてエースの対角の座を射止めたわけで、ピープルズチャンピオンというのはそんなに簡単なものじゃない

激励も込めて、ショッパイ賞とさせていただきます。

客に媚びるんじゃないよ!と言いたくなってしまう…。(いや、すでに言ってますけども笑)

バイク登場も恒例になっているけど必然性がよくわからん。

まとめ

なんだか全体的に厳しい意見ばかりで恐縮ですが、今回のイッテンヨンはいま一つな大会だったとのいうのが私論です。

語らなければプロレスじゃない!ということで見逃して頂けるとありがたいです。

アクシデントに見舞われたDOUKI、そしてメインの舞台で敗れてしまった海野。敗れた選手にスポットライトが当たるのがプロレスの素晴らしさでもある。

ここからまた、新しいドラマを紡いでいってもらいたいと思います!

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